一目で面白いと分かる
去年の12月にファミ通を読んでいたら、インディーズゲームを紹介するコーナーに『マジョノシマ』というアプリゲームが載っていて、一目で「あ!これは絶対に面白いに違いない!」と確信してダウンロードしました。記事の内容に関してはネタバレ防止もあってか、魔女にかけられた呪いを解くというおおまかなストーリー説明しかなかったのですが、ドット絵好きな私にはこのキャラクターデザインはたまらなく、さらにミステリー要素もあるという事でドンピシャのゲームです。(以前『INO』をプレイした時と似た感動)
↑タイトル画面は『二ノ国』感あるけど可愛いモンスターはでてきません。
↑始まってすぐに主人公の元に魔女が現れ、朝四時までに壺を探して来いという不条理を押し付けてきます。
不条理ではありますが、時間制限があるというのはかなりのヒントに思いました。(というのもこういうタイプのゲームはひたすら聞き込みを繰り返すものなので、時間によって会話が変わるという予想が立つからです)
そこらへんを歩いているうちに盗賊を発見しましたが、主人公と会話をした事で盗賊は記憶を失くしてしまいます。島との接触を断つために魔女は島の人間に呪いをかけていて、名前を呼んでも記憶を奪われるので人物の表記も「〇〇な女性」という感じで、固有名詞はありません。
↑鐘が鳴り響くこのシーンに感動しました。ドット絵って画素数が多くなるほど劣化した絵という見方もできなくないんですよ。でもこの作品ではドット絵だからこその雰囲気が醸し出されているのが素晴らしい。
↑ハシゴを駆け上がり猫を撫でまわして魔女の壺げっつ。
↑ソッコーで壺の出前に行ったら…。
「SAD END」
ですよね!
一巡目はほとんど人と会話をせずにひっそりと死んでいったわけですが、ここまでのフローチャートは引き継がれるという親切設計なので、マルチエンディングの回収はしやすくなっています。
よーし!本気出すぞ!
という事で私はマップを作りだしたのでした。←え?
フラグ回収作業
このゲームの面白いところは別のキャラクターに視点を切り替えて進めるところです。ネズミを通じて地下室の存在に気付いた時には「なるほどねぇ〜」と思わず声が漏れました。
↑怖かったのおっさんを観察してたら夜中に子どもの石像を移動させていた場面。これは一瞬ゾワっとしました。
何でおっさんがこんな事をしているのかについては詳しくは分からないのですが、これで石像をゲットして礼拝堂に戻して銀のナイフを手に入れるという流れです。
こんな具合に謎を補完するキャラクターが必ず居るので、ベースの部分はパズルのピースを拾って合わせるような感じで進めていきました。
でも、分からない事もありました。
- 広場で友人を待つが来ない男
- いかにして寝ている住人を起こすか
- キャラクターの中には昼になるとぶどう酒を配るという記載があるので、一定の条件を満たせば朝4時以降も行動できるという伏線か?
- 手紙を書いた人間は生存しているのか?
- 盗賊の横にある本は何なのか?
- 飛ばない鳥に小さい魚をあげても食べないし何なん?
この6つの謎を抱えつつ、私が完成させたマップが以下のものになります。
最初はどこに誰の家があるのか分かりませんでしたが、この作業をやっているうちに把握しました。漁師の家に屋根から忍びこんで指輪を回収して、指輪磨きのおっさんに磨いてもらうと魔女の名前が判明するあたりは謎解き感満載で楽しかったです。指輪によって呪いが解けると魔女の泉へと行けるようになります。
↑ここのマップは重なる部分があるので透過させました。
魔女の泉に入る際に泳ぎの邪魔になるので斧を置いていかなければならないのですが、その後にツタに覆われたほこらがあって、どうやってここまで斧を持ってくるのかが問題になってきます。私が頭に浮かべたのが斧にロープを括り付けて、ロープの端を持って泉を泳いで、その後に引っ張ればいいじゃないかと考えました。しかし、斧の前でロープを使う事は出来ませんでした。(まじかー)
もう一度辺りを調査するとレッドストーンパウダーのような赤い実を発見。これはつまり上から落ちてきたというヒントで「森の木が臭うぞ!」と。すぐに行って与作ばりに斧を使ったらロープを使えました。それで祠のツタを斧で切って、異世界のアイテムを回収して、崖にナイフを刺しました。
↑ピカーンと光の柱が立ち上りました。
(魔女がジャイアンみたいな事を言うから笑いのツボに入りそうになった)
通常ENDを回収。それぞれのアイテムを所有しているかどうかでエンディングが変化する事が分かりました。
その中に「藻に絡まる」というドジっ娘ENDがあるのを発見。「藻に絡まるだなんて確立で発生するイベントなんだろうか?」と思った私は何回も魔女の泉の中を通り抜けましたが全く変化せず。笑
そこで水中の中で時間消費をしてみたところコレが正解で、水中で四時を迎えると回収できるエンディングでした。
↑あとは怪しい所は全て調べようと思って、時計台に登った時に偶然このテントを見つける事が出来たのは大きかったです。
