顔の無い田中君が織り成す高校最後の物語
ドット絵のアプリを探していたら、また面白そうな作品を発見。
『帰宅部』
デベロッパーはこれまでにも変わったドット絵アプリを生み出してきたグローバルギア。やる一択です。
ゲームシステムは『たまごっち』みたいにパラメーターを上げて大会に挑むというシンプルなものなのですが、ドット絵のスキルがすごくて驚きました。
ご覧の通り顔の無いデザインなのですが、スクールカーストの底辺とされる帰宅部である田中君が高校最後の1年で全員を見返すという逆転のドラマがストーリーの核となっているので、引き込まれる部分があります。
↑勇気を鍛えるために横並びの女子の横を通る田中君(笑)
↑体は前に進みながらもガン見する田中君
パラメーターが高くなると様々な練習が解放されます。その内容は誰もがどこかで体験した事がありそうなノスタルジックなもので、不良に絡まれないかビビりながら帰ったり、道端のエロ本が気になって仕方ないとか笑えるものが多いです。
個人的にドット絵上手いなぁと思ったのは「台風並みの向かい風に立ち向かって帰宅」のシーンに飛んでくる新聞紙の動き。これをドット絵で表現してるのがとても上手くて、田中君にも表情があるんですよね。
大会は校内から始まって、優勝すると次のステージへと挑戦する事ができます。
↑優勝すると周囲の見る目が変わっていきます。
↑地方大会を優勝するとヒーローに。
遠回りをして帰宅していた田中君の承認欲求が満たされていきます。笑
↑全国大会は猛者揃いなので走力を鍛えつつ全体的に鍛えないと勝てません。
優勝シーンではマーチングバンドを引き連れて帰宅する田中君の勇姿が!
↑アジア大会で優勝するとニュースで取り上げられ「帰宅サイコー!イェーイ!」と在校生の皆もテンション高くなっています。(笑)
↑世界大会はパラメーターの平均を5000以上、走力6000以上で優勝できました。
優勝すると片思いの女の子からラブレターを貰うサプライズが発生。ドギマギする田中君に春が訪れます。
そして、垂れ幕をバッグに終了!
ちなみに優勝できたのは11代目の田中君です。全ての練習メニューを解放したうえで、優勝の翌日が卒業式になるぐらいパッツパツのスケジュールでした。
練習メニューを解放するためにパラメーターを上げている時は「作業ゲー」っぽくなってしまいますが、コミカルな動きがジワジワくるし、意味不明な練習をこなす田中君のことを考えながらやると笑えてきます。(好きな子からの誘いを断る時とか泣きながら断ってたり笑)
おわりに
トータルで見るとシンプルなゲームシステムですが、ドット絵の表現力が押し上げていると同時にプレイヤーの感情移入を誘う描写力が素晴らしかったです。
ドット絵好きな人には遊んで欲しいと思います。