モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

各駅停車編の感想(涙と絶望)

昨日、フジテレビで『鬼滅の刃』の「無限列車編」が放送された。TwitterではCMが多すぎて各駅停車だと言われていた。煉獄さんが死んだ直後にパワプロのCMが流れて「甲子園を目指そう!」と笑いを誘ったり、格ゲー?が出たり、テーマパークで無限列車を楽しもうとか、経済波及効果が凄まじそうだった。
私の感想としては、物語の当初からあった「弱いお前が悪い」「ごめんなさい」の繰り返しが醸し出す気持ち悪さが若干脱臭されていたのは良かった。
それでも、炭治郎のモノローグが多すぎるのは気になる。夢の中でトラウマと対峙するシーンでは、これまでの思いがあるから会話劇が成り立つんだけど、炭治郎と煉獄さんがちゃんと話をしたのって当日なんですよね。煉獄さんとの関係は上司と部下であって、それ以上の思い出なんかも当然ないから、炭治郎達は命令に従って切るしかない。だから会話劇が成り立つわけがないのは当然。この映画の中で行われる事は、命令に従って汽車に乗り、命令に従って上司と合流し、上司の命令に従って鬼を切った。そして上司は絶命する。その時に炭治郎が号泣する意味があまり私には分からなかった。関係性と涙の量が比例してない気がした。
理解できるとすれば、こんなに強い煉獄さんですら上弦の鬼には勝てないのか?という人類としての敗北感。それに対して煉獄さんは、弱い立場の人間を守るために力を使う事が強き者の義務であり、人間の命は儚いからこそ美しいという答えを持っていた。短い時間の関係性ではあったけど、その言葉通りの生き様を見せたから炭治郎は「卑怯者め!」と、 「鬼と違って腕を切られても再生しない身体で鬼にとって有利な夜に戦った煉獄さんのほうが強いんだ」とブチ切れ号泣したんだと思う。最期には煉獄さんが妹のねずこの事も認めてくれたのも大きい。
そうだとしても、汽車に乗る前に何か関係性を縮めるエピソードがあったなら、このモヤモヤは湧かなかったと思う。
同様にカラスの涙も分からない。あのカラスはいつから見ていたんだろう。少なくとも汽車の中で何が起きていたのかは知らないはず。上弦の鬼は強すぎるから、煉獄さんは炭治郎たちに動くなと待機命令を出していた。とすると、あのカラスは空中でずっとホバリングしていたのか? いや、それは流石にない。それにあのカラスも命令を伝えるのが仕事で、魔法少女の横の小動物みたいな描かれ方はしてなかったはず。ここの関係性も見えない。
私の結論としてはモヤモヤする所が残ったけど、コロナ禍で経済的に苦しい映画館を救った事実の評価を加えるとスゴイ映画である事は間違いない。俳優の吉岡秀隆さんは3回見たらしい。
昨日の放送のラストには、煉獄さんが無限列車に乗る前のエピソードをアニメ化するという発表と、12月から遊郭編をやるという発表があった。沢城みゆきさんが担当するという事も発表されて、一部のファンが歓喜していた。太川陽介蛭子能収の無限列車の旅とか、遊郭編は小梅太夫が担当するとか、会社が脱税したから作画はAC部になるとかだったら私も凄い!ってなるかもしれないけど、アイドルとか声優さんにいわゆる「推し」が存在しない私は情報解禁でうぉぉー!!とはならない。でもスマブラの情報解禁で参戦PVが流れると、うぉぉー!!ってなるのは何故なんだろう。私の中にもよく分からないものがある。
そうか。炭治郎達もよく分からないけど泣くしかなかったのかもしれない。ベジータフリーザの第3形態の前で泣くしかなかったし、ゴンさんもカイトが生き返らないと知って泣いていた。あんなに頑張ったのに!と赤木晴子さんも泣いていたし、俺は弱い!とルフィも泣いてた。きっとジャンプヒーローの中では絶望と涙はセットで表現されるものなんだ。
書いてるうちに何が書きたかったのか分からなくなったのでおしまい。