モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

【100de平和論】井原西鶴著 日本永代蔵


江戸の平和

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江戸学者の田中優子さんが紹介した名著は井原西鶴の「日本永代蔵」
200年続いていた平和を解説してくれました。
✳︎非常に残念な画質でお送りしますが気にしないでね

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戦国から江戸時代になり「持続」を中心とする価値観にシフトしました。

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「地中海」でブローデルが書き記したことと同じように、当時の日本でも経済活動の活発化と比例して戦が起きていました。
そこで生まれたのが「参覲交代」であり、藩主を定期的に江戸に呼び寄せることで戦費が溜まりにくい状態にし、道中での経済が活発になったそうです。

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「下取り」というビジネスモデルの原型は昔からあったんですね。
個人的に「リペア」や「リユース」という考え方は大切だと思うんですが、なんで「リサイクル」は材料を提供する側が金を払わないといけないんですかね?
環境省の利権ですかね。

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「すぎはひは草ばふきの種なるべし」
→生きる方法は草の種ほどいろいろあるものだ

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斉藤環さんは「捕まっているスズメを逃すことによって功徳になる」という、今では考えられないような隙間産業を紹介してました。これが商売として成り立つなんて面白いですねぇ。


茶の十徳も一度に皆f:id:ebiharaism:20160108135302j:image

異物混入事件が発生(笑)

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人のつきあいも絶え、医者を呼んでも来てくれず、次第に弱り、湯水も飲みなくなり、もはや末期となったとき、「今生の思いを晴らすために茶を一口」と涙を流す。
しかし茶を見せても喉が閉じて飲みないのである。
息を引き取る時、蔵の金を取り出させて、足もとや枕もとに並べ、「私が死んだらこの金は誰のものになるのか。思えば惜しい悲しい」と、金にしがみつき、噛みつき、涙に赤いものが混じり、顔つきはさながら角がない青鬼のようである。
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いくら生きるためだといっても、そういう人でなしになるくらいなら、たまたま生を受けて、この世に生きる意味はない。
そういう道に染まっては、どんな悪事も悪い事だと思わなくなる。
マハトマ・ガンジーのいうところの「道徳なき商業」ですね。

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これはフロイトブローデルが考えていた事と通じますね。
さて、そんな江戸時代を終わらせたのがペリー

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朝鮮やオランダと順調に交易していた当時の日本に黒船が来航。圧倒的な軍事力によって、平和は簡単に崩れてしまいました。
なんで、アングロサクソンって際立って暴力的なんですかね。

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まともな仕事をしてこそ人間である。
夢のような五十年やそこらの人生、何をして暮らしたところで、生きられないことはないはずだ。 井原西鶴