モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

最近見たものの感想

NNNドキュメント『命の砦〜石巻・大川小の10年〜』

10年前の津波で生徒と教師が亡くなった大川小学校。これまでにもその裁判に関するドキュメンタリーは見てきたけど、このドキュメンタリーは総括する内容となっている。
津波で戻らない娘を両親は探し回り、ようやく見つかった遺体は腐敗が進み顔での判別はできない。それでも足に娘と同じミサンガがありようやく帰宅。冒頭のこのシーンだけでえぐられる。10年を1時間番組にするというのは編集の力が試されたと思う。避難が適切だったのか争うシーンで学校側が口元に指を当てて「しーっ」というシーンもあり、組織のあり方についての問いかけはあらゆる分野に当てはまると思う。
裁判が結審した後、震災遺構となった小学校で語り部になった遺族が研修に来た先生達に語りかけるシーンは良かった。それと、人混みが嫌いな遺族の方が花を植え続けるシーンも良かった。

『マイ・コイ 反逆の歌姫』

ドキュランドでやっていた、アメリカ制作のドキュメンタリー。
ベトナムの美しさを歌った楽曲が瞬く間に大ヒット。共産党もこの歌を気に入り、国のイメージアップに使われたところで不穏な空気。彼女はライブ1回で1000ドル(約10万としてベトナムの1ヶ月の平均所得は2万5千円たぶん) 手に入らない物はない暮らしを送っていたが、世間には自分ではない巨大なイメージ像がつくられ自由を求め始めるというお話。
ベトナムに独立したメディアは存在せず必ず政府と関係している。その中で社会を風刺する楽曲を発表するも閲覧不能になり、男女格差を是正する政策を掲げて選挙に立候補するも党が受理しない。配信サービスの中で表現し続けるも、音楽家達は自主規制してしまいメンバーは少ない。
オバマに会っても国は変わらず、それどころか秘密警察に追われるようになり、トランプが来訪した際に車列から見える位置にくそったれと大きなメッセージを出した。いよいよ身の危険を案じて政治的なメッセージが色濃いアルバムがリリースされる前に出国を決意。無事に出国できるのか、身柄を拘束されるかどうかという空港のシーンで「音楽に国境はありませんね」という係員の言葉は印象的だった。

ましろのおと

津軽三味線を題材にした漫画を原作にアニメ化したもの。私はいわゆる学園モノが好きじゃないけど、これは学園の外の人間関係が多いのでけっこう面白い。母親は女優。爺ちゃんが名人。方言丸出しで口数の少ないのにモテまくる主人公補正は若干…いやでも、それが漫画だから仕方ない。
ギターなんかもそうだけど、指運びの作画って地味なのにめちゃくちゃテクニックが必要だと思う。だから大抵は引きのショットとか、ボーカルが歌っててギターが背中合わせてジャカジャカやってる感じにする。でも、このアニメは三味線の静と動にチャレンジしてる。えらい。たまにゾーンに入ると雪とか降るけど許せる。えらい。

すばらしきこのせかい

スクエニのゲームのアニメ化
私はこのゲームクリアしてるはずなんだけど、どんなストーリーだったか結構忘れてた。1話の感想としてはナルシストのセカイ系でキツい。記憶喪失なのに能力使えるし、女の子も「私と契約してパートナーになって」とグイグイ来るし、人間のやり取りとは思えないスピードで人間関係を構築しているのがヤバイ。ゲームが原作の副作用か。(笑)
主人公と同様に記憶喪失になってる私は「こんな敵キャラいたなぁ」とか、「バッヂ集めてたなぁ」とか「マイクに息吹きかけるのめんどくさかったな」とか、ゲームの記憶を思い出しながら見ていた。

ダイの大冒険

何週間か前に『ハライチのターン』で岩井さんが安西先生、土井先生、カカシ先生、アバン先生」って言って、澤部さんが「忍者率高いなっ!」って突っ込んでいたのが面白くて、今も思い出し笑いしてしまう。ダイも記憶喪失になってて笑う。
実力不足なのに他人を見下してナルシストというポップのパーソナリティが分からない。新しい技術が取り入れられて、モンスターの動きは良くなってるけど、原作は昭和の漫画なのでセクハラのシーンがギャグとして扱われてるままだし、男目線で描かれてる部分が多い。そこを改善できなかったのかなと思う。戦争は女の顔をしてないと言ったらそれまでか。

『ナスDの大冒険TV』

こちらの大冒険は何週間やるんだ!ってぐらいにひたすらサメ島のエピソードを擦りまくってる。特番で見たからいいやと思ってたけど、こんなにやってたのかと驚く。崖の上に建てた小屋の中にスタッフ合わせて3人ぐらい居て、ひたすらサメ料理を作りながら喋り続けるナス。人間のせいで絶滅危惧種になってるからと、サメの皮も食べたり、鼻のロレンチーニ器官に溜まってるゼリーみたいなものもスプーンで掬って食べたり、命を丸ごと食べる事に徹底してる。ずっとナスは喋ってる。スタッフは寝てたりする。ようやく終わりが見えてきたけどまだ続く。コロナ禍でロケできないから番組サイドも大変だと思う。

情熱大陸:山本ゆり(料理コラムニスト)』

いかに実用的で美味しいレシピを考えるか。ひたすらトライアンドエラーを繰り返す山本ゆりさんの奮闘記。お子さんがいるので、仕事中でもカットインしてくる。そのシーンでかこさとしさんの『だるまちゃん』を読んでいて、死してもなお子どもをあやす絵本作家と、美味しいご飯を作りたい山本さんのコラボに感動した。なんて事ないシーンなんだけど、私にはそこが刺さった。山本さんのお母さんが翻訳家をやっていて、本が身近にある環境だったみたい。心が豊かなのだろうなと思った。

『私の夫は冷凍庫に眠っている 』

性的な関係に嫌悪感がある女性が夫を殺してコンビニにあるような冷蔵庫に死体を入れた。そのはずが夫は生きている。冷蔵庫を確認すると夫の死体がある。果たしてどういう事なんだろうか?という、本仮屋ユイカによる撲殺ミステリードラマ。
私の予想では『ブラックスワン』みたいな強迫性障害の幻覚パターン。どうなるかは分からない。

NEWS23

いつの放送だったか忘れたけど、韓国の政府与党が選挙に負けた事についてのニュース解説で、現地の解説者との会話に3秒ぐらいのラグがあって、解説者が黙ってるから司会の小川さんが勘違いして、隣の山本恵里伽さんが解説しますって振って「解説するのは私ではありませんが〜」ってなってたのが地味に面白かった。文字にしても伝わらないけど、会話の中に不協和音があるような空気の笑いだった。

 

そんな感じ。