モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

「飛ぶ教室」(第0回)の感想

最初から神回

高橋源一郎の飛ぶ教室 - NHK

『すっぴん!』が終了して寂しい気持ちもありつつ、高橋源一郎さんの新番組『飛ぶ教室』を楽しみにしていました。その第1回目(実際には0回ね)のゲストがヤマザキマリさんと知って楽しみでした。

まず最初に「こんばんわ、作家の高橋源一郎です」という声で記憶が呼び覚まされました。この声だ!と。高橋さんも「8年間朝の番組をやっていたので、ついおはようございますと言いそうになる」と言ってました。担当されるアナウンサーは小野文恵さんです。

以前に『100分de名著』で『ペスト』を扱っていて、その予備知識があったのでわりとサラサラと頭の中に入ってきました。たしか日曜日の朝にやってる報道番組で、ジャーナリストの青木理さんもこの作品を紹介されてました。

この作品は戦争を例えて書かれたはずなのに、病に侵される過程はまるで今起きた事を書いたかのように生々しく、心理描写はテレビから聞こえてる新コロの連呼を浴びせかけられる私たちの心を代弁しているかのようにみずみずしく古さを感じません。書き記す者と読む者の間にタイムマシンがあるような不思議な感覚です。(関係ないけど、COVID-19が流行語大賞になったら誰が受賞するんですかね)

ヤマザキさんのご家族がイタリアで隔離生活を余儀なくされている事はTwitterを通じて知っていましたが、ヤマザキさんが今自分自身が置かれている状況を話せる機会があってよかったと冒頭で言っていたのが印象的でした。

アマビエどうにかしてくれ!

ヤマザキさんのこの話を聞いて、9.11があった時に坂本龍一さんが「カフェでは恋人達がお茶を飲んでる。とても戦争をしている国とは思えない」と言っていたのを思い出しましたし、東日本大震災があった時に被災者の方が東北と東京を対比して「同じ国とは思えない」と言っていたのを思い出しました。非日常と日常の乖離をどうやって埋めるのか、そのうえ目に見えないモノに対してどうやって対応したらいいのかという点で意見が分かれますよね。

BGMのサックスの揺れる感じが菊地成孔さんっぽかったのでワンチャンあるんじゃないか?と思っていたら的中。嬉しくて最後何言ってるか聞き取れませんでした。笑

おわりに

第0回の時点で神回でした。人類史に残るパンデミックの中、日本の国営放送(国営放送って言うとNHKの人は起こるって久米宏さんが言ってた)のラジオで2人の作家が『ペスト』を題材に作品と現在を照らし合わせて貴重な話をしていた素晴らしいメモを私は取ってしまったのです。(未来人に自慢したい)

あと、次回のゲストが菊地成孔さんというのが熱い。私がツイートに付けた「#denpa954」というハッシュタグは以前に菊地さんがTBSラジオでやっていた番組のタグです。この番組の最終回で菊地さんはもうラジオ番組はやらないと仰っていたのでまた声が聞けるのは嬉しいです。さらにその最終回でこの国は五輪によって鈍い経済的なダメージを受けるだろうという事も言っていて、今回のコロナショックです。音楽家の方々は相次ぐイベント自粛で大変でしょうから、そういう近況報告も聞けると嬉しいです。

それにしてもこの番組が始まるタイミングと出演者が神がかってますわ。