モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

『名探偵ピカチュウ』を見た感想

メタモン>大谷育江>ミュウツー>林原めぐみ&三木眞一郎>西島秀俊>オバマの若い頃

 

金曜ロードショーで『名探偵ピカチュウ』をやっていた。
ストーリーは愛玩動物の意識を悪人が乗っ取る話で、主人公は行方不明となった探偵の父をピカチュウと追いつつ、計画を阻止するために奮闘するという流れ。
親を人間に殺されたカラカラに始まり、人間が創り出したミュウツーで終わるのはメッセージ性として良いと思うけど、結局悪人だろうと善人だろうと、人間がポケモンを管理してる事に違いはない。その違和感を無くすためにピカチュウを喋らせてるだけに見えた。そもそもモンスターボールで捕まえてる時点で自由意志を奪ってるし、そのあと奴隷にして殺し合いさせてるわけだし。ゲームの土台がめちゃくちゃだから、お涙頂戴の肉付けするほど、何の涙なのか分からなくなるのがポケモンというコンテンツだと思う。
現実世界ではヒグマとマタギの関係がある。神と崇めているヒグマを獲るという矛盾があるけど、マタギはこの矛盾を感謝と宗教で埋めつつ、管理ではなく共生という道を歩んでる。ポケモンの場合は人間がポケモンを殺して食べるわけでもないし、見えない線があって棲み分けてもいない。つまり、ポケモンマタギのように生かされてる描写がほとんど見えない。愛玩動物以上の存在意義がどうにも見当たらないので、共生してるかどうかも怪しくなってくる。血生臭さを感じさせまいとすると、血の通った作品はできない。その避けて通れない道をデジタル技術でスキップした感じが否めない。
総合的に言うと私はそんなに面白いと思わなかった。