モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

スマホの機種変更をした話。

人生を生きていると嫌なものがあります。私としては市役所、医者、冠婚葬祭的な儀式、携帯ショップが4強だと思うんですけど。数年前に4強の一角、携帯ショップに挑んだ事があります。
「2022年3月31日でお前の携帯は死ぬ。死にたくなかったらショップに来い」っていう死亡宣告を2018年ぐらい?から頂いてまして、うつ病と対人恐怖症の私には辛いんですけど、2019年の3月に勇気を出して行きました。
ショップは結構様変わりしていて、高校の頃に行った時は店内はゆったりした空気が流れて、物腰の柔らかい女性店員がコーヒーとミルクとガムシロップを出してくれて、どの携帯にしようかなと見比べたりして楽しかった記憶があります。それからまた機種変更して、その時は26歳ぐらいの女性店員さんが接客してくれて。もうコーヒーは出なくなってましたが、その店員さんも分かりやすく説明を交えて接客してくれましたし、嫌な気分はありませんでした。
その後に、そのショップが無くなるっていうメールが届いたんですよ。私が住んでるのは田舎ですし、コーヒーが出なくなった事を考えれば人件費の削減でショップの数を減らされても仕方ない。でも、そのショップが無くなったらわりと遠い隣町の田舎のショップに行く事になります。億劫ではあるけど仕方ないかと思いながら、私はそのショップのホームページの掲示板に今までありがとうございましたという感謝の書き込みをしました。そうしたら暫くして、そのショップの存続が決まったというメールがあって、恐らく私以外にも書き込んだ方々がいて、その中に存続を希望する声が多かったんだと思います。
そのエピソードを頭の中に浮かべながら、2019年の3月に私は久しぶりにそのショップに行ったわけです。
まぁー、凄かったです。
ぼったくりすぎてヤベー、ヤベー。笑

まず、店の雰囲気が明らかに違いました。以前はゆったりとした空間でしたが、冷たいタイルの上に机があって、机の上に盗難防止用に繋がれた端末が置いてあるという光景。このスタイル自体は、ガラケーの時代と変わらないのでしょうけど、必要最低限のものしか存在しない冷たい印象が強かったです。
あと入店時に女性定員さんがツカツカツカーとやってきて、挨拶もなく「ご予約されてますか?」と言われてその瞬間から「ああ、もう違う空間なんだな」とは思いました。
必要最低限のものしか存在しない空間で機械的な接客をしていたわけですが、私の接客をしてくれた男性店員さんがこれまでにない新人類で驚きました。まず、料金プランを店員側が勝手に決めるんです。普通、お客さんとコミュニケーションをしながらそのニーズを汲み取るのが接客業だと私は思うのですが、男性店員はそれをしなかった。しかもその契約内容の説明は口頭のみで、以前のショップ店員さんのように契約内容が記載された資料の提示もないんです。明らかにボッタクリオさんなので「見積もりを出せますか?」と私が言って、その見積もりを見ながら「このプランをそれより安いこちらのプランに変えて下さい」と伝えたんです。そしたらそのボッタクリオさん何て言ったと思います?
「1000円しか変わりませんよ。ヘヘッ」だって!
流石に対人恐怖症の私も恐怖心より、思い出の場所を汚された怒りのほうが強くなって、この時点で購入意欲はゼロになってました。
詐欺師の特徴は選択肢を奪って、自分にとって都合の良い方向に誘導すること。店員さんが勝手にやるなんて考えられませんから、ショップでマニュアル化されている事が伺えます。右隣に座っていたおばあちゃんも女性店員さんからペラペラペラペラとマシンガントークされてフリーズしていたから間違いありません。←誰も助けてくれない
私は「とりあえず機種を見せて下さい」と言って席を離れて見させてもらったんですけど、やっぱりというか、価格帯が松竹梅のうち最先端の10万近い松か、梅ぐらいしか置いてなくて、このテーブルの上にない商品はバックヤードから持ってくるか、取り寄せになる感じでした。私は機種に詳しくないので、今自分が使っている機種と比べてどう違うのか?を訊いたらボッタクリオさんは「何年使ってるんですか? へぇ。いつ壊れてもおかしくないですね」だってよ。笑
例えば服屋に行って、店員が「お客様その服何年着てるんですか? へぇ。ボロボロですねぇ」って言ったらおかしいじゃないですか。この人何なんだろう…って思いながら、一応値段の確認をしてる時に、私は昔にガラケーを買った時のように「ポイントを機種購入費用に使って下さい」と伝えたら、「ポイントは使えません。頭金頂きますがよろしいですか?」と言われて「持ち帰って検討します」と伝えて帰りました。
もうトラウマですよ。アットホームな田舎のケータイショップが、お尻の毛まで毟り取るようなハゲタカの群れに変わり果ててるだなんて…。あーあ。
高校の頃はみんな各々に違うデザインの携帯を持っていて、その人の感性が少し見えたり、授業中に見つかって取り上げられたりして、人生に彩りを与えるアイテムでした。それがもう恐怖の対象。怖い。行きたくない。
そして2020年を迎えます。消費税は10%のまま。そしてコロナ禍に。私の中で大きかったのが妹が亡くなった事。ずっと一緒にいる存在だと思っていたから、写真なんてほとんど撮ってませんでした。「もし、去年に機種変更をしていたら、確実に写真や動画を撮っていただろうなぁ…」と考えたら悲しすぎて、この一年ずっと苦しかったんです。世間は世間で感染症災害の中で東京オリンピックパラリンピックでお祭り騒ぎして意味が分からないし。
それで今年、2021年に一周忌を迎えて、手元に残ってる妹の写真をようやく直視できるようになって、もう一回勇気を出そうと。
と言ってもショップじゃないです。オンラインショップで機種変更を自分で行う事にしました。専用のサイトが用意されていて、流れとしては機種を選んでプランのシミュレーションをして、料金の支払い方などを記載して注文確定という流れ。ネットで検索したら、月末に購入したほうがいいと書いてあったので、その通りに月末に申し込もうとしたらーー
『月末はポイントが使えません』
という衝撃の事実が立ちはだかって「書いておいてよ」と泣きつつ、ようやく9月27日申し込んで、この記事を書いている現在9月30日に回線切り替えできました。
あーーーー。疲れた。というのが感想です。

