JAM THE WORLD : J-WAVE 81.3 FM RADIO
今夜は、「F1種」と呼ばれるタネについて考えていきたいと思います。
この「F1種」、一言で説明すると一世代限りしか使えないタネのことで
今、園芸店やホームセンターなどで売られている野菜のタネや世界中の農家で使われているほとんどのタネが、このF1種。
また、このF1種の中には、オシベがない「雄性不稔(ゆうせいふねん)」と呼ばれる生物学的には異常なタネもあり、これが今増えているんだそうです。
(つまり、子孫を残せない野菜を我々は食べている)
食料生産の効率のために重宝され、増え続けているF1種、果たして、食の安全という意味では問題はないのか?
今、種の世界で何が起こっているのか?
今夜は、F1種子の危険性を訴え、在来のタネを守る活動を広めている
「いのちの種を未来に」「タネが危ない」の著者で、野口種苗研究所代表の野口勲さんをスタジオにお迎えして、F1種について考えたいと思います。
以下、メモです。
F1種について教えて下さい→フォーミュラ1でないことはたしかです。笑両親が別系統の農作物を掛け合わせた雑種の1代目のことです。→これを採って植えたらどうなりますか?→劣勢形質が出てきてバラバラになります。商品になりません。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2017年5月5日
→何割がF1?→豆やキク科の植物以外ですね。日本の野菜はアブラナ科が多くて、ほとんどがF1になりました→メリットは?→出荷量、品質、野菜には出荷規格というのがあってそのために作られました。→雄性不稔とは?→男性機能を失った植物のことです。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2017年5月5日
植物を収穫せずに花ができると雄しべがありません。ミトコンドリア遺伝子の異常を掛け合わせたものが世界中で行われています。もともとはアメリカで生まれた技術で、日本の種取りがいなくなると、アメリカンスタンダードがグローバルスタンダードになるわけです。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2017年5月5日
→F1種は安全なのですか?→誰も調べてないので分かりません。蜂群崩壊症候群なんてのもありますけどね。薬剤散布をやって育ててると菌のほうが強くなっていって、イタチごっこですね。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2017年5月5日
→国際競争力と引き換えに野菜工場になっているということですか?→見る人が見ればそうでしょうね。種屋には昔、原種審査会というコンクールがあって、昭和40年ぐらいから雑種コンクールみたいになってしまって。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2017年5月5日
周りの人がこっそりと野口種苗店の番号は何番だい?と尋ねてタネだけを集めるようになって「全く食えたものじゃない」と言ったのを聞いた時、味じゃなくて形で評価される時代になったのかとゾッとしました。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2017年5月5日
→リスナー)命を受け継がないF1種に危機感を抱いています→40代以降の女性なんかはF1種のほうが美味しいという方もいますし、うちの女房もこっちのほうが早く煮えて助かるわなんて言ってます笑
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2017年5月5日
今は種屋がどんどん統合されてます。種を支配するものは食料を支配する。つまり、種を支配するものは世界を支配すると言われています。どっかの種屋がドイツの企業に買収されてわけわからなくなってます。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2017年5月5日
→守るのって大変ですよね?→どんどん減ってますね。だからカタログを発行したら無いタネの注文が来るので作れないのです。1年で50品種ぐらいなくなることもあります。→種の保存期間は?→種類によって違いますが短いものは1年とか
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2017年5月5日
→となると、野口さんみたいな方がいないと在来種の保存ができないのですね→うちの顧客名簿の中で在来種の保存をしている方は700人いないでしょうね。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2017年5月5日
→僕は野口さんの本を読むまでF1を知りませんでした→僕の講演に来た方で大きなお腹をしてやっと子どもができましたなんて言う方もいました→少子化と関係ありますかね?→分かりませんが世界的に精子の数は減ってますし、化学薬品と遺伝子組換と放射能とそれぞれ考えなければなりません。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2017年5月5日
以上。
もともと手塚治虫さんの原稿を担当していた編集者さんだったとか、最近は種が入っていると嫌がる人もいるとかツイートに書ききれない部分もありましたが、とても興味深いお話でした。
品評会の場で原種のPRして種を売るというサイクルが、いつの間にか雑種がメインになっていったという過程は、日本農業の歴史として年表に残すべきだと感じました。種子法についても話す予定でしたが、時間がいっぱいになってしまったということで、また別の機会にぜひ聞きたいなぁと思いました。
最後に、聞いてるうちに思い出した菅原文太さんの記事を貼っておきます。
「異端者でいいじゃないか」菅原文太さんが国民に送ったエール | 日刊ゲンダイDIGITAL
俺は09年から有機栽培に取り組んできた。在来種を扱うタネ屋は数えるほどで、売られている野菜は「F1」といって一代限りで、タネを残せない一代交配種で作られている。農薬もハッキリ言って毒だよ。米軍がベトナム戦争で散布した枯れ葉剤のお仲間さ。極論すれば農薬と化学肥料とF1種で成り立っているのが、今の日本の農業じゃないのか。