モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

星を見た

夜になると風は涼しいが、どうにも家の中は蒸し暑い。
時計の針が昨日から今日になって少し経った頃、窓の外をぼーっと見ていた。

空に一粒の星が輝いているのが見えた。
星を見たのは何年ぶりだろうか。
目の悪い私でもそこにあると確認できる強い光度で輝いていた。
空にはその星以外に光を放つものはない。

「本当に星なのだろうか?」

どうにか焦点を合わせようとしたが、