モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

盆栽のスゴさを知った話。

11月18日、日付を過ぎて19日。『水曜どうでしょう』を見る為にチバテレビを点けていたら、長野の放送局が制作した松山園という100年以上続く盆栽園の特集番組が始まった。これがとても興味深い番組で。
「姉が継ぐはずだったけど、仕方なく継いだ」と話すのは松山園の4代目園主 の山本千城子さん。エネルギッシュな話し方はどこか、作家のヤマザキマリさんに似てる印象を受けた。
私は盆栽については全く分からないのだけど、以前から気になっていたのが「よくあんな浅くて小さい鉢に植えられて生きていられるなぁ」という事。根詰まりして枯れないのが不思議でならなかった。番組を見て盆栽のデザインは根っこから始まっているのだと知った。土がフワフワだとすぐに根が回ってしまうので指で土を押すという話も目から鱗が落ちた。
「なんで植物が何十万円もするの?」という点に関しては「枝ぶりだったり、模様の好みと流行で決まる」みたいな感じだったんだけど、私は命の値段に思った。

山本さんは針金を使わずに成長を予想しながら配置して、自重と重力で枝を曲げる。(昔はそういうやり方があったのに伝承されなくなって今では貴重らしく、BBCにもインタビューされたとか)

どんぐりのタネを発芽させて盆栽にするまでに何年もかかるわけで、それを踏まえると自分で育てて一生のうちに完成したものを手に取れる事も数少ないのではと思う。にも関わらず盆栽園は青々としていて生命に溢れていた。幾つもの盆栽の世話をし続けるというのは、異なるストーリーを持った盆栽達に愛を注ぐアンティークではないか。
生き続ける植物と世話をし続ける人間の時間がその価値になってしかるべき。
「盆栽すごい! 盆栽やべー!」

この感動が強すぎて、私は大泉洋が何を喋っていたのか全く覚えていなかった。