「お母さん、バカなんじゃないの。そういうのね、世間じゃ、愛っていうんだよ。やりたい事やってよお母さん…」
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2018年9月18日
「私、自分の子供を生まなくてよかったです。あなたみたいな良い子は絶対私からは生まれてきません」
「そんな事ないよ」#義母と娘と咽び泣く視聴者#涙の中にかすかな灯りがともった感 pic.twitter.com/x7Y3ceAFsm
しーごーろく pic.twitter.com/QkApMSJRET
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2018年9月18日
今期、私が見ていた数少ないドラマ『義母と娘のブルース』が最終回を迎えた。
(ちなみに第一話と竹野内豊が亡くなった直後の回を見逃したけど)
最初に見た印象としてはキャラありきであって、綾瀬はるかさんの演技力がなきゃ保てないドラマだと思っていました。その先入観は回を重ねるごとに払拭されていきました。
カメラワークがとても良くて、中でも初めて夫妻が子どもと一緒に寝るシーンが印象に残ってます。病に侵されている竹野内豊は我が子を任せる事ができる存在に出会って「いつ死んでもいい」と思っていたのですが、「家族と一緒に生きたい」という心情を吐露する瞬間があるんですけど、この時に竹野内豊の顔を画面の中央から左側にスライドさせて右側に空間を作るんです。この空間で未来を現してるわけです。それが上手いなぁと思ったシーンで、キャラありきのドラマじゃないぞと見せつけられた感じがしました。
ストーリーに関しても血縁関係=家族という血統主義とは違う価値観をもたらすものだし、星野源a.k.a.スーパースケベタイム師匠が「恋」でLGBTを念頭に置いて『夫婦を越えていけ』と歌っていたのと同じように多様性を魅せているんですよね。視聴者はそこに心を掴まれたんだと思います。
見てるうちに、ずっと敬語を使っていても家で娘と会話する時はエッジが和らいでいる(怒る時とか注意する時は仕事する時と同じ)事に気付いて、綾瀬はるかさんのスキルの高さに驚きました。
視聴率の高さに納得です。
あと、他に見てたのがテレ朝でやってた「dale」とテレ東でやってた「噂の女」と「インベスターZ」
今日のdale最終回じゃん。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2018年9月14日
菅田将暉の妹が新薬の臨床試験で亡くなったという過去。期間の短縮化の問題はインフルエンザ特措法が思い当たるるる。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2018年9月14日
音声ファイルから流れる大塚明夫さんのスネーク感やばいぜ #dale #ブドウ糖ではない pic.twitter.com/vK3MkZPsct
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2018年9月14日
アクションシーンよ pic.twitter.com/alVF62QASP
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2018年9月14日
「無かった事があった事に、あった事が無かった事になる。それが権力だ。ぐはははは」(会場に会話は筒抜け)
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2018年9月14日
「記録は消せても記憶は消せない」(イケメン) pic.twitter.com/EzKBpg0h8d
ヨシヒコ「記録は消さなきゃ消えないが、記憶はほっとけば薄れる。世間が忘れた頃に戻ってくる」
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2018年9月14日
麻生久美子さん「もしまたやったら、またとっちめれてやれば良い」
「dale」は前にも書いたけど、一話完結型だから見やすいっていうのもあるし、その裏で菅田将暉とヨシヒコの影のある設定が活きていて、最終回はそこに焦点を当てた内容だった。
菅田将暉の妹が新薬によって命を落としたが、一般人が製薬会社に勝てるわけもなく真実は闇に葬られる。それが実は、病気で車椅子生活を送るヨシヒコのために製薬会社に近づいたヨシヒコの父親(スネーク)がこの案件の弁護士をやっていた事が判明する。それを知ったヨシヒコは自責の念にかられつつ真相に迫るという…。
製薬会社と暴力団を相手に、妹の無念を晴らすお兄ちゃん物語の完結。これもまた一話完結型なので最終回だけでも楽しめるという構成。面白かった。
「噂の女」は何となく見てたんだけど、このドラマもカメラが映画っぽくて良かった。男社会を生き抜くために女を武器に成り上がるというのが主軸にあって、植物が好きな刑事が保険金殺人を解明するというのが横にある。それが、最終回に近付くと上り詰めた女に捜査が迫っていくという刑事ドラマの要素が濃くなっていく。これがルパンの峰不二子と銭形警部みたいな匂いがして、コミカルでありながら、悪人の中にある正義が後を引きます。あと、このドラマの役者さん達の演技力の平均値が高いんです。深夜ドラマって予算が少ないからどうしても雑になってしまう場面があると思うんですけど、料理教室の先生がやたら手を叩いたりとか、人物の説明をする時にワイプみたいに顔を出したり、水死体のおっさんの顔を並べたりと、特徴付けることで物足りなさを消してるように見えました。(ドラマTRICKのガッツ石マッチュ的な笑)
最終回で議員秘書と友人が喫茶店で会話するシーンにフラッシュモブを取り入れた演出があったのは面白かったです。実生活でいきなり歩行者が踊り出したり、店内が暗くなってハッピーバースデー歌わされるのなんて真っ平ごめんだけど、ちゃんとした演技として見ると楽しいですね。
「インベスターZ」は欠かさず見てるわけじゃないけど、ホリエモンがナレーションをしたり実際の社長が出演してくれるのは「日本経済新聞」だからこそできるキャスティングだと思います。このドラマに関しては肩肘張らずに見るものだから、雑であっても気にならない。
ただ個人的にはエンディングテーマのぼくのりりっくのぼうよみがハマってない感がします。『渡る世間は鬼ばかり』のエンディングでゴッドファーザーのテーマが流れるような、「あれ?何か違うぞ?」みたいな違和感ね。
あと、最後に書いておきたいのが吉岡里帆さんのドラマの大爆死ね。実は私も最初のほうだけ一回見てやめました。
製作陣の狙いとしては恐らく憲法25条の生存権をテーマにしてるから固いイメージにならないように演出したのでしょう。その結果、熱血爽やか朝ドラ仕立てになり、私はそこにサイコ臭(延長線上に今社会問題になってる体育会系のアレがある)を感じるんです。
困窮した生活を送っている人からすれば見るのも嫌だろうし、オモチャにされてる感じもすると思う。実際の役所の窓口なんてアイヒマンみたいな奴しかいないし、全体主義的なこの国では権利を主張する個人はワガママな人間という見方が多いじゃないですか。(ブラック校則でパーマ禁止だから天然パーマにストレートパーマかけて来いっていう狂ったレベルで)
だからこそ生存権をテーマに選ぶ事は有意義だったはずなのに、なんでふざけちゃうかなぁと…。
ちなみに私が見たのは吉岡里帆さんがずっとギターを持って歩く回だったんですけど、顔だけで視聴率を取ろうみたいな作為的なカメラワークが嫌でした。
(あっ!そういえば前にNHKでも「ゴッホの特番」があって、吉岡里帆さんが出てたんですけど、「ゴッホの絵を見る吉岡里帆を観察する番組」になってて、「ひでー番組だな」と思ったのをたった今思い出しました)
まぁ、納得の爆死ですね。
10月からどんなドラマが始まるのか分かりませんが、自爆スイッチ搭載ドラマがあったら回避したいと思います。
さよなら天さん! チャオズー!