モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」の感想

こんな内容だったとは…


私がこの本を借りようと思ったのは、女性作家の短編集であることと、タイトルの抽象度が高いのにデザインはスッキリしていたからです。
好奇心が湧いてきて「おらワクワクすっぞ」って感じでした。
しかし、どうでしょう…
まさか全てセックスネタだなんて誰が予想したでしょうか笑
短編小説のそれぞれを雑に紹介したいと思います。

泳ぐのに、安全でも適切でもありません

ヒモ男と暮らすセックス中毒の女性が祖母の入院をキッカケに、日常の愛を思い出す話。
ヒモ男は財布からしょっちゅう金をくすねることがあり、日中どのように生活しているのか不明です。
だからと言ってミステリアスってわけではありませんから、どこぞの施設への入居をお勧めしたほうがいいです。

うんとお腹をすかせてきてね

短編集に収録されている全10話の中でも、この話は実験的な作品に感じました。
いわば食欲と性欲のマッシュアップです。
バツイチデブ専の男性と食欲モンスターの女性の恋愛を、グルメレポートばりの質感の表現で綴られています。
今までに読んだことないジャンルですが「何が近いかなぁ」と考えた結果、サイコメトラーエイジで『人を拉致して料理をひたすら食わせて、食えなくなったら殺す話』が近いです。←誰が分かるんだ

サマーブランケット

生まれながら金持ちだった喪女が両親の死を期に、資産を売却して海辺に一軒家を建てる話です。
この喪女は26歳から39歳まで不倫していて、今は年老いたゴールデンレトリバーと砂だらけの汚部屋の中で靴を履いて生活してます。
また、ひょんなキッカケで知り合った大学生のカップルの彼氏をエロい目で見たりします。
村上春樹っぽくて、私はこの話が嫌いです。

りんご追分

学生時代から付き合っていた彼氏は服飾デザインの夢に敗れて「服飾」どころか「ヒモ」になる。
女は仕方なく、日焼けした渋い店長が経営するBarで働くことにした。
そんな現実を生きる深夜の帰り道に、ふと流れてきたトランペットの音を聞いてこう思った。
「ヒモじゃなくて店長に抱かれたいわ」

なんやこの話。笑

うしなう

仲が良いわけでもないのにボウリング場に集まる女達が、ひたすら陰口や悪口やイジメをした時の話をするだけの話です。
主人公の女性は私たちは「喪失の中を生きている」という言葉を残して終わりますが、やってることが2ちゃんねらーの誹謗中傷と何ら変わらないので、同情の余地はなく禁固2年を言い渡されてしまえばいいと思いました。

ジェーン

主人公は不倫してる女学生で、ジェーンというルームメイトと生活しています。
ジェーンは女性でありながら大柄な体格なので、小学生の頃は毎日石を投げられてました。(殺意の波動に目覚めたジェーンはステファンの額を石で割りました)
不倫女は毎日セックスしてましたが、ルームシェアをしたことでセックスの頻度が減ります。
ここで性欲を持て余した相手の男が児童買春で逮捕される事案が発生。
また、不倫女もジェーンの彼氏にレイプされそうになります。
ただ、それだけの話です。笑

動物園

子供を自分の息子であることを自覚できない夫とそれを支える妻の話。
一歩間違えれば「子供が邪魔だった」という理由で殺してしまいそうな匂いがする…

犬小屋

この話は先ほどの「動物園」よりもサイコな内容です。
主人公の女性は、自分の兄の元嫁と自分の夫が不倫しているのではないかと疑い始め、夫を管理するようになります。
毎晩セックスしろとは言わないが、必ず裸で一緒に寝ろだとか束縛してくる嫁に対して夫は「犬を飼いたい」と言います。
嫁は自分への愛情を第一優先にすることを条件に飼育の許可を出しますが、夫は犬小屋を作ったきり犬を飼おうとはしません。
そして、寝袋を犬小屋に持ち込んでそこで寝るようになりました。
家を訪ねてきた兄嫁のルームメイトがこう言いました。
「犬が居ないのに犬小屋があるの?」と。。。

嫌だなー。こわいなー。

十日間の死

フランス好きの両親の元に生まれた女性が反抗期を迎え、アメリカ系フランス人のマークとセックスしまくる話。
マークにはナディアという婚約者がいたが、それはファミリービジネスの為でありウンザリしていた。
2人は上流階級のはみだし者という共通点があり意気投合した。
「十日間の死」というタイトルは、マークという婚約者がいながら恋人を作るナディアに殺意を抱いたセックス中毒の女性がランタンでナディアを殴り、マークに「シット!」と言われて逃亡したことを意味している。
なぜ捕まらないのか不思議で仕方ない笑

愛しいひとが、もうすぐここにやってくる

主人公の女性は40代の帽子職人。
帽子製作を始めて17年、独立してから7年になる。
月曜日は不倫相手とホテルでセックスし、水曜日は生徒に帽子作りを教え、必ず月に1回は年老いた自分の先生の病室を訪れる。
「大切なのは快適に暮らすことと、習慣を守ること」
プロフェッショナル不倫の流儀 笑


おわりに


本当に不倫とセックスばかりの本なのかと、疑問に思うなら読んでみたらいいです。
途中までは男尊女卑の社会に一石を投じる内容かと思いましたが、むしろ不倫を肯定することで自分の存在を保っている女性の精神が分かります。
ただ、ほとんどが不倫で構成されているとなると「またかよ!」の連続で、内容が頭に入ってきません。
その点で短編小説なのに画変わりのないのが残念でした。

泳ぐのに、安全でも適切でもありません

泳ぐのに、安全でも適切でもありません



広告を非表示にする