モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

【100分de名著】第1回 歎異抄/唯円著の感想

名著53 歎異抄:100分 de 名著

阿弥陀仏の本願により念仏するだけで浄土へ往生できるという「浄土仏教」。誰もが簡単に実践できるわかりやすさから多くの人たちの心をとらえた。しかし、その革新性ゆえに、大きな誤解にさらされていた。
【講師】
【出演】
かもめんたる(お笑いコンビ)
親鸞の声】
志賀廣太郎(俳優)
【語り】
小口貴子


4月になり100分de名著も人事異動。
今回から伊集院さんと番組の進行をしていた竹内陶子アナウンサーにかわって、礒野佑子アナウンサーが担当することになった模様。
『(=゚ω゚)ノ礒野野球やろうぜ!』って伊集院さん言ってたりしてね。

易行とは何か?


f:id:ebiharaism:20160405103517j:image
歎異抄」は親鸞が亡くなってから、その教えと異なる解釈が広まったことを歎いた門弟の唯円が書いたもの。

f:id:ebiharaism:20160405104134j:image
知識=仏の教えを説いて導く先人

f:id:ebiharaism:20160405104515j:image
9歳から仏門に入り20年の歳月が過ぎた時、親鸞は己の中の煩悩が消えずに苦しんでいました。そこで易行を唱える法然の教えに出会います。
これは自らの修行によって導かれるという従来の概念とは違い、阿弥陀様が導いてくれるという他力の概念でした。

f:id:ebiharaism:20160405104854j:image
この解説を聞いて腑に落ちない篠岡建さんの顔をご覧ください

「厳しい修行をした人が救われるのは分かるけど、えっ? あいつも助けんのっ⁉︎ってなりませんか?」

f:id:ebiharaism:20160405105525j:image
法然は従来の仏教の枠組みからこぼれる人に目を向けました』

→易行 他力の道=「救い」型の仏教

この解説は分かりやすかったです。
易行は仏教をベースにより多くの人々を救う為の性質を持っていると解釈できますね。
その結果、阿弥陀仏様がオートメーションでハッピーエンドに導いてくれるという…笑。
以前に放送された旧約聖書ユダヤ教徒(ヤハウェに対する自らの信仰心が足りないと考える性質)の考え方とは真逆と言っても差し支えないと思います。

阿弥陀仏とは?

f:id:ebiharaism:20160405110528j:image

阿弥陀とはサンスクリット語に当て字をしたもので、アミータユス(無量寿)&アミターバ(無量光)という意味が込められているそうです。
また、日本語のあちこちに仏教用語はあって、落語の「寿限無」もまた仏教用語を意味していると釈先生が解説。
f:id:ebiharaism:20160405111339j:image
伊集院さん「知らない内に接していた!」

f:id:ebiharaism:20160405111557j:image
南無阿弥陀
『この世界に満ち満ちる限りない光と限りない命のはたらきにお任せします』という意味であり、阿弥陀仏は仏教が持つ「救済原理」であると先生が解説。

f:id:ebiharaism:20160405111910j:image
f:id:ebiharaism:20160405112522j:image
「易行を口にしたら地獄に落ちるのか?」という問いに対して、親鸞が「知らない」と答えた理由は「我々は常に不完全である」という意味を孕んでおり、それ故に親鸞は死ぬまで一度も「悟った」と言わなかったそうです。

ここまでが第一回の簡単な内容です。


私は格差社会において、蹴りおとされた人々は何によって救われるのか?という点で興味があって見ていました。
例えば、昨年末に物議を醸した僧侶の宅配サービスも現代における易行のひとつに思えるのです。

アマゾンは今月上旬、葬儀社紹介サイト運営の「みんれび」(東京)が提供する僧侶の手配サービス「お坊さん便」をサイトに掲載しはじめた。サービス自体はみんれびが2年前に始めたもので、定額・追加料金なしで僧侶を法事や法要に仲介する。登録する僧侶は約400人で、主な宗派をそろえているという。仲介の実数は公表していないが、2014年は前年の3倍の受注があったとしている。
 みんれびはサービスを広げようとアマゾンに「出品」した。売買されるのは僧侶の手配を約束するチケット(手配書)で、基本価格は税込み3万5千円。クレジットカード決済もできる。アマゾンやみんれびの手数料を除いた分が僧侶に「お布施」として入る。アマゾン経由でみんれびに10件以上の申し込みがあった。
限界集落や孤島では自治体が機能不全に陥っている場合もあります。
そうした地域でもネットがあれば迅速に繋がることができるので、時代に対応していると思います。
しかし、Amazonが作り出す経済は徹底的なコスト削減により成り立っています。
また、政府も無人機による宅配サービスができるように法整備を進めることを打ち出しています。
昔に描いた未来ではロボットが仕事をすることで快適に生活できるはずです。
しかし、現実では仕事を失った人は安い人件費の価格競争に晒され、本来機能すべき社会保障も削減されて自己責任の名の下に切り捨てられる。

果たしてこんな世の中で「易行」によって人間はどのような存在意義を見出すことができるのでしょうか。
次回に期待。