実存主義とは…
名著48 「実存主義とは何か」:100分 de 名著食糧が乏しく経済も不安定な社会を背景に人々はどのように生きるべきかを模索する。
実存は本質に先立つ
例えばペーパーナイフは紙を切るという役割の為に存在するが、人間の場合は数ある選択肢の中から存在意義を選ぶことが可能であるとサルトルは説いたのだった。
確かに人間は固体ではなく生命体なので、後天的に性質(善悪と言った方が分かりやすい)を変えることが可能だ。
↑今回の朗読は川口覚さん。
深みのあるいい演技で「朗読」というか「朗読劇」になってました。
これだけで舞台できそうです。
↑使ってるモニターがおかしいので「赤」がいかれてます。ご容赦下さい笑
この図を見ると実存というのは物体的で、本質は意味や性質を表すのだと解釈できる。
何だか英語の文法にも見えますね。
当時の若者は社会をめちゃくちゃにした大人たちに対する不信感があったと海老坂氏が解説していました。
つまり、「今いる僕ら/私たちはどのようにあるべきか?」という社会問題だったんですね。
嘔吐がミスチルすぎる
この「嘔吐」という比喩は物体が持つ性質を除外した感覚だと私は解釈しました。
わかりやすく一例を挙げるなら「魔女の宅急便」でヒロインのキキが『海が見える!』と黒猫のジジに言ったあと、ジジは『なんだ、ただの水たまりじゃないか』と答えるシーンがあります。
キキは海というものが塩分を含む性質を持っていると理解していますが、ジジにしてみれば性質を除外した「水」なのです。
嘔吐の感覚は従来の概念で見ていた世界が、あらゆる無機質に囲まれた世界に変わってしまう瞬間なのだと私は思います。
主人公のロカンタンは幻聴も聞こえていたようなので、病名で言えば統合失調症でしょうか。
わりと自分もそっち系なので分かるのかもしれない。←えっ?
↑これは「嘔吐」の本文
まんま、Mr.Children「Any」です。
上辺ばかりを撫で回されて急にすべてに嫌気がさした僕は、僕の中に潜んだ暗闇を無理やりほじくり出してもがいてたようだ。
真実からは嘘を。
嘘からは真実を夢中で探してきたけど。めっちゃAnyですよ。ねっ?
自分の存在意義について考えることが多いのでこの解釈は興味深い。
空っぽの箱の存在意義は「何のために在るのか?」よりも、所有権を持つ人間が「何の為に使うのか?」ということで価値は変動する。
これを人間に当てはめると、空っぽの自分は何の為に存在するのかよりも、主観によって何の為に生きるのかというロジックになる。
個人の存在意義は、主観を持つ個人によって定義付けされるべきであるという考え方には同意します。
それこそが自由であり、仮にあらかじめ決められているとするならば、或る人によっては「この世は天国」のままであるし、或る人によっては「この世は地獄」のままなのです。
その変わらない価値観によって戦争や争いが起こっている現状があります。
実存主義は目的意識を持って後天的に存在を変化させる考え方ですから、争いごとを回避できる性質もあると思います。
ただ一つ、イチャモンをつけていいなら空っぽの自分における主観とは何なのか?という疑問がある。
実存主義において、ドライバーの乗っていない車はどこへ行くというのか?
うん、なんかゴメンね。