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アナと雪の女王の感想

 

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遅ればせながら「アナと雪の女王」を見たので感想を…。

 

ええ、皆さんご存知の通りエンディングはフジテレビによってチューンナップされてますから「少しも寒くないわ♪」って、凍死するぐらいのバッドエンドを迎えます。

また、映画の本編の前に紹介番組みたいなのがあって、そこで北朝鮮みたいな保育園で教組として崇められている安倍総理や、都民ファースト(選民思想)な小池知事のコメントが必要な意味が分かりませんでした。アナ雪を使って政治家のアピールをしたり、エンディングで番宣をしたりフジテレビはどうかしていると思います。

 

で、本編について。

言わずもがなのCGアニメーション。手描きのアニメーションと違って、光沢のあるキャラがヌルヌルと動きます。

氷の切り出しをしながら歌うシーンから始まる感じはパイレーツオブカリビアン2を彷彿とさせます。そのあと、お城が出てきて二人の主人公が登場。

神田沙也加と松たか子の仲の良い姉妹が主人公の物語。

ある日、松たか子が覚醒して殺傷能力の高い雪だるまを作ってしまい、その殺意の波動を食らった神田沙也加が仮死状態になります。(後遺症で一部が白髪に)

国王と王妃は急いで森の苔石(アンガールズの田中が好きなやつですね)に治療してもらい、神田沙也加の記憶を改ざんし、必要なところ以外の松たか子との記憶をデリート。

その後、あらゆるものを凍らせる能力を危険視した国王は泣く泣く松たか子を隔離することに。

なぜ松たか子が隔離されているのか知らない神田沙也加はドア越しに「雪だるまつくーろぉー♪ パン祭りしよう♪ 」と歌い出し、松たか子もドア越しに「ごめん中島、今日は出かけるんだ。野球はまた今度な…」と悲しげに断るのでした。(言ってません)

松たか子は何があったのかを知っているから、無邪気な神田沙也加と向き合うのが辛いんですよね。

だから、松たか子シザーハンズという設定なんだなぁと理解しました。

このあと、船が難破してパパとママが速攻で死にます。死ぬ描写さえないのでスタッフからも愛されていなかったのでしょう。そういう意味では一番不憫なキャラクターだと思います。

王と王妃がいなくなり、松たか子が王妃に着くことが決定。

国に来賓がゾロゾロと集まりだすと、成長期を迎えた神田沙也加はあれほど松たか子との再会を望んでいたのに「男はどこだ!男はどこだ!」と歌いはじめるのでした。(ニュアンスとしては合ってる)

そうすると白馬に乗ったケツアゴではない王子様が現れて「生まれてはじめてぇ〜♪」と意気投合するディズニーテンプレミュージカル(病気な展開)が繰り広げられます。

そして、松たか子は式典の場で地獄先生の鬼の手が暴走するハプニングを迎え、「おらこんな村やぁだぁ〜♪おらこんな村やぁだぁ〜♪」と城を飛び出し例の歌を歌うのでした。(吉幾三は歌ってない)

ここまでが前半です。

 

神田沙也加は松たか子を探しに向かい、その途中でRPGでいうところの「よろず屋」へ立ち寄り装備を整えます。

そこへ、国中が雪で閉ざされたために失職した労働者が現れ、もっと安くしろ!と店主に詰め寄り出禁になります。

このイベントで神田沙也加は労働者の乗ってきたソリとトナカイで松たか子が住むドルアーガの塔へと向かうのでした。

神田沙也加が雪だるまつくーろぉー♪と歌いながら説得しますが、自分のせいで誰かを傷つけたくない松たか子は「高橋一生とは似ても似つかないその男を連れてとっとと帰れ」と歌うのでした。(んなこたぁ言ってない)

そこへ登場したのが松たか子を殺そうとする王国関係者で、いきなりバトルが発生!

「心の壁を氷で表現していたんだなぁ」と思った私が馬鹿だった!

松たか子がパン祭りを決行!(このバトルシーンが少し面白いと思ったのは私だけでしょうか)

無双ゲージを解放した姿に「やめておくれやす!やめておくれやす!」と神田沙也加が懇願し、心打たれた松たか子は大人しくなり、その後連行される。

 安心したのもつかの間。

「神田!なんか変だ!」と労働者が指摘。神田沙也加がパン祭りのダメージで白髪になってしまいます。この魔法を解く方法を教えてもらいに田中の苔石の元に急ぐと、真実のペッティングが必要だと言い放つ(言ってない)

 

全く、子ども映画とは思えない展開ですね。

 

命がかかってる神田沙也加は城に帰ってNOTケツアゴにキスを迫りますが、実はこの王子は権力を手にするために城に潜り込んだことを暴露。

神田を放置し、松たか子にお前のせいで死んだぜ!ヒャッハー!と昼ドラ的なゲス展開。

 

ますます子ども向けではない気がしてなりませんが、すったもんだの末にディズニーテンプレで「真実の愛」によってみんな助かるのでした。チャンチャン♪

 

そして最後に『みんなで歌おう!』と放送事故が流れるわけですが、動画が採用された親御さんはテレビから流れるお嬢さんの姿にさぞかしご満悦だったことでしょう。そういう意味では、フジテレビは一部の視聴者の心を掴んだと言えます。

 

以下、ほぼ不満と消化不良です。

アニメーションのレイヤーがはっきりしすぎていてずっと違和感がありました。

昔のアニメで背景の岩が動く時に色が変わっている感じのデジタル版みたいな…

地上の上に立ってる感じがしないのは不自然だし、幼少期のアナとエルサの顔もデザインおかしくてエイリアンみたいで怖かったです。

あとは、ピエール瀧さんが演じる雪だるまが存在する意味が分からない。

例えば魔法少女にとっての小動物はナビゲーションとしての役割があるけど、ピエール瀧さんは「おとぼけキャラ」だから基本的に必要ないんですよ。

内容も一言で言うと「暗殺」ですから、笑ってる場合じゃないんです。暗殺で笑っていられるのはそれを命令した独裁国家のオッサンぐらいで。

トナカイの毛とかのグラフィックは細かったですが、サブキャラを活かしきれてなかったのは痛いと思います。

ストーリーも急角度で曲がりますから、ひたすら観客を突き放していくんですよね。

観客や視聴者に対する過度な説明は不要だと思いますが、「ディズニーテンプレ」で全てを片付けてる感じが私は面白くないんです。

でも、一部の教徒はマゾだからその展開に同化して歌い出すまでに調教されてしまう。映画館を出ても家で雪だるまの内職して、フジテレビに動画を送るまでになる。

これがディズニーの魔法ですね(にこっ)

 

総括すると、何が言いたいのか、意味が伝わってこない映画でした。

「ありのままでは他人を傷つけるから愛を持って人と接しましょう」と言うのなら、どうして「ベストキッド」みたいに力の制御の仕方を教える人物が出てこなかったのか。

また、愛によって力をコントロールできたって言うのならそれは嘘で、その前にコントロールして氷の城が作れてますからね。そこらへんの葛藤や孤独とか抜け落ちてるから意味が全く分からない。

 

「そんなことどうでもいい!」

 

「細かいんだよ!」

 

「嫌なら見るな!」

 

そういう人がディズニーの魔法にかかるのだと思う。

 

「雪だるま作ろぉ♪」

 

そういえば欧米の雪だるまだから三段でしたね。

 

おわり。