続・シピボ族
前回の「部族アース」から一ヶ月。
その間、平気で嘘をつく旅人MASAKIの「ミステリーアース」とサンシャイン池崎の「釣りまアース」が視聴者投票の結果、両方とも終了という結果を迎えた。
さすが「黄金伝説」のチーム。ストイックな姿勢はブレない。
さて、前回の「部族アース」はシピボ族に受け入れてもらい、歓迎会が行われたところで終了だった。今回は呪術医が口にしていたワニやジャガーが出現する湖を撮影するのがテーマでした。
まず最初に映し出されたのはシピボ族がどのように漁をしているかという取材風景。
釣り名人がオモチャみたいに竿の先にマグネットでもついているんじゃないかという速さで魚を釣るんですよ。その人の話では果物(柑橘系かな?)をエサにしてて、その木の周辺に魚影が見えるらしい。
釣竿の他には銛を弓で発射して魚を捕る方法を見せてくれたんだけど、これが百発百中の腕前でビビる。画面からは魚影のようなものが見えないんだけど、おそらく波が起きたときに水面にある微かな違和感を察知してるっぽい。
そのうえ、食べられる量の魚しか捕らないんですよ。これは胸が痛い。
なぜかって、こんな未開の地の部族でさえ水産資源の管理ができているのに、日本はどうしたら経済で利益を出せるのかしか考えてないから、ウナギもクロマグロも絶滅するまで捕っているから。
「原始的なサバイバル」と「社会的なサバイバル」とで性質が違うとも言えますね。
ちなみにナスDは「日本では生でも食うんだよ」と言って、生きたままの魚に歯を突き立てました。
その食レポによれば、水質がきれいだから生臭くなくて甘味があるそう。
それを見た名人が若干引くっていう…笑
漁から帰った一行は、村でシャーマン特有のトリップしそうになる「謎のモノ」を勧められたり、豪華な食事をご馳走になってから湖を目指すことにしました。
それは、歩き出して15分ぐらい経った時のこと。
道端をアヒルの親子が歩いていました。
その愛くるしさにナスDは「ペットですかね?」と呟く。
男性「何を言ってるんだ! 大きく育てて食べるんだよ」
…
まぁ、前回の子猿はペットだったけど、ニワトリの他にこのアヒルも家畜みたいですね。あんまり他の地域と家畜の種類が変わらないのは面白いですね。
気づけば取材クルーの後ろには100人近い村人が連なって、ピクニック気分でワニの出る湖に到着しました。
説明では、夜になるとそこらじゅうでワニの目が光っているというが…(ゴクリ)
そこでナスDに差し出されたのは魚の卵。見かけは黄色味がかっていて数の子みたい。
少女「生で食べてみてよ!」
普通は無茶振りであるがーー
ナスDはお安い御用さと言わんばかりにパクっと口に含んでみせた。
それをまっすぐな目で見つめる子ども達…
味わえば味わうほど「泥水」っていう。
ナマズは泥の中に住んでるから臭そうなイメージはあるけど卵も泥臭いのかぁ。
その後、ボロい舟でワニを捕まえに行ったが大勢の人が来てしまったせいか出現することはなかった。
母親に抱えられた幼児はおねむの時間。
そのまま帰ることに。
夕方になるや否や人々を大量の蚊が襲いかかった。番組ディレクターも服の上から刺されて痛みを訴えていたが、とくに黒い服を着た男性は蚊まみれになっていました。
ちなみにナスDもあちらこちら刺されていたが、それよりもワニを撮影できなかった分をどう補うのかを考えていたのでした。
主演と監督を自分でやるドキュメンタリー番組にしか見えませんね。笑
シピボ族の人々が取材を快諾してくれた理由の一つはこの村のことを知ってもらうことでした。
村には学校があるのですが屋根は腐っていて、いつ崩落するか分からない状態。村にある唯一の病院も医薬品も機器も足りず、衛生状態も保てません。
村人の話によれば、政府はこんな状態であっても学校も病院もあるとして、予算をつけてくれないのだそう。
都市部と地方の格差という問題は近代国家と通じる点ですね。
村の風景を撮影していると目の前にリクガメがトコトコ歩いているのが見えました。
ナスD「色々ペットにするんだな。獲って来て。自然の動物を」
男性「大きく育てて食べるんだよ。美味いぞ!」
でしょうね!笑
これは撮影できなかったワニの剥製。
売ってるらしい。
夜ご飯は昼間に取材クルーの来訪でいつもよりたくさん食べたから「お湯」のみ。
普通なら撮るものがないからカメラをオフにするんだろうけど、ナスDはそこでコミュニケーションを円滑に進めるためにシピボ語を教えてもらうことにするんです。
「スペイン語では〇〇って言うけどシピボ語では何ていうの?」という文法で質問を繰り返し「そうです」をシピボ語で聞き出そうと一苦労。
それを見ていたご婦人が察してくれて「ハーディキ」と言うんだよと教えてくれたのでした。
たしか言語学者だったか、辞書の金田一さんだったか、言葉の通じない現地の人にグチャグチャに描いた絵を見せて、相手から「それは何ですか?」というフレーズを聞き出したという逸話がある。
ナスDはそれに近い気がする。
「部族アース」の取材で現地語を勉強することは彼の中で恒例となっているらしい。
探検家と言語学者の側面を持ちつつ、時間を無駄にしないテレビマンの姿がスタッフの信頼を厚くするのであった。(MASAKIとは大違いですね)
一方で栃木のアイドルU字工事はペルー イキトス ベレン アルタ地区という「笑っていいとも!」とは程遠い貧民街の取材を行いました。
まず目に飛び込んできたのは道端でポーカーが行われている日常。
(インドなんかでも、ストリートチェスがありますね)
その一角は土地を所有できない人々が水の上に居住区を構えた風景が続いていました。
大量の生活ゴミが舟の進路を塞ぎ、あたりには腐臭が立ち込めています。その水は洗濯に使われ、その水の中で子ども達が笑顔で遊んでいるのです。
足を踏み入れた来訪者を全員が見つめているような環境にU字工事の二人は「ヤッベェな」と言うしかありません。
それはスラムにある盛り場でのことーー
ディレクターが二人組の男に声をかけられ、液体の入った濁った瓶を手渡されました。
「アルコール?」と確認してから言われたままに飲み干すと…
二人組「金を出せ」
D「マネー⁉︎」
通訳さんにお金を出してもらって何とか生還できたディレクター。
怖っ 笑
一行がさらにスラムの奥に行くべきか悩んでいると、カツアゲホイホイの二人組が話しかけてきました。
青いシャツのホイホイ「お前らは何も知らないだろうが、これ以上行けば一瞬で身ぐるみを剥がされてしまうぞ」
彼の話によれば、この奥は夜になると銃声が鳴り響き、行ったまま帰ってこない人間もいるという。そこには6、7人の男がいて、もうじき活動を始めるとカツアゲのお礼に忠告してくれたのでした。
なんて親切な人なんでしょう!
取材の時は相手の警戒心を解くためになるべく笑顔でいる二人も、これには顔を強張らせました。
最後に二人は誰もこんな状況を望んでいないこと、ペルー政府は海外から援助を受けているが自分たちのところにそのお金が来ないということを訴えていました。
これは先ほどのシピボ族と同じで、構造的な問題をうかがわせる内容でした。
以上で今回の「部族アース」はおしまい。
来月から土曜日に放送されるみたいだけど、映像にフィルターがかかって内容の鮮度が落ちないようにしてほしいなぁ。