モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

「噓ばっかり/著ジェフリー・アーチャー/訳 戸田裕之」の感想

面白い本を求めて

その日、空を見上げると多肉植物のような雲が流れていた。目線を地上に戻すとアスファルトの上をスズメが飛び跳ねているのが見えた。
「風が強いから無理もない。チュンチュン歩いてるんだな」と思ったが、すれ違う瞬間にそれが枯葉だったことに気付いた。
北野武座頭市のラストで「目ん玉ひん剥いても見えねぇもんがある」的なセリフがあったが、スズメも見えない私の眼球は息をしていない。

もうやめて!眼球の体力はゼロよ!

さて、そんな眼球を装備しつつまた書店に行って来ました。読書の秋という事で面白い本がないかと探索しました。

今回はーー

このどれかを買おうとあたりをつけました。いつまでも店内でマレーグマのように頭を抱えて悩んではいられませんからね。

見てるとなんだか不安になってくる動物「マレー熊」について - NAVER まとめ
しかしです。病気が発病しまして…。
一つは貧困、もう一つは鬱、そしてもう一つが致命的「有名な本は買いたくない病」です。安牌を狙って予定調和の読了感を得るのが嫌だという、売りたい側の思惑に対するアレルギーみたいなものが出てしまうのです。これが発病してしまったら、せっかくリストアップしたものもリセットするしかありません。
そうすると思考回路を「なぜ買いたい本もないのに自分はここに居るのか?」から立ち上げないといけません。

結局マレーグマ状態なのです。
\(^o^)/クラッシャー
目も頭も悪くなったところで「話題作の『王とサーカス』を買おう」と閃いて、どうやら続編っぽいので、今回の全く知らないミステリー本を買いました。(末期症状か)

噓ばっかり

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15の短編が収録されているミステリーという私好みの構成です。ただ、著者のジェフリー・アーチャー氏に関するボキャブラリーはゼロなので作者紹介を鵜呑みにするしかありません。

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イギリスの政治家で著書がすべてベストセラーらしいです。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%25E3%2582%25B8%25E3%2582%25A7%25E3%2583%2595%25E3%2583%25AA%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25BB%25E3%2582%25A2%25E3%2583%25BC%25E3%2583%2581%25E3%2583%25A3%25E3%2583%25BC
気になったのでググってみたところ、貴族うんぬん言いつつ黒歴史もあったりして、「違う本買えば良かったかもしれない」と後悔の念が押し寄せてきました。(まさか税金投入して自分の本買ってベストセラーなんてオチじゃないだろうな…)
私はざわつく心を落ち着けてから「どうか面白くあれよ!」と祈りながらページをめくったのでした。

『唯一無二』

ニューヨークのリーダーズ・ダイジェストの編集者から「100字で起承転結のある文章を書けるか?」と挑まれて書いたのがこの作品だそう。
ジョークだけで出来たショートショートです。あまりに短いので感想をもてと言われても困ります…。

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『最後の懺悔』

『唯一無二』を読んで「あー、買っちゃいけないヤツ買っちゃったのかもしれない」という後悔で満たされていたので、冒頭は白目で読んでしまってあまり覚えてません。でも、結果から言うと「これはそんなに悪くないぞ」です。

あらすじを書きませーう。
舞台はナチスに占領された1941年6月のフランス。
物語は4人の主人公が幽閉されている場面から始まります。
マックス・ラセールズ(サン・ロシェールの町長であり弁護士)
クロード・テシエ(個人銀行の会長)
アンドレ・パルメンティエ(高校の校長)
フィリップ・ドゥーセ(病院の上席医)
4人の元をピエール神父が訪れます。神父はサン・ロシェールへ向かう列車が地元のレジスタンスによって爆破され、3人のドイツ人将校の命が失われたことを説明し、なおかつミュラー大佐がドイツ人1人に対してフランス人を2人処刑しろと要求している事と、3人は明日の朝6時に絞首刑になる事が決まっている事を告げます。4人の中からたった1人を選ぶ方法として、「くじ引き」か「ポーカー」か「自分の犯した最悪の罪を懺悔する」という3つが提案され、4人は話し合いの結果「懺悔」を選び、1人ずつ罪を告白していくのですが…。

