モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

善チョメと鬼舞辻メトロンの感想

アニメの一挙放送を見終わった。
血が飛ぶ、首が飛ぶ、精神を抉られるという展開の後、炭治郎/伊之助/善逸の修行を経て映画に繋がっていくという流れだった。3人の挫折と性格とが相まって、終盤の会話のやり取りは面白かった。とくに善逸の性格がとてもキャンチョメっぽくて、名前を覚えるのが苦手な私はキャンチョメと呼んでいる。

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どんな人が創っているんだろうかと、エンディングのスタッフロールを見ていたら作画監督の中に『鬼澤佳代』という、まるで登場キャラクターのようなお名前があった。検索してみたところ制作会社のufotableがいかに剣術バトルに秀でてるのかが分かった。(気がする)

クライマックス突入記念! 『Fate/Zero』の舞台裏に迫る!! (6) 制作会社 ufotable ニューカマーピックアップ:「動画検査」鬼澤佳代さん・亀谷佳須美さん | マイナビニュース

鬼滅の刃』は時代背景が『るろうに剣心』と似ているのでつい比較してしまう。
侍が居なくなった世の中でどのように生きていくのかというテーマがありつつ、世直ししながら大きなストーリーに繋がっていくのが『るろうに剣心
ゲームの『レッド・デッド・リデンプション』だとカウボーイが居なくなる斜陽を描いていたりする。

「所詮この世は弱肉強食。強ければ生き、 弱ければ死ぬ」というのは志々雄の言葉。有名すぎて焼肉定食だとか、ボケに使われたり、映画では藤原竜也が演じた事でより一層いじられキャラになったと思う。
志々雄には、政府に捨て駒にされ大火傷を負いながらも蘇ったというストーリーがあり、単純な勧善懲悪でないところが作品全体の魅力。
この前も書いたけど、『鬼滅の刃』では正義の側が被害者に向かって「お前が弱いのが悪い」という言葉を平然と言うシーンが何回かあって、この違和感がずっとあるまま物語が進んでいく。柱という上位の剣士が弱い主人公もろとも殺そうとするシーンは特にそうだ。
ちなみにワンピースでも「人間は弱いのでみんな死ねばいい」という悪役(オーム)が出てくる。
✳︎現世でこれ以上罪を重ねて、生まれ変わった時に下位の姿で生まれてしまわないように殺しますというのはオウム真理教の危険思想。
鬼滅の刃』はシスコンとリョナと自己犠牲の色が濃いので、性癖がマッチングする人はどハマりするのだろうけど、本来なら悪役が言うセリフを正義サイドが口にするのは私には違和感でしかない。
そもそもジャンプの正統派路線(主人公は落ちこぼれと見せかけて実は選ばれし者。修行によって力を手に入れ、元気でご飯をたくさん食べる)からは外れているのだし、能力バトル漫画に飽きている時期だから人間代表として頑張る炭治郎の純朴さが刺さったのかもしれない。そういう漫画もあっていい。『ボボボーボ・ボーボボ』という名作も王道なテンプレートからは外れたところで多くの読者の腹筋を破壊した。
まぁ、ただ、自己犠牲を強いる政治家が出てきた時代に流行る点に関しては、あなたは何も悪くはないが気味が悪い。

あとラスボスが人間に化けて生活しているという点で、『鋼の錬金術師』のホムンクルスを思い出した。でも、人間に化けてるという発想自体は昔からあるので珍しくはない。メトロン星人なんて丸出しすぎるし。

そんなモヤモヤがあるので、ガチャで鬼滅の刃を引き当てた宇多丸さんが来週のシネマハスラーでどう評価するのか楽しみだったりする。
聴くしかねっち!