モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

僕だけがいない街の感想

「#11 未来」が良かったので感想を書いておこうと思います。


このアニメを見ようと思ったきっかけは、オープニングの曲がアジカンだったから。ただそれだけです笑
タイトルからして主人公の死亡フラグがプンプン匂っていますが、案の定一話目から主人公のサトルは事故ります。
その時に特殊能力を発揮して…
この時に思ったのは、意識だけ飛んでも自分の本体が死んだら意味ないのではと… 最終的にピザ屋の配達で死亡して終わるんじゃないか?って思いました。
でも、そういう従来のタイムスリップとは違って、自分の意思とは関係なく発動する「バッドエンドが許されない人生」なんですね。
面白そうだなと思って継続して見ることにしました。

そのあとのストーリー展開は、子供の頃に児童誘拐殺人で死ぬはずだった初恋相手の女の子や友達が死なないように未来を変えていく内容です。
SFかと思いきやしっかりとしたサスペンスでした。子どもの姿に戻ったサトルはひたすら孤軍奮闘します。(誰にも事実を言えないところが名探偵コナンと違うところ)

映し方は子どもの姿をしたサトルが被写体で、内面を大人のサトルの声で補足していく感じ。
私は何度も失敗が許されるならストーリーが間延びするんじゃないかと思ったんですよ。そうしたら、初恋相手のカヨには家庭内暴力を受けているという背景があるんです。
その暴力の見せ方がとても上手い。
肉体的な暴力は腹を狙うとか、ネグレクトだから朝ごはんは自分で買って一人で食べるとか。
今の社会でも存在するであろう、誰にも気づいてもらえない孤独の生々しさをアニメで描いてるんです。
これには惹きつけられました。

そうした事実を知ったサトルもかなりの使命感を持って1日1日を過ごしていくんですね。
「したっけー!」「したっけー!」って別れの挨拶とか些細なことも気にかけて行動します。(大泉洋も言うのかね?)
そうやって毎日を積み重ねて、カヨをどうにか親から引き離して児童養護施設へ送ることに成功します。
同じように、今度は友達と近くの小学校に通う児童が不審者に連れ去られないように行動していく。

そして、#10で連れ去り事件の犯人が自分のクラスの担任であることが分かる。
サトルはそれを担任が運転する自動車の助手席で聞くんです。
この時、担任が革手袋をしてハンドルを握っているシーンが強調して描かれているのがサスペンスっぽいです。
その後、シートベルトで拘束されたままサトルは車ごと湖に沈められるという…

そして迎えた #11 未来

どうにか命を取り留めたサトルは植物状態のまま大人になっています。
この時に今までと被写体が逆転するんです。つまり大人のサトルを映して、内面が子どものサトルという演出に変わっている。
これも上手いなぁって感心しました。
サトルの筋肉が落ちないように母親がマッサージし続けている場面とかも描かれていて、丁寧に作りこまれていると感じましたね。

サトルは記憶を失いかけていて、リハビリを繰り返す。
そこにサトルと同様、大人の姿をした友達が見舞いに来る。
大人のカヨが赤ん坊を抱えて現れる。

多分、この時に何もかも思い出したんです。
死ぬはずだった人間が聖母の姿をして現れたわけですから、「救い」として描かれていると私は思います。

そのあと、西園マナブと名前を変えた担任の屋代学も登場して、サトルを殺しに来る。

#12 へ続く。みたいな。


このアニメは面白いです。
ただ、エンディングで描かれているスキップの作画が下手なのが残念で仕方ない。
曲調が三拍子のテーマソングに合わせた結果、動作がぎこちなくなってる。
それが唯一ダメなとこ。