以上があらすじです。ナチスという分かりやすい悪を持ってくるあたりがアメリカっぽさを感じます。基本的には会話劇で、最後にひっくり返るという構成になっています。告白のパートはキャラクターの自己紹介であると同時に罪の暴露も兼ねつつ、「誰が助かるのか?」という選定の意味もあって、短編小説の長所であるまとまりの良さが出ています。
白目になっていた私も息を吹き返して読み進める事ができました。
個人的にはゴッドファーザーハガレンのブリッグズ編の雰囲気を混ぜたような感じがしました。最後のシーンは閉塞感を打ち破るような爆発なので、ショートムービーとしてもアリな気がしました。
(まぁ、一回見たらお腹いっぱいになるタイプのヤツだけど)

『オーヴェル−シュル−オワーズの風景』

まずこのタイトルが「何を言っているだ?」という疑問で溢れておりますが、実はこれがオチに繋がっているというオシャレなやつだったりします。
主人公は警察官のガイ・スタフォード。彼の最初の逮捕劇が書かれているわけですが、彼はシャーロック・ホームズに憧れて法廷弁護士の父親の後継ぎよりも警察官を選んだという設定がベースにあって、この通りに物語が構成されているので読みやすかったです。(前半は海外の警察ドラマで後半は名探偵コナンみたいな。笑)

『立派な教育を受けた育ちのいい人』

主人公マーガレット・アリス・バーベッジ准教授は男性社会の大学の中でシェイクスピアの素晴らしさを説く仕事をしていて、描かれているのは彼女にとって最後の講義です。法廷映画のように一つの場面を映しつつ、弁論術を活かしたやりとりが魅力の作品となっています。タイトルの名前負けしない知力戦です。
ただねぇ…いやぁ、私はシェイクスピアのことさっぱり分かんないんだ…。笑
分かりやすく例えると、ガンダム好きの男子グループの中に1人の女子が入って次々と論破していくような内容です。いわばオタクの戦いですね。
私の理解力が低いせいでちょっと原液を分解して読み取れませんでした。
底辺の教育を受けた育ちの悪い屑人間ですいません。

『恋と戦は手段を選ばず』

金持ちのラルフ・ダドリー・ドーソンは自分の階級に見合う女性を探していた。地元の競泳大会の来賓として招かれた彼はエロい目で品定めし、ベスという美女を嫁にしようと決めた。しかしベスにはジェイミー・キャリガンというフィアンセがいた。ラルフはジェイミーが自分の土地を借りてる小作人だとわかるや否や、圧力をかけつつベスの母親を丸め込んで説得してもらうが…。
ーーという感じの略奪愛をテーマにした作品です。ただ正直、戦争招集の手紙がラルフに届いた時点でオチが読めるので面白くはなかったです。
昨今、IT企業の社長と女優のゴシップが世の中を賑わせていたりするので、金持ちになれば大抵のものは手に入るという考え方もできなくはありません。それを踏まえてこの作品を読むと、ベスの純真な愛情は「愛はお金では買えない」というあるべき姿だったりします。もっと言うと、作者のジェフリー・アーチャーは金持ち側の人間なので自分を戒めているのかもしれませんね。

