地球征服(シピボ部族編)
面白い番組があると耳にして、つい最近見るようになったこの番組。
森崎友紀氏の夫であるディレクター(通称ナスD)のキャラが強すぎて出演者を食べてしまうという弱肉強食の番組。企画を存続させるかどうかはTwitterアンケートで決まるというのも新しい試み。
今週はアマゾンの奥地に住んでいるシピボという部族の取材に向かった。この部族に関してはほとんど外との交流がなく情報がなかった。聞き込みをすると、船を襲撃して金品を奪うというソマリアの海賊と同じような略奪をしているというではないか。
普通ならそこで怖気付くはずがナスDはワクワクしていた。襲撃を避けるために船を迂回させたらエンジンが停止するハプニングが起こり、何時間も船の上にいるはめになった。それでもナスDは銀河鉄道999の主題歌(しかも美声)で歌い、釣りをして遊んでた。
闇の中を漂う明かりを見つけた人が小さな船をサイドカーのようにつけ、止まった大型の船を動かし、どうにか村にたどり着いた。
初めて村を訪れた取材クルーの処遇については「夜が明けてからにしよう」と部族長が言って、この絵になる。
こんなジャングルの奥地にネコも犬もいるのは驚き。
村の人口構成は400人のうち200人が子どもで、見回っていると基本的な食生活はタロイモの粉やバナナが主食で、あとは車座になって魚や肉をみんなで食べるというスタイルだった。
まぁ、ここまではよくある話。
しかしーー。
「かわいい猿ですね」
「ああ、二週間前にジャングルで見つけたんだ。もう母猿は食べちゃったけどね!」
こんなの笑うしかないじゃないか!
子猿も子猿で、なんていい顔してるんだ!笑
シピボ部族の呪術医はみんなから尊敬されていて、村のさらに奥地の湖の近くに住んでいると言っていた。
いいものを見せてやろうと、おもむろに袋から取り出したのはジャガーの頭部とお手手。(さらにこのワイプよ)
ジャガーを捕獲する際に多くの村人が死亡していると語り、アナコンダも捕まえたと同じく頭部を取材クルーに見せてくれた呪術医。(もはや戦士)
個人的に一番感心したのは村の集会所にみんなが集まって、取材を了承するかどうかを決めるのに3時間もかけたこと。
近代国家では代議制民主主義で議会を回し、大統領制を採用する国では国民が大統領を直接選んでいる。
この村では直接民主制が採用されていて、権威に関係なく全ての人の疑問がなくなるまで話し合っているようだった。
それを見て、部族長も優れた人だなぁと思った。
本題に話を戻すと、「昨日来たばかりのよそ者に伝統的な呪術医を見せてしまっていいのか?」という意見と「外の世界に我々の存在を知ってもらおう」という意見が対立していた。そこで部族長がナスDに何か言いたいことがあれば言ってくれとその場を託し、ナスDはギターを取り出して坂本九の「上を向いて歩こう」を日本語とスペイン語とシピボ語で歌った。
すると「幸せは空の上に〜」のラインをシピボ語で歌ったところ拍手!拍手!拍手!
これにはVTRを見ていたスタジオの出演者も驚いていた。(私もノシ)
(色が黒くなってしまった)見たこともない日本人が自分たちの言語で歌ったことに感動して、誰からともなく自然と拍手してしまったんじゃないかと思う。
こういう未開の地で物質的なやりとりではなくて、言語や音楽で意思疎通ができたというのはとても貴重だと感じた。
その結果、部族の衣装をプレゼントされ、サイズの合わない帽子はおばちゃんがくれたりして完全に現地人となった。
「いつまでそれ着てるんだ? 熱いだろ?」って言われる始末。笑
一方、ナスDに喰われないように頑張るU字工事はわりと市街地に近いマーケットを取材。
精力剤やらカピバラやらリクガメやらアルマジロのオンパレード。
カメは七色の味?がするとか、食べる部位によって味が違うらしい。
また、アルマジロに至っては現地の人でも「よく焼かないとアレルギーが出るんだ!」と言っていた。
アレルギーって焼いても出るから、別の何かだと思うの。笑
カメがノコギリとカナヅチで潰されるのを二人が苦々しい顔で見てたりするのが、私たちの正常な反応なんだけど、その世界ではミスマッチなのが面白いんですよね。
「イッテQ」は私たちの感覚でアマゾンやらアフリカの部族をキャラ付けして笑いに変えているけど、ナスDはいかに現地に溶け込むかっていうスタンスだから作り出された笑いではなくて、自然発生的な笑いがあると思います。それこそ部族が拍手したみたいに視聴者が笑う。
だからこそ、そういった違う感覚の人々がきちんと合意形成をしたうえで集団生活を行なっていることがすごいなぁと思いました。(記憶にございませんとか恥ずかしいよね)
心を見定める目を持つ人は強いなぁ。