↑これは魔女の城のマップ
個人的には庭が怪しいと思っていたので、左側の塔に気付くまでけっこう時間を使いましたね。
ここまでは自力で何とかできたのですが、キャラクターのコンプがなかなかできず行き詰まりました。
↑この昆虫博士の隣のキャラクターを解放するのが全くできませんでした。シルエットから蝶々であるのは間違いないので、テントのあたりとか木こりの家のあたりとか、魔女の泉をひたすら探したのですが発見ならず…。
「これは仕方ない」という事で攻略サイトをみたところーー。
↑裏手の崖に時間経過で豆粒サイズの蝶々が出現するっていう。笑
分かるわけねー\(^o^)/ほほほほほ
これでようやく全てのフラグ回収ができました。魔女に「豆粒サイズの蝶々見つけたよ!」と報告してきました。
↑指輪に刻まれていたNOMAという名前を魔女に教えて記憶が蘇る
↑島が海賊に襲われた際、王妃は子ども達を地下に避難させ自らは魔法で事態の収束を図りました。しかし、召喚魔法を失敗してしまい、異世界の化け物にやられてしまったのでした。
↑通常ENDとは違って剣を持っているので化け物を迎撃。
↑肉片が飛び散る感じとかとても細かいところまで描き込まれているので、このムービーはぜひプレイして見て欲しいです。
↑真のエンディングのラストショット
島の呪いは消え去ったものの、主人公はあしたのジョーみたいな最期を迎えました。希望の光差しつつも儚いエンディングです。
注目して欲しいんですけど、ステンドグラスを通った光がプリズムになってるんですよ。
「これってドット絵なんですか?」
私の知ってるドット絵ではなーい!
技術力がヤバイのです。どうやって作ってるんでしょうね。イラストを描いてドット化してエフェクト付けるみたいな?
ストーリーも良いし、ドット絵の技術革新がとにかくすごかったです。面白いので気になる方は是非プレイしてみて下さい。
ーーで終わると思うじゃん?
普通にこれで十分ですが、トゥルーエンドによってトゥットゥルー!!
なんと!魔女の物語が解放されたのです!
これは意表を突かれました。
桃太郎で例えると、桃太郎が鬼を倒すのが今までの物語で、今からプレイするのは桃太郎がなぜ桃の中に居たのか? 鬼は何処から来たのか?という核心に迫る物語です。
↑場面は王妃が召喚魔法に失敗したところから始まります。子ども達を残して石にされてしまうというのは胸にくるものがありますね。
↑視点は王妃と契約した異世界の化け物になっています。海賊王に俺はなる!みたいな事を言われても表ストーリーで阻止したのでなんて事ありませんね。
↑異世界の化け物は何かが迫っているのを察してネズミを洗脳します。
↑その後に現れたのがもう一体の異世界の化け物。(以下ナマハゲと呼ぼう)
↑王妃が召喚したのが黒い化け物なのは理解できますが、ナマハゲが何処から来たのかが良く分かりません。普通に時空の歪みみたいなとこから出現しましたから。
↑この時点ではナマハゲの一人称は俺なので王妃とは関係ないと思われます。
この後、ナマハゲが壺を取り出して化け物を壺に封印してしまいます。
↑視点を切り替えるとキャラクターが登録され、ナマハゲではなく「魔女となるもの」という名前である事が判明。
この詳細に「異世界のものたち」とある事から複数存在する事が分かります。つまりは何体かが封印されていたうち「魔女となるもの」以外は逃げてしまって、壺を持った「魔女となるもの」がここに現れたという事なのでしょう。
↑この後プレイヤーは洗脳されたネズミを操作して、島の中の生存者に接触することになります。ここまでこのアプリをベタ褒めしてきた私ですが、このエピソードに関しては操作性が悪かったです。ネコが可愛いので許しましょう。
↑ネズミの中には王妃の残留思念のようなものがあって、地下室の子どもに銀のナイフを一本授けました。
残留思念といっても、化け物が復活する為に人間にヒントを教えているという構図なので化け物が王妃の記憶を使っていると表現した方が正しいのかもしれませんね。
↑もう戻ってこない王妃の帰りを待つ子ども達の会話が『アンネの日記』のようで切ない…。
↑ほとんどの住人達は盗賊に殺害されてしまいましたが、その中でようやく生存者を発見。おっさんが石像を隠していたエリアです。
ここからは男性が行けない場所はネズミで行って、盗賊に見つからないように男性を移動させてナイフを固定するというのが目的になってきます。ナイフは単体だけでは設置できなくて、固定するためのロープも必要になってきます。
表面と同じように一定の条件を満たさないと次に進めないので、次に何をする必要があるのかを考えながらやらないと眠くなりまふ。(移動がもたつくからね)
で、私が最初の方で分からない事を6つ書きましたけど、4番がこの「最後の島の大人」である事が分かったので手紙を書いて死ぬんだなというのは理解しました。それと6番目の鳥についてはネズミで話しかけるとどこかに飛んで行ったりする事が分かりました。
ただ、飛んで行った鳥がどこへ行ったのかが分かりません。
\(^o^)/だめじゃーん!