『駐車場管理人』

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農場管理人からの駐車場管理人。
とくに繋がりはございま…せん!
サッカー選手になり損ねたジョー・シンプソンは駐車場の係員という適職に出会う。彼女のモリーにプロポーズし、幸せに暮らそうとした矢先に人員整理でクビに。結婚式が終わる頃には金欠になっていた。叔父のバードから動物園で欠員が出るかもしれないという情報をもらい、ジョーは動物園に向かう。その途中に空き地がある事に気付いたジョーはある事を考え始めた。果たしてシンプソン一家の運命やいかにーー。
というのがあらすじ。とくに可もなく不可もなくといった感じのコメディ作品。
何も持ってない男が知恵を絞って一発逆転するというのはアメリカンドリームですね。墓場の設計まで考えていたというオチは駐車場管理人というタイトルを踏まえた綺麗なものでした。

『無駄になった一時間』

大学の授業料が高いので大学に行く時にヒッチハイクをしていたケリー。ヤバい車に乗らないように、老人で既婚者で丁寧な言葉遣いの人の車を選んでいた。そこへぴったりの紳士が現れて…。
というのがあらすじ。
アメリカ文学に詳しい方なら、会話の中で徐々に明らかになるこの紳士の正体を早押しクイズでボタンを連打している事でしょう。
私はアメリカ文学についてほとんど知らんガーナなのでこの作品の面白さを理解することができません。ただ、無駄な文章が少なくてショートショートとして完成度の高い作品だと思いました。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%25E6%2580%2592%25E3%2582%258A%25E3%2581%25AE%25E8%2591%25A1%25E8%2590%2584

『回心の道』

主人公の同学年に世界最大の鋳鉄製造会社ベアストウ&サンの会長サー・アーネスト・ベアストウの息子が居て、修学旅行でドイツのユダヤ人収容所の跡地を訪れる。この体験をきっかけに主人公は大人になってから毎年ヨーロッパへの学習旅行を企画し続け、大人になった息子はリポン主教になった。なぜなら収容所の焼却炉を製造したのはベアストウ&サン鋳鉄製造会社だったから。
という話なんですが、登場人物が多い小説が苦手な私にとっては本筋と関係ない人物を出されるとツライです。
「関係ないんかーい!」とツッコんで対処しましたが、クリケットの試合の話をされても興味ないのでつまらないし、正直何を言わんとしているのかよく分かりませんでした。
親の過ちを息子が顧みるとか十字架を背負うというのが主題だとは思うんですけど、オチの『リポン主教』を知らないし調べても出てこないのでお手上げ状態です。
リポンとは - コトバンク
\(^o^)/わからん

『寝盗られ男』

親友の妻を寝盗りつつ、離婚させる事で財産分与として親友の経営するパブの経営権を妻のものにしようとする話。
妻は三人目の男とトンズラENDという清々しいオチ。

『生涯の休日』

デニス・パスコーと妻ジョイスは倦怠期に入り、子どもが独立した後も一緒に生活していることが苦痛でならなかった。そんな時、デニスがコスタ・デル・ソルの格安ツアーを発見し、妻もそれに同意した。パスコー夫妻は綺麗な風景と美味しい食事に満足し、体験した客がこのツアーを「生涯の休日」と呼ぶ事を理解した。
しかし、旅の最後にロストバゲージに見舞われた。幸い高価な物は入っていなかった。保険会社は50ポンド以下であれば補償するとしていた為、34ポンド55ペンスの小切手を手に入れた。

これをきっかけに2人はロストバゲージ職人として生計を立てていきます。

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驚いたのは作者がオチに迷って、思いついた3つ全てを書いた事。
昔、仮面ライダー龍騎で物語のオチを視聴者に選択させるという画期的な事をやっていたのを思い出しました。
ちなみに私の頭の中に浮かんだオチは、この3つの中にありませんでした。
どんなものかといえば、「保険金をかけて妻が夫を殺す」というオチです。そうでないと最初の冷え切った夫婦関係が活かされませんからね。

『負けたら倍、勝てば帳消し』

カジノで負けて自殺したり、結婚破綻したり、破産するという悪評を抑えるためにカジノ側が自殺しそうな奴を意図的に勝たせるという手法を取り出した。主人公はそれを逆手にとって大金を手に入れるという話。

