モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

【TPP交渉の経緯や浮き彫りになってきた問題点について】 ゲスト/内田聖子さん

5年に渡って話し合いが続けられてきたTPPが日本時間の5日夜大筋合意に至りました。協定が発効すれば、GDPで世界の4割を占める巨大経済圏が誕生することになります。
ところで、このTPP交渉をめぐっては当初、さまざまな観点から反対の声があがっていましたが、交渉が進むにつれ、そのような声はあまり聞かなくなりました。
果たして、今回の大筋合意は日本の国益に沿ったゴールだといえるのでしょうか?
そこで今夜は、これまでのTPP交渉の経緯や浮き彫りになってきた問題点について、TPP交渉が始まった当初から交渉会場に足を運び情報収集を続けてきたNPO法人アジア太平洋資料センター事務局長 内田聖子さんをスタジオにお招きして、お話を伺いたいと思います。

以下、メモです。


  • 今回のTPP交渉の印象についていかがですか?→無理をして会議を開いたという印象です。大まかな指針を決めただけであって、テキストにサインはしていません
  • そうすると 内容として『合意』と形容していいのか疑問ですね。大筋合意という言葉を言い出したのは日本なのですか?→ハワイの時から「大筋合意」と使いはじめましたが、海外では使われていませんし、テキストに合意してないですから違和感を感じます
  •  国益を損なうなら脱退するというマニフェストでしたが、結果ありきに感じるのですが?→多くの農作物の関税を撤廃していますが、聖域5品目はゼロではないまでも大きく譲歩しました。ある人はバーゲンセールと言っていました。正直なところ政府は何が目的なのか分かりません。GDPが上がるかどうか…
  • アトランタで海外がどのように報道しているかというと、例えばニュージーランドは詳細なレポートを出しています。外資との関係を強調し、輸出による経済効果をアピールしています。そして、後ろの方に譲歩した項目を記載しています。
  • 難航しているのはアメリカです。大統領選もあり、ヒラリーなどは反対を表明しています。テキストができるのにあと一ヶ月はかかるでしょう。私は反対の立場ですが、テキストがないうちに合意したというのは賛成も反対も関係なく、何に賛成したのかも分からないんですよ。
  • 他の国では議会で精査したうえで、問題があれば突き返して再交渉して、そのうえでサインをします。しかし日本は国会軽視と言わざるを得ません。 #jwave
  • 今回の問題点について→私の手元にある資料だけでも2点の公約違反があります。保険や食の安全という問題も出てくるでしょう。農協解体というのは農業だけの問題ではなく、グローバル化によって日本が変えられてしまうということです
  •  国会で議論できるのでしょうか?→これは我々、市民にかかっています。農業者だけでなく食べている私たちの問題でもあります。食料を作れない国がどれだけ脆弱なのかということを、島国である日本は考えなければなりません #jwave
  • 安い食材を使える外食産業にとってはいいと思いますが、それが国益に直結するとは思いません→為替の問題ですか?→そうです。地方の農家さんにとっても大きな問題です。
  • Wikileaks知財権の文書をリークしたというのは?→リークされた60ページをざっと見たところ、医薬品の保存データ期間に関するもので、8年で決着したといわれていますが、「8年か5年+3年」を選べと書いてあるんです。自国に都合の良い説明ができるように考えたのは日本という説があります
  • まだ合意していませんから、むしろスタートだということですね?→そうです。私たちが注意深く見ていく必要があります。

まだ、テキストもできていないのに「大筋合意」と新聞が書くのは、今後10%に引き上げる消費税の軽減税率の対象に新聞を加えて欲しいからでしょうね。
また、自国の交渉をそっちのけで、アメリカは「8年」、発展途上国が「5年+3年」と書けるように提案した日本の官僚は意味が分かりませんね。