モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

【くにまるジャパン】ゲスト:太田愛(脚本家/小説家/お焚き上げ)

彼らは世界にはなればなれに立っている

文化放送で午前中にやってる番組に脚本家の太田愛さんが出演されたので、メモしておこう。

(偶然、このブログに辿り着いてしまった方のために書いておきますが、あくまで個人的なメモなので、公式なものはradikoのタイムフリーでお聞き下さい)

 

くにまるさん)久米宏さんの番組を担当していた人間がこちらの番組を担当してまして、緊張してすごかったらしいですね。
太田愛さん)水を飲もうとコップを取る手が震えてしまって。
くにまるさん)ラジオ出演は何回目ですか?
太田さん)ええと、以前に青木理さんの番組(JamTheWorld)に出て、久米さんの番組に出て、こちらで3回目です。

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くにまるさん)テープに話を吹き込んでいたというのは本当ですか?
太田さん)幼稚園の頃にオープンリールのレコーダーにサンタクロースの話をその場で考えて吹き込んでいました。まさに生放送みたいな感じで、煙突が狭いから入れないとか子供なりに考えたりして。
くにまるさん)ルーツはそこになるのでしょうか?
太田さん)そうかもしれません。
くにまるさん)「ヒマかっ?」って課長が出てきたりして。
太田さん)笑
くにまるさん)ご家族が読書家だったのですか?
太田さん)そうですね。ただ、太宰治を読んでいたら父から「そんなものは読むな!」と言われて。お爺ちゃんからは尚更ダメだと言われました。谷崎潤一郎と並んでいて。笑
くにまるさん)「愛にはまだ早い!」と。笑 そのあと文芸部に入ったんですね
太田さん)人生には振り返ると赤面してしまうような事がありますが…(様子がおかしい)
くにまるさん)その時の作品は公開しない?
太田さん)しません。焚き火にでもして…笑
くにまるさん)その頃はどんな作品を書いていたのですか?
太田さん)社会的なものよりは、観念的、個人的なものです。
くにまるさん)その時の脚本は残ってますか?
太田さん)ええ…焚き火に…笑

恥の多い人生を送ってきました。
小説がどんどん多くなってしまって、どこにも送れない分量になってしまって。次から次へとお話しの中に話があってというような、サイドストーリーも多くなってしまって。何とかお金になる方法はないかと思って本屋さんに行ったら、シナリオ大賞100万円とあって、これをもらおうと思ったんですが、また長くなってしまって…笑 書いたものを先輩に見せたら「映画の前編・後編だよね」と言われました。その先輩が実相寺昭雄監督のエッセイを担当していたので、「円谷プロに電話かけておくから行ってみれば」と言われ、名刺もありませんから履歴書を持って行きました。そうしたら「プロット書いて」と言われて、初めて書いたプロットが脚本になったんです
くにまるさん)ウルトラマン何ですか?
太田さん)ウルトラマンティガです。旅芸人の一座の中に怪獣役の人がいるんですけど実は本物の怪獣で、一座がその怪獣を守りながら旅をするという話です。見てる子供には本物の怪獣に見えているのですが、大人には役に見えている。『出番だデバン!』っていうんですけど。そこに悪い怪獣が出てきて、ティガが守るという。
くにまるさん)ええ話やん!
太田さん)ええ話です!笑
くにまるさん)『相棒』との出会いは?
太田さん)ウルトラマンの脚本家さんの繋がりでショートショートの番組をやった時に『TRICK』のプロデューサーが居て『相棒』にという流れです。
くにまるさん)局が一緒ですよね。いつの頃ですか?
太田さん)シーズン8 ミッチーさんの頃ですね。
くにまるさん)『相棒』ファンの方はだいたい分かりますよね。
太田さん)2話3話だったと思います。先に撮影はしていて、第3話に草笛光子さんが出てくれて。始まった頃は何が何だか分からない状態でしたが、私と同じように新しく入った方もドキドキしていたみたいです。
くにまるさん)寺脇さんの後に及川さんが入ったわけですもんね。
太田さん)王子様キャラをいじらせてもらいました。
くにまるさん)王子様を上回る水谷豊さんというとんでもない人がいるから、とぼけた感じに見えて良かったです。高視聴率を維持するプレッシャーは?
太田さん)考えながら書くように努力してましたね。
くにまるさん)その後、劇場版では社会の歪みを書いてますよね?
太田さん)あれだけたっぷり尺があると書くのはラクです。右京さんの声で考えてセリフを打ってるので、家族によるとその時は顔が変になってるらしいです。「今、石坂さんでしょ?」とか。笑