死んだフリをするという「なんちゃって感」がオチなので、好き嫌いが分かれそうです。

『上級副支店長』

読む前からタイトルで「金持ちの話」という事が分かってるので、私の興味は閉じてました。そこに追い打ちをかけるように、長ったらしい名前の登場人物達が出てきて白目モード。
せっかく買った本にこんな事はあまりしないのですが、流し読みでページをパラパラめくりました。どうにかストーリーを理解しようとしましたが、全く世界観が好きになれないし、興味も持てないし、オチもなんだかなぁと。
この本の中で一番ハマらなかったです。

『コイン・トス』

オリヴァー・ジャクソンは戦地で恩師に出会う。お互い敵兵という関係上、どちらかを捕虜にして凱旋するしかない。それをコイン・トスで決めるという内容。
「もしあの時、コインの表と裏が逆だったら…」みたいな、タイトルのまんまの展開なので意外性はなかったです。

『だれが町長を殺したか?』

カンパニア州の中央部、ナポリの北側60キロの丘陵にある美しい町「コルトリア」
人口は1463人と少ないですが、白ワインは世界で最も手に入りにくく、オリーブ・オイルミシュランに認められた店が御用達、トリュフに至っては最高の客しか口にできません。このように美しい自然に育まれた食材が村の収入源となっています。
タイトルでお分かりかと思いますが、この穏やか町で殺人事件が発生するわけです。
町は6人の長老によって運営されているのですが、町長選挙を発端に事件が発生します。殺害されたのはマフィアからもヤバイと言われていた男ロンバルディ。どこからこの町に来たのか分からないこの大男は、立場の弱い住民を恐怖で支配し町長選挙に立候補します。この選挙は102歳でこの世を去ったサルヴァトーレ・ファリネッリ氏の後任を決める選挙で、息子のロレンツォ氏が当選すると誰もが思っていました。しかし、当選したのはロンバルディ。なぜか職員は左脚をギブスで固めて松葉杖で歩いていたという絵に描いたような不正選挙。ロンバルディは町役場を乗っ取ると議会を解散させ、町の主要三社に売上税を課す事を決定。
そして、彼は殺されたわけです。
村に常駐しているのはナポリから派遣されたルカ・ジュンティーレ巡査1人。65歳の定年間近の巡査にはお手上げ状態で、代わりにやってきたのが主人公のアントニオ・ロセッティ。果たして彼は事件を解決する事ができるのかーー。

というのがあらすじです。
この本の中で一番読みやすかったし、面白かったです。美しい風景が頭に浮かぶし、若干のラブストーリーもあってイタリアを全面に押し出しています。(イギリスを舞台にした作品ではクリケットが出てきていたけど、この作品ではサッカー選手が出てたり)
事件の展開としては古畑任三郎の『灰色の村』(ファンなら分かってくれるよね)が近いです。ただこの作品の町の人々はいい人なので、ムーミン谷で殺人事件が起きたと表現したほうが伝わるかもしれません。
気になる犯人に関してはミステリー好きの方なら秒で分かるほどの親切設計です。しかし、主人公のロセッティがもしも古畑任三郎だったなら、逆に迷宮入りしていたでしょう。
そして、オチがカッコいい。

「イタリアでは、男が妻が不利になる証拠を与えてはいけないのよ。だれにもね」

この作品は面白かったです。

『完全殺人』

これは一番最初の『唯一無二』と同じく100語縛りのショートショートで、『唯一無二』よりも切れ味が鋭いです。
短い中にも法廷→犯行→法廷→オチとカメラが切り替わっていくので疾走感がありました。

次作についてのお知らせ

おまけ要素として『クリフトン年代記』というシリーズモノの続編が載っているのですが、私はファンではないので鳩が豆鉄砲を食らったような顔で読んでました。どんな内容かというとーー。

