モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

HUNTER×HUNTER 34巻の感想

130ページかけてもヒソカは死なない

ハンター×ハンターの最新刊がようやく発売されました。ファンのなかでは、すでに新作ゲームの発売が冨樫先生の休載に直結するのではないか懸念する声があがっていたりする。(もはやテンプレ…笑)

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33巻では、暗黒大陸に向かう船の中で王位継承者を決めるサバイバルが始まるという終わり方をしていたので、私はとうぜん34巻はその続きがメインになると思っていました。

しかし、表紙のイラストは団長とヒソカ。そのうえ「死闘」ときたもんだ。34巻の内容が団長vsヒソカの回収になることは一目瞭然。

十二支んの中の裏切り者がパリストンとサイユウの他にいるのかどうか気になっていた私には、この突然のバトルがいささか疑問ではありましたが、連載を再開(前回の区切りで)する時に長ったらしい推理描写よりも少年漫画のド派手なバトルがあったほうがいいと編集サイドが言ったのだろうと解釈しました。33巻の作者コメントにも後ろに編集者がいて受け答えしながら描いたと記載されていますから、いささか変な展開があっても冨樫先生が100%悪いんじゃないと思います!(褒めているのかけなしているのか)

 

本題に入りますが、最新刊の内容はかなりグロテスクで死神ヒソカは存在しうる首を可能な限り切りとばす描写が満載です。以前、キメラアント編の時はアリがポックルさんの仲間の首を切り落とした時や、逆にキルアがアリの首を切った時にモザイクがありましたが、今回はございません!笑

その代わりに血しぶきが少なく、風船が割れるような簡素な表現になってました。編集が苦言を呈したのかどうか知りませんが、人が死ぬのってそんなに簡単ではないですから、個人的には以前のようにきちんと殺して欲しかったと思います。

なぜそこまでヒソカが首を狙っていたのかといえば団長の能力に原因があります。

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  1. 盗賊の極意(スキルハンター)
  2. 栞のテーマ(ダブルフェイス)
  3. 携帯する他人の運命(ブラックボイス)
  4. 神の左手悪魔の右手ギャラリーフェイク
  5. 番いの破壊者(サンアンドムーン)
  6. 人間の証明(オーダースタンプ)
  7. 転校生(コンバートハンズ)

 

団長はヒソカとの戦いに向けて念能力を盗んできたようです。

サンアンドムーンは太陽と月の呪印を合わせることで発動する能力。(ボマーがやっていた起爆と似てる)オーダースタンプはスタンプを押された人形を操る操作系能力。(頭部と胴体を切り離さないと止まらない)コンバートハンズは他人と自分の外見を交換する能力。シャルナークとコルトピの能力は借りたのでしょう。

スキルハンターは基本的に使用する能力が記載されているページを開いていなければならない制約がありましたが、その制約を無効化するのが栞のテーマ(冨樫先生はサザンオールスターズ好きなのか?)

これはスキルハンターに付属する能力で、栞を挟んだページの能力を使うことができるそうです。キルアパパ&爺と戦った時には使ってなかったので、除念師を見つけた後に身につけた能力なのかもしれません。これによって、団長は栞が挟まれたページと開いているページの2つの能力を使うことができます。

さらにサンアンドムーンは、流星街の長老が同胞を攻撃した人間を殺すために使っていた能力で、仲間を人間爆弾に変えるもの。団長の話によると死後も使えるので、本を閉じても問題ないというのです。「我々から何も奪うな」と言っていた長老から能力を奪ったことで、長老の死後も使用が可能になったのでは?と私は推測しますが。

団長はデスマッチを提案し、ヒソカがこれを承諾したことで、天空闘技場の観客を操作可能な爆弾に変える環境は整ったのでした。

  

一方でヒソカの能力はお馴染みのバンジーガムのみ。

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チート能力の団長に対峙するには劣勢不可避な状況。そのうえ団長は観客席から人間爆弾を操って、隙あらば攻撃するというチキン戦法。団長はヒソカを100%殺しに来てますが、ヒソカはそれに感激してエクスタシーに達するのでした。(変態だぁー!)

