天気は秋晴れで乾いた空気に家族のはしゃぐ声が響いた。
きっと、春夏秋冬関係なく、あの家族には、あの家族だけの時間が流れているようだった。
その時、私はいつものように灰色の世界で「何の為に」を考えていたので、危うくその基準で見てしまいそうになった。
頭を切り替えて、また誰もいない道を歩いた。
自分は煮ても焼いても食えない人間だということを自覚しているので、息苦しさは相変わらずだ。
しかしながら、世界はつながっているわけで、多種多様な価値観のもと、同時並行に作用して動いている。
ならば、この灰色の世界のどこかに汽水域は存在していて、そこには今の私にはない価値観や考え方があるのだろうと思う。
その境目はどこやねん。
ぽいずーん。