「お父さんはどうしていつもウラジーミルに厳しいの?」
「信用できない馬鹿者だからだ。父親そっくりの小物じゃないか。いいか、あいつを絶対に信用するな。秘密を打ち明けるなんて論外だぞ。おまえが家へ帰り着くより早く、KGBに伝わってるに決まってるんだから」
「そんなことができるほどあいつの頭はよくないよ」アレクサンドルは言った。「実際、大学に進めれば運がいいぐらいなんだから」
「頭はよくないかもしれないが」父親が言い返した。「狡猾で冷血だ。危険な組合せだ。嘘じゃない、あいつはカップ戦の決勝チケットを手に入れるためなら母親でも売るぞ。準決勝でやったとしても不思議はないだろうな」

アレクサンドルと友達のプーチンを中心とした青春筋肉サバイバル小説です。(そんなジャンルねーよ)
アレクサンドルの父親コンスタンチン・カルペンコはドイツ軍が引き上げるまで持ち場を離れなかった勇敢なイケメンで、自分の武勇伝を自ら語ることもないいぶし銀な男でもあります。妻のエレーナはそんな夫が大好きで、アレクサンドルに何回も同じ話をしていました。
カルペンコは共産党員ではありませんがKGBからも一目置かれるカリスマ性を持っていました。そんな彼は11人の仲間と共にKGBの支配を食い止めるための秘密の集会を開いていたのですが、路地裏から侵入したウラジーミルに裏地を見られてしまいます。(ボケてみたよ)
そしてウラジーミルはKGBのクソデブポリヤコフ少佐に密告。カルペンコは殺害され、不慮の事故として処理されます。
稼ぎ頭を失ってアレクサンドルは大学に行く事ができなくなり、未亡人となったエレーナに対してクソデブ野郎がセクハラをするようになります。(オレに身体を差し出さないと皆殺しだ!ブヒブヒブヒ!みたいなクズキャラ)
二人の身を案じたエレーナの弟であるニコが船でロンドンかニューヨークへと脱出したほうがいいと作戦を考案。
停泊している2隻の船のどちらに乗船するかはコイントスで決める事にーー。
ここで終わりです。
コインで運命を決めるという演出はいささか古い演出に感じますが、そういうのが好きな人にはたまらないのでしょう。基本的にはスパイやら密告やらが当たり前の監視社会から脱出するというスリリングな展開で退屈はしません。
というか、このまま終わりでもいい感じもします。『訳者のあとがき』によるとこの続きが収録されている最新作『HEADS YOU WIN』が今秋に本国で刊行されるそうです。コインで運命を決めるのが好きなのに、読みたすぎて洋版をAmazonの電子決済で買う人はマゾですね。

おわりに

この時代に「噓ばっかり」なんてタイトルだったので、多少なりともトランプの批判でも書いてあるかと思いきや、ナチスプーチンの批判しかなかったので肩透かしを食らった感はあります。
文化の差であったり私の知識不足もあって、ハマらないものは本当につまらなく感じてしまって、総合的に見るとプラスマイナスゼロかなぁと。帯に書いてあった「スリリングすぎる15の短編」は嘘だったというオチでしょうか。
ただ、ショートショートの構成としては面白い作品もあったし、翻訳本でありながらもオチの切れ味を保っているのはすごいと思います。訳者の戸田裕之さんの実力でしょう。

海外の本の楽しみはここにあって、作者が作った世界を訳者が受け継ぎつつ、作品の中に見られる生活様式の違いをいかに読者に伝えるか、文章表現の感性を変えるのが魅力だと思います。(作者がインプットして訳者がアウトプットしてると言うと分かりやすいか)この本ではイギリス、アメリカ、ドイツ、イタリア、プーチンと作品によって舞台が違い、作者が議員であるからこそ書けるのではないかと思いました。

これから日本は秋を迎えますが、『だれが町長を殺したか?』の世界観はピッタリですね。

(おわり)