https://twitter.com/asadora_nhk/status/1971500245646492130?s=46&t=5dKyix_kvkhvnRknMkFJ7g
#朝ドラあんぱん が最終週を迎えたので雑記を書いておきたい。
今作が始まってからNHKでたびたび特集が組まれていて知ったんだけど、NHKでもアニメ化の話があって選ばれたのは人形劇の三銃士だった。(たぶんダルタニアン)
そこから時を経て朝ドラに。
2024年に放送されたヤマザキマリさんのラジオに脚本を担当された中園ミホさんが出演された時、今の時代にはアンパンマンが必要だと感じて企画を持っていったら偶然にも他のスタッフの方も同じ事を考えていて企画が通ったと話されていた。(うろ覚え)
8 1/2 中園ミホ・松岡正剛が登場! - ヤマザキマリラジオ - NHK
ドラマの感想としては、国威発揚のスローガンを体現したような振る舞いや、上級生から意味もなく怒鳴られ殴られるなど、見ている最中はストレスでしかない、戦時中の価値観が色濃い描写は、帰還兵だからこそ語れるものでもあるし、「逆転しない正義」に繋がる重要な場面だった。
それ故に戦時中のパートから日常に戻る戦後パートの移り変わりで物足りなさを感じた。
そのタイミングでメンターポジションの阿部サダヲさんが再登場した時は痒いところに手が届いた感じだったし、あまり加齢の表現がなかったから人間離れしているというか妖精チックにも見えた。
「逆転しない正義」に関しては、初期のアンパンマンを読んだ母がボロクソに酷評していたのに、連載に際して無理解な担当者を前にいかにアンパンが優れているのかを熱弁するあたり、「人間は変わることができる」ことを表現しているように映る。
最終週となった今週の放送では、アニメ担当者との会話が印象的で、生前のやなせ先生が「子供たちが見るからこそお子様ランチにはしたくない」と語っていたのと重なるシーンだった。
私はもともと朝ドラを見たことがなくて、あんぱんを見る為の予行練習みたいな感じで『虎に翼』を見た人間。
前作『虎に翼』は価値観の移り変わりと、憲法が保障する国民の権利拡大の実務を担った先人達の物語であり、それが現代へと受け疲れる終わり方をした。
『あんぱん』はやなせたかしという吟遊詩人が兵士への変質を迫られ、戦場という地獄の中から帰還し、価値観が移り変わる社会の中で、人間として一番大切な根幹部分を子供達に託す夫婦の物語として幕を閉じた。
両方の作品を見る事ができてよかったと思う。
救いのないどうしょうもない社会に感じる事の方が多いけど、異なる二つのバトンが現代に受け継がれている事を考えると、少しマシに感じられる。
それこそが文化芸術の役割なのだと思うに充分な作品だった。