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途中でこんなキャッハウフフな絵があったけど、ひたすらグロデスクな展開が繰り広げられます。 

あと観客の描き込みが細かいのも特徴で、鉛筆で書きなぐったようなラフ画は一枚もありません。(当たり前だけど)なかにはアシスタントさんが描いたようなコマもありました。観客にも表情があるので「読む」だけではなく「見る」こともおすすめします。

最終的には、空中に回避したヒソカに対して「進撃の巨人」でライナーが巨人を投げたみたいに、団長が観客をヒソカに投げつけて地上で待ち構える爆弾人間のうえに落とし、起爆して終了。 

うーん…個人的には団長のチキン戦法はマイナスポイント。ヒソカからすると死闘ですが、団長は致命傷も負ってませんからね。それと以前にウボォーギンは「殺した人間のことは覚えていない」と言っていましたが、団長もまた同じように覚えていないのだろうと感じました。

アリアナ・グランデのコンサート会場での自爆テロで8歳も犠牲に 「子どもを意図的に標的に」メイ首相

内容とは関係ないのですが、読んでるうちにアリアナグランデのコンサート会場の近くであった自爆テロを想起してしまいました。コンサート会場が終わった時間を狙ったもので、若いファンの方々が命を落としました。

団長の戦法は非人道的なものでしたから私は「バトル」として評価できません。ネテロが王に対して使った薔薇もバトルの範疇ではないですからね。

 

その後、ヒソカは病院に運ばれシャルナークとコルトピとマチが死亡を確認。左手の指と右足は吹き飛び、表皮は焼け焦げ、鼻と唇は無くなってました。

団長を除念できたのはヒソカのおかげだったこともあり、マチは納棺師みたいにせめて顔は綺麗にしてやろうかと針で少し縫いました。すると、死んだはずのヒソカの身体が突如動きだしました。

人間爆弾が起爆する瞬間にヒソカは誓約を交わし、死んだら心臓と肺を伸縮させろ!と命じていたという漫画みたいな話。(漫画だろ!)

ザオリク成功したヒソカはデスマッチを継続。蜘蛛に宣戦布告(団員同士のいざこざはコインで決めるが、ヒソカはすでに蜘蛛を抜けている)し、早速団長に能力を貸したコルトピとシャルナークを処分することに。

ちなみに爆発で失った指やら顔の表面はドッキリテクスチャーで隠してるだけです。欠損したままのはずなのに勝てたのは、団長に能力を貸してる影響だと考えられます。

ゴンさんは念が使えなくなったのに、なぜヒソカはノーリスクで蘇生できたのかは不明。「誓約」の場合、何かしら代償があるはずなんですけどねぇ…

 

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R.I.P COLHTOPHY

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それにしてもコルトピの扱いが酷いっ!

もともとバトル向きの能力ではなかったにせよ、盗品の複製やビルの偽物を作っただけで、パクノダみたいな見せ場もなく死んでいきました。シャルナークなんて戻ってくるのが遅いから「ウンコしてるのか?」って言ってましたから。(死んでるっちゅうねん!笑)

ウンコしてると思っていたコルトピの首を持ったヒソカがぬらりと現れ、シャルナークが駆け寄ると地面に設置されたバンジーガムで捕縛され、ヒソカに殺されました。一定数いるであろうファンの悲鳴が聞こえてきそうな展開ですね。

団長はまだ二人の死を知りません。これからカキン共和国のお宝を狙って船に乗り込むつもりらしいですが、ヒソカを叩くのが先か、船に乗るのが先かは不明です。

 

巻末になってようやくクラピカが現れました。レオリオに至っては一コマです。(チードルの使いっ走り)

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王子達の意思とは別に動き回る念獣の存在が分かったぐらいで、内容にほとんど進展はありません。その中で一人称が「私」ではなく「オレ」になっていたのですが、ノストラードの若頭になってから人格変わったのでしょうか?(知らん)

そんなこんなで次巻へ続くという流れでした。

 

巻末には冨樫先生自らがクロロvsヒソカの解説をしてるページがありました。

悪役と悪役の戦いが好きで、旅団の仲間殺しをしたかったとのこと。その際に頭の中のヒソカはマチを殺そうとしていたけど、メッセンジャーとして残す必要があると判断して今の展開になったそう。

船の中の王位継承戦(もはや海洋パニック映画)だけでも大変なのに、船外の旅団の争いを描くことができるのか心配です。

あと、ジャイロってどうなったんですかね。主人公のゴンさんはガリ勉キャラになったままだし…

冨樫先生がたびたび休載する理由は不明ですが、武内さんがラブリーゴーストライター発動させないと伏線回収無理なんじゃないかな…。 (世界観が広がれば広がるほどに)