そしてまた攻略サイトを見たところ、最後の島の大人が隠れていた画面の横でチュンチュンしてました。これで鳥の羽根が手に入り手紙の条件は満たしました。
↑礼拝堂、赤い実をつける木の裏、テントがあったエリア、鐘のある塔のてっぺんにナイフを固定
↑最後の一撃は切ない。
↑オッケー!
↑フルコンプさ!
ちなみに最後のアイテムも分からなかったので攻略サイトを見ました。隠れていた地点にネズミで訪れると右横の部屋にチーズがあります。私はてっきり倉庫で死にそうになっていた住民にそれをあげるのだとばかり思っていたら、見当はずれで瀕死の住人の目の前でチーズを美味しそうに食べただけでした。
↑エンディングで「魔女となるもの」が城を乗っ取ったシーンが映し出されます。ただセリフが誰のものなのかが分かりにくいです。
ここでオマエは俺のために永久に力を使い続けるんだ…
↑この文章の「ここ」はもちろん壺の中ですから「オマエ」は封印された化け物になるので、「魔女となるもの」のセリフで間違いないでしょう。そのうえで、封印された化け物がネズミを使って人間にヒントを与えた事で、海外に居た別の王妃が島に帰って来るという流れになって、その島に帰って来た別の王妃が、表面に出てきた指輪のNOMAであり、主人公の少女だったという事だと思います。(間違ってたらごめんよ)
最後の画面がドーン!で終了。
終わりに
いやー。まさかの二部構成だったので映画を観終わったような余韻が残る重厚感がありました。二部に関しては隔離された世界でネズミを軸に物語が進んでいく事から、カミュの『ペスト』のようでしたね。
あと、冒頭で金物屋のおっさんが石像を隠していた話をしましたがなぜおっさんがそんな事をしていたのかは未だに分かりません。あと像のデザインも謎なのです。
↑この像あるじゃん?
↑「二人の母親と赤子の像」という名前じゃん?
↑「魔女となるもの」のデザインが双頭なんですよね。
で、この双頭が王妃と異世界のものだとすると、私がさっきまで書いていた内容が全て間違っている事になるのです!(ナンダッテー)
でも、普通なら「王妃と契約したもの」が双頭でなければおかしいですよね?
ドラえもんがジャイアンの家に居たらおかしいでしょ? アンブレラ社のウィルスに感染してドラえもんの身体にのび太くんが埋まってないと成立しませんよね?
じゃあ、像のデザインと双頭は関係ないという線が濃厚だとしましょう。
モチーフは誰なんですか?(本気で分からない)
金属屋のおっさんが赤子の石像を隠していたのだから、おっさんの奥さんの可能性も無くはない。でも、生け贄になったからといって一般人を偶像崇拝の対象にするでしょうか?
あと、石像が生け贄になった住人ではないとしたら石工職人がいるはずじゃないですか? でも、存在しないんですよ。絵に関しては「背の高い男」が描いている事が分かっていますが、石像を作った作者がいない。寝てる可能性もワンチャンあるかもしれませんが、表面で寝てる家は裏面では海賊が居てネズミでも入れませんからね。
全ての謎は別のエピソードが実装されて解ける可能性もなきにしもあらず。
私の役目もここで終わりだ。
その場所は未来で見つかる。
ゴゴゴゴゴゴゴォォォ!!!