くにまるさん)ここからは小説のお話を伺いたいのですが。
太田さん)『犯罪者 クリミナル』は食品会社の犯罪で企業と個人をテーマにしました。次に『幻夏』では個人と法律、三部作の最後となる『天上の葦』では個人と国家を書こうと思いました。
くにまるさん)大先輩の久米宏さんが推薦というのはなかなかないので、私も読ませてもらいました。これはあらすじなので言っていいと思いますが、渋谷のスクランブル交差点のカメラに映ってるお年寄りが倒れ込んで空を指差すというシーンから始まる。
太田さん)若干訂正させてもらいますが、空を指差してから倒れるという順ですね。
くにまるさん)あの、登場人物にクニオって居ますよね?
太田さん)えっと…どの作品でしょうか? 私、わりと過去の事を忘れちゃうんですよ。笑
くにまるさん)貴女が書いたんですよね?笑
太田さん)登場人物が20人ぐらい居ると途中から名前が変わっていたりしますから。笑
くにまるさん)カナという人物もいたから、もしかしたらこの番組を聴いて下さってるのかと思ったんですが違いました。笑
太田さん)一番影響があったのが『天上の葦』です。その頃はテレビ局に中立報道を求めたり、NHKの国谷さんとかが辞めてしまったり、公共放送のトップが政府が右と言ったものを左とは言えないと言ったり、総務省の電波停止の問題があった時期です。今までにない事が起きていると思いました。池上彰さんもこれまでは放送への介入は抑制的であるべきという意識が共有されていたと言ってましたが、今書かなくてはと思いました。それを久米さんが取り上げてくれて反響がありました。
くにまるさん)『相棒』の太田さんが書いている事に驚きの方もいると思いますが、最新作『彼らは世界にはなればなれに立っている』については?
太田さん)次は個人と世界を書こうと思って、架空の世界を舞台にしたファンタジーにしました。中扉があったりして
くにまるさん)今回は架空の街ですけど、ロヒンギャの問題とか観念として繋がってますよね?
太田さん)そうですね。色々な方に別々の角度で見て頂けると思います。今まではココが良かったというのが決まっていましたが、今回は年代や性別によって思い入れをしてくれる所が違うので、書き手としては嬉しいです
くにまるさん)映像化はしないんですか?
太田さん)してないです。
くにまるさん)誰にやって欲しいですか?
太田さん)『犯罪者 クリミナル』を考えていたのは2004年で、その頃の方とはもう会ってないですね。『幻夏』は堤さんで考えてました。
(メモここまで)

 

恐らく、最後の「堤さん」というのは『TRICK』の堤幸彦さんの事だと思います。メモの完成度としては70%ぐらい。

というのも、私は全く『相棒』を見てないので、ミッチーとのやり取りの部分が全然耳に入ってこなくて。笑

JamTheWorldは聴いていて、メモは取ったか忘れましたけど、当時のウルトラマンの製作陣には沖縄の痛みだったり、社会に対する目を持っていたので、みんなでアイデアを出し合って創っていたという話を青木理さんとしていた気がします。途中で貼ったリンクでJ-waveの正確な記事が読めるので、興味がある方はログインして読んでみて下さい。

久米さんの『ラジオなんですけど』は放送終了しましたが、それも私は聴いていたので、ラジオでは太田愛さんをコンプリート。

(おわり)