JAM THE WORLD : J-WAVE 81.3 FM RADIO
『君の名は。』をはじめ数多くの話題作が公開された2016年。
今月3日、ヨコハマ映画祭は『この世界の片隅に』の作品賞受賞を発表!
公開当初、この作品を上映する映画館の数は63館だったにも関わらず、
公開館数300館を超える作品と並んで映画ランキングでベスト10に食い込んでいます。
じつは、ボクがこの作品を観たのは、きのうの午前中、だったんですが、
平日の午前中の回にも関わらず、映画館は観客であふれていました。
昭和9年1月から始まる、この物語。昭和6年に満州事変が起こり、
日中戦争、太平洋戦争へと続く戦火が近づくなか、庶民の暮らしぶりを
すずという名前の女性の視点で、丹念に紡いだ『この世界の片隅に』。
なぜ、この作品は人々の心を捉えて離さないのか?今夜は
『この世界の片隅に』片渕須直監督にお話を伺います。
すずの声を演じた、のんさんにもお話を伺いました!
以下、メモです。
堀さん→戦争をテーマにした作品が多くある中で、この作品が世代を超えて共感されるのはなぜでしょう?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年12月13日
のんさん→すずさんと生きているような感覚になったという感想を聞きました。監督はすずさんが生きているように、ドキュメンタリーとして撮りたいと仰っていたので、伝わっているんだなぁと。
片渕さん→そういう人(すずさん)の上に爆弾が降ってくるということを感じて欲しかった
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年12月13日
→僕も戦争証言を聞いていて、いつ戦争を感じましたか?と訊くと昭和20年と答える人が多いです。
片渕さん→すずさんはティーンエイジャーで、今で言うと天然ボケなところがある人。のんさんは人を笑わせる覚悟を持っている貴重な人材だと思います。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年12月13日
のんさん→時代が違ったとしても感じることは今の人と違わずに、何があっても日常が巡るのだと考えながら演じました。
堀さん→戦争の実感はありますか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年12月13日
のんさん→肌の感覚はありませんが、監督や製作者さんの話を聞いてると当時の人たちは戦災のように感じたんじゃないかと仰っていて、私たちだと3.11を考えてしまいました。
片渕さん→突然理不尽に生活を壊されたと受け止めたんじゃないかと思います。
→戦争証言を聞いていると世界よりも自分の生活で精一杯だったという声がありました。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年12月13日
→僕らはそこで終わらせてはいけなくて、橋渡しをしないといけません。
→のんさんから監督への質問は?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年12月13日
→すずさんの中には二面性があると仰っていたのはどういうことですか?
→彼女のほうからすずさんの心の中に傷があるなら教えて欲しいと言われて、すずさんは絵を描いて芸術家になることを諦めて生活者になる事を選択したと思うんです。右手がもう一人のすずさん。
意見を交わすことで、得体の知れない「すずさん」という原木を僕と彼女で掘り出していくような作業でした。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年12月13日
堀さん→芸能活動の再開としては?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年12月13日
のんさん→クラウドファンディングで出資して下さる方々や様々な人と一体となって作品が作れるのは楽しいです。
片渕さん→この作品はアニメーションとして前例がないと思うんです。それでも、3000人を超える人たちが出資をしてくれて、のんさんは最後現れて仲間入りだねって。まだかかっていますし、これから上映館数も増えますので、ぜひおとぼけなすずさんに会いに来て下さい。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年12月13日
以上。
片渕監督の『そういう人の上に爆弾が降ってくる』という一言にゾクっとしました。貴重なお話だと思います。
もう少しメモを書きたかったんですけど、文字数だとか字面を修正してると取りこぼしが多くて…
「おとぼけなすずさん」も「おとぼけナス」って予測変換でてきたりして。
ただ今はタイムフリー機能がありますからね。番組サイトにタイムフリーのタグがあるのでそこから聞いてみて下さい。
のんさんの純朴さと実直さが滲み出たインタビューです。公開期間は一週間なのでお早めに。