モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

12月28日 K

00-06 ×

06-12 ×

12-18 DE

18-24 A

 

A. 北海道地方-0-0-0-1=1

D. 中部地方   -0-0-1-0=1

E. 近畿地方   -0-0-1-0=1

合計回数       -0-0-2-1=3

 

12:22 長野県南部    浅/1.9 ①

13:22 紀伊水道        浅/2.8 ②

22:04 択捉島南東沖 浅/4.9 ①

 

今日はここ最近で一番冷え込んだ。乾燥しているうえに風が強いので体感温度はかなり低い。

日本海側では大雪に見舞われ、スコップで自宅まわりの雪かきをしていた男性が除雪車に巻き込まれるという痛ましい事故が発生した。除雪車についてはGPSを使った無人運転の開発も進んでいるが、こうした事故が発生しないようにプログラムを組まないといけないだろう。

冬将軍どっかいけよ。って話。

海外のニュース

黄色いベストがルペン派とかどう転んでも絶望しかないよね。だからこそマクロンに裏切られた有権者の失望は大きい。

国内のニュース


大阪維新の粘着質な感じが嫌い。

制度設計を変えない限りこいつらは繰り返すだろう。

広島に原爆が投下された後に原爆傷害調査委員会というものが作られた。委員会は被害者の経過観察をするだけで一切の診療をする事はなかったわけだが、今回の同意のないデータ使用はこれに近いモノに感じる。命を踏みにじっているようで腹が立つ。

ふるさと納税は結局、富裕層の節税対策でしかなくて、リターンを求めた投資になっている。税制の理念としてもおかしい。ただ、自治体が知恵を絞っていく事は創造性があるからいいけど、amazonギフト券とか外資が儲かるとか意味が分からないね。


思い出せる声が減っていく悲しみよ。

九州大学の火災のその後

ニュース番組はやっていないかとテレビを点けると年末の特番が並んでいて、報道は店じまいをしたようだった。その中に『事件の涙』という見たことのない番組があり、気になったのでそのまま見始めた。

内容は今年にあった九州大学の研究室の爆発事故の調査報道。毎日ニュースを見てる私でも、言われなければ思い出せないような事件。たしか研究室の退去を迫られた男性が自殺したという情報のまま頭は更新されていなかった。番組はその男性に『K』と名付けていたので、「おいNHK、自殺者を夏目漱石の『心』になぞらえて遊ぶのはどうなんだ?」と少しイラッとしたのだが、この印象は逆転した。

自殺した仮名Kさんは本当に勤勉で、ドイツ語も堪能、憲法を研究していたという人物だった。父親の会社の倒産の影響で自衛隊学校に行きつつ知識を身につけ、どうにか九州大学に入学したという苦労もあった。人との繋がりもあったが、博士論文を発表できなければ先に道は無く、Kさんの身の回りの仲間の中では道を進む者と挫折する者とで別れて行く。さらにここに重くのしかかるのが700万円の奨学金。バイトと研究との両立は難しく、博士論文を書き上げる事なく時間を迎えた。Kさんは幾つもの学校の非常勤講師を掛け持ちするが生活するのがやっと。そんな中でも生徒たちの身近な話題を取り入れてテキストを作り、新しい学問を求めた。しかし、雇い止めにあってから弱音を吐かなかったKさんが周囲に経済破綻の問題を吐露するようになる。夜勤の肉体労働をしてボロボロになっていくのを行きつけのマッサージ店の店員さんは覚えているとカメラに証言した。その心配に対してKさんは「どんなに学力や能力があっても、それ以上先に進もうと思った時には全て経済的な力が必要になるので能力を活かしきることはなかなか難しい」という事を口にしたという。それでもボロボロになったKさんの靴を見てお店の人々は彼に革靴をプレゼントする事にした。

Kさんは一杯650円の塩ラーメンをいつも同じ席で食べていたとラーメン屋の店主は語った。時には1時間ぐらい話し込む事もあったが、自らの生い立ちなどについては話す事はなかったが、寂しかったのではないかと生前の姿を説明した。

最後に会った時は嘘みたいに食べるのが遅かったという。そしていつもなら「じゃまた月曜日に」とか「水曜日に」とか言うはずのKさんが「じゃあまた…」とだけ言って、手を振って見送る店主の方を向く事なくバイクで走り去ったという。

二週間前にお世話になった母親と飲食店に地元名物なや魚を送り、四日前に最後のラーメンを食べ、事件当日を迎える。Kさんの身体が炎に包まれた6時間後、接骨院に真新しい革靴が返品された。その靴には「これまでお世話になりました。誕生日プレゼントありがとうございました。が、高価で使えないものをいただくのも申し訳ないので、お返しします。サイズ変更していただいてどなたかお使い下さい。申し訳ありません。2018年9月6日」と書かれた手紙が添えられ、透かして見ると涙が落ちたようなシミがあったという。そして番組は終わった。

ここからは私の感想になるが、人に迷惑をかけるなという呪いに苦しんでいる人はとても多いと思うし、社会のあり方として不健全だと思う。OECD加盟国の中で教育にかける金額が最低だという事がどれほどの不幸を生み、またどれほどの優れた人材を失う引き金となっているのか考えさせられた。とくに揺さぶられたのはラーメン屋の店主に顔を見せたくなかったからバイクをすぐに走らせたとしたら、Kさんはきっと泣いていたのだ。そして靴に添えられていた手紙は生前の整った筆跡と違って丸みがあって、文章も乱れて挿入する部分もあった。とても嬉しかったに違いないし、だからこそ、その靴を履いて死ぬわけにはいかなかったのだ。

地方のニュースとして片付けられていたこの事件を、調査報道という形で全国に放送した事はとても意義があると思うし、報道は視聴率など気にせずにやって欲しいと思った。

でなければ救いが無いからね。