モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

100日後に死ぬワニの感想(ワニとヒヨコと貰い事故)

昨晩、『100日後に死ぬワニ』が最終回を迎えた。Twitterのトレンドの上位はワニだらけになっていた。

私がこの作品というか現象を知ったのは伊集院光さんのラジオがきっかけで、それから寝る前は必ず『ポプテピピック』と合わせて『100日後に死ぬワニ』を読むのが習慣化されていました。(狂気と死を枕元に置いて寝る病気)
この作品の変わってるところはタイトルでネタバレしつつ、日めくりカレンダーのように毎日その死期が近づくのをカウントダウンしているところ。死ぬというオチさえなければ、人生の岐路に立たされた心優しいワニくんの日常は続いていたでしょう。でも「それの何が面白いの?」と言われたら確かにそうです。この作品は死ぬ事を宣言してるからこそ人の目を引きつけ、新聞の4コマよりも目立つ事に成功した。例えるなら「僕は死にましぇん」と言って路上に飛び出した武田鉄矢がまんまと自動車に轢かれてしまい髭男爵が「死んどるやないかぁーい(チーン)ハッハッハッハ」という裏切りのボケがあったとしたら、その真逆に位置しているわけです。(くらえっ!分かるような分からない話を!)
また、作者の人懐っこいイラストも注目ポイントで、毎日見てるうちにワニとネズミとモグラの感情のやり取りが読者の心の中にも入ってくる。これは一気読みできない事との相乗効果もあると思います。

その結果、最終回のツイートのリプライには悲しみの声がたくさん寄せられていました。(ジャーナリストの神保哲生さんも呟いていた)4コマ漫画というフィールドで偉業を成し遂げた瞬間だと思うし、また同時に「最も憎まれたヒヨコ」が誕生した瞬間だと思います。
ヒヨコよなぁー。なんでヨチヨチ歩いてんだよ。そりゃ、ワニくん優しいからついつい気になっちゃうよ。泣いてる子どもにベロベロバーとかするぐらいだからね。
親に見捨てられたのか何なのか分かりませんが、あの世界線では今日もヨチヨチとヒヨコが歩いているのでしょう。

一つ物足りない部分があるとすれば、ワニくんの亡骸を見た親友のネズミくんは一体どんな気持ちで彼と対面して、それをみんなに伝えたのかというところが描かれずに終わってしまったこと。この作品の一番エグい部分でもあると思いますが、私はその心象風景みたいなものを期待していたので少し肩透かしを食らった感はあります。でも、そのエグ味を打ち消すように満開の桜で終わってるところが命という現象を描いた作品として納得できる終わり方ではあります。

おまけ

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無慈悲な予測変換。

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チキンラーメンのヒヨコが貰い事故。
「気を付けないと死んじゃうよ!」が殺害予告みたいになってんのこええええ

 

おわり