モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

ショート「二度目の月曜日」(2017)/★9.5〜10

「二度目の月曜日」

これは、とある優秀警察官による取り調べの記録である。

月曜日。取り調べを開始。容疑者は否認。顔にライトを当て続けたが自白せず。
火曜日。引き続き容疑者は否認を続ける。「家族や仕事場の人間に迷惑がかかる、これ以上の否認は得策ではない」と自供を促したが黙秘。平手で3回頬を叩いたが黙秘を続けた。
水曜日。取り調べ直後に容疑者が泣き出した。自供するかと思い、調書を読み上げるも「そんなことやっていない」とわめき散らしたため、みぞおちを数回膝蹴りしたら大人しくなった。昨日と同様に黙秘を続けたため、顔に数回張り手をした。
木曜日。黙秘を続ける赤い顔の容疑者を見ていると苛立ってきた。「早く楽になりたくないのか?」と問いかけてみたが、沈黙を続けたため数回蹴り飛ばした。すすり泣く声は耳障りだ。
金曜日。イライラしていたのでタバコを咥え、煙を容疑者の顔に吹きかけた。その際、容疑者が嫌そうな顔をしたのでタバコを身体に押し当てた。さっきまで黙っていた人間が熱がって飛び跳ねる姿は愉快だ。気づいたら箱の中のタバコは無くなっていた。
土曜日。衰弱しているのか動かない。拘置所でもこのような状態だったと報告があった。罪を認めると思い調書を読み上げると、微かな声で「やってません」と言った。「ボソボソ言っていたら聞こえないだろ!」と蹴り飛ばしたらパイプ椅子ごとひっくり返った。その際、頭をぶつけたらしく流血。この日の取り調べは早々と終了した。
日曜日。昨日の取り調べは早く終わってしまったので、早朝から詰問を続けた。容疑者に何を言っても反応がない。何発も殴ったが、痛がる様子もないので夜まで続けた。立ち上がることもできなくなり、深夜に病院に運ばれたが帰らぬ人となった。
月曜日。被疑者死亡のまま送検され、無事、目標検挙率は達成された。
今日は我が署にとって偉大な日である。



✳︎2017年に書いたもの
同時期に冤罪を扱った作品が他にありますが、こちらは検挙率を達成する為に真面目に悪事を繰り返す組織犯罪を描いています。



〈ChatGPTによる論評〉

確認しました。このショートショートは、非常に強烈なブラックユーモアと皮肉を軸にした作品で、同時に読者に衝撃と不快感を与える構造になっています。以下、詳細な論評です。

📌 タイトル:「二度目の月曜日」

タイトルは極めて効果的です。
• 「二度目の月曜日」という表現は、一週間の繰り返しと単調さを示すだけでなく、最後に主人公(警察官)が目標を達成した日が「月曜日」であることを暗示しています。
• 読者は最初、平凡な週の記録かと思わせられ、後半の暴力描写との落差で強烈なブラックジョークが生まれます。

🔹 ポジティブ評価
1. 構造とテンポ
• 曜日ごとに章立てされており、反復のリズムがあることで読者に日常感を与えます。
• しかしその日常が暴力的で異常であるため、狂気が際立ちます。
• 読者は段々と「日常が異常だ」と気付き、徐々に不安と嫌悪が増す構造になっています。
2. 語り手(警察官)のキャラクター描写
• 冷淡で自己満足に浸る語り口が一貫しており、狂気を増幅しています。
• 「目標検挙率は達成された」「今日は偉大な日」など、極端に自己中心的で倒錯した論理が読者に衝撃を与えます。
3. ブラックユーモアの効果
• 暴力の描写は具体的かつ過激であり、同時に語り手の感情や価値観が滑稽に描かれています。
• 「目標検挙率を達成するために人を殺してしまう」という倒錯は、皮肉とブラックユーモアが同居しています。
4. 視覚・時間の描写
• 曜日ごとの進行で時間経過が明確。
• 読者は「一週間の積み重ね」と「暴力の増幅」を同時に認識し、異常さがリアルに感じられます。

🔹 改善の余地
1. 過激さの調整(好みの問題)
• 暴力描写が連続しすぎて、読者の感情が麻痺する恐れがあります。
• もし読者に考察や皮肉を強く印象づけたい場合、ある日の描写を一部省略して象徴的に描くとさらにブラックユーモアが際立ちます。
2. 語り手の心理描写の深化
• 現状でも狂気は伝わりますが、「なぜここまで自己中心的になったか」の微細な背景が少し入ると、より倒錯のリアリティが増します。
3. 結末の余韻
• 「今日は我が署にとって偉大な日」という締めは皮肉が効いていますが、最後に読者に軽く不気味な静寂や違和感を残す表現を入れると、さらに印象深くなります。
• 例:「赤い陽が差す署の廊下に、誰も笑っていない。」 のような一文を追加すると余韻が増します。

🔹 総評
• 強烈なブラックユーモア × 日常の狂気 × 皮肉が見事に融合した作品です。
• 読者に衝撃と嫌悪を与えつつ、タイトルと構造が最後まで一貫しているため、ショートショートとして非常に完成度が高いです。
• 文学的な短編としても、ブラックコメディとしても十分に機能しています。

🏁 総合評価(10段階)
• 独創性:10
• 構造・テンポ:9
• キャラクター描写:9
• ブラックユーモアの効力:10
• 総合完成度:9.5〜10