ついでなので、何が大変だったのかも書いておきます。
商品の発送自体はスムーズで、うちは田舎ですけど、発送メールの翌日には届きました。コロナ禍なので接触を避ける為に配達員さんからサインを求められる事もなく。(クロネコヤマトさんお疲れ様です)
私が購入したのはiPhoneSE(第2世代)なのですが、昔みたいにもうイヤフォンが付属されてないんです。Apple側はプラスチックの量を減らす事が目的だと言ってますが、私からすると不便にして新たなアクセサリを購入させてるとしか思えません。Bluetoothのイヤフォンは高いうえ紛失しやすい。(都心の駅の線路の中には沢山落ちてるそうですね)
仕方ないので、有線のイヤフォンが使えるライトニングケーブル仕様のアダプタをAmazonで購入して、あとは100均で保護フィルムとケースを買いました。ケースについてはiPhoneSE(第2世代)用のものがなくて、iPhone7&8用のケースを買ったらピッタリでした。
ほんと規格って大切で、任天堂のようにNintendo Switchでもゲームキューブのコントローラーが使えるようなユーザー目線の設計をして欲しいなと思います。そんな折、EUではスマホの規格がtype-Cに統合されるというニュースが先日ありました。EUでは消費者の「修理する権利」も認められ、物を大切にする流れができつつあります。ボッタクリオの世界とは大違いですね。(にっこり)
準備を整えていざ、回線を切り替えようと思ったら私のスマホは月末で通信制限を食らってまして、全くその切り替えのページを読み込めない。購入後のアンケートにも書きましたが、電話会社のサイトのページって重すぎると思います。
アクセスできないので電話の音声ガイダンスに従う方法で切り替える事にしました。
ここでややこしいのが「ご注文番号」と「梱包番号」と「申込み書番号」っていう3人兄弟が現れて、僕を当ててごらんみたいなシルエットクイズが始まって、「申込み書番号」を打ち込まないといけないところで、勘違いした私は「ご注文番号」を打ち込んだら「カクニンデキマセンデジタ…オマエノホカニモコマッテルヒトガイル…ワタシハオマエヲオイテココヲハナレルガ…ソノママオマチクダサイ」っていうガイダンスが流れたどうかは知りませんが、人間失格の烙印を押された心持ちで一旦切って、改めて3人兄弟の名前を確認して、ようやく回線切り替えの1段階目をクリアできました。
地味に頭を掻きむしったのは、高校の頃に契約した時の暗証番号です。普段は全く使わないから「何だったっけ…」みたいな。パスワードって分かりやすいものにしていると、セキュリティ管理として危険ではありますが、思い出せないパスワードって鍵のかかった箱の中の鍵状態ですよね。なんとか思い出して、旧機種と新機種の電源を切ったまま30分待って、旧機種はもう繋がってないのを確認してヨシヨシと。そしてようやく主役であるiPhoneSEの電源をオンにすると新たな強敵が立ち塞がりました。それがApple ID 確認コード』
本当に意味が分からなくて、頭の中プスプス…プスプス…パーンッ!みたいにショートしましたもん。冗談抜きで。
私はてっきり、これまで使っていたAppleのIDとパスワードさえあれば守衛さんが手を振って送り出してくれると思ったんです。ルンルン気分で「いいお天気ですね」って言ったら「信頼できるデバイスに送信しました」って言うんです。でも、iPhoneSEはただいま初期設定の真っ最中でメッセージを受け取れる状態じゃないわけですよ。旧機種は当然繋がってないですし「はぁ…?」じゃないですか? 当然、待ったところで届くわけない。ここで詰みですよ。
守衛さんは「信頼済みの電話番号に確認コードをテキストメッセージで送るか、電話で受け取る事ができます」というセリフを繰り返しますが、私には『信頼済みの電話番号』の意味が全く分かりまへん。(関西弁にでもしないと泣きますよ)英語を日本語に翻訳した文章みたいで気持ち悪いし。
お手上げ状態になったので、家族のスマホを借りて検索して、Apple IDを後で設定すればいいやり方を見つけてようやく、ホーム画面にたどり着きました。
その後、電話回線の切り替えの最後の音声ガイダンスに電話してとりあえずこれは終了。その後にiPhoneのサインインの作業をして、なんとかアカウントの引き継ぎが完了しました。

本当に疲れました。これ、お年寄りが自分1人でやるのって無理じゃないかと思います。私が歳をとって老眼になったり、忘れやすくなったりしたら、無理ですもん。そしたら、ハゲタカだらけのショップに行ってわけわからん殺しされるわけですよ。ユーザーに優しくないですね。Eテレでたまにスマホの使い方教室やってますけど、私が書いたのってその教室にたどり着く前段の部分ですから。私と同じような恐怖心を抱いた方々の元にも2022年3月がやってくるわけです。これは社会問題だと思います。
この後、私は4強のうちの3人目の新型コロナワクチンの2回目も打たないといけないので辛いです。ほんと嫌な世の中ですけど、ワクチン装備してラスボスの市役所で総選挙の投票してハッピーエンドを狙うしかないのです。

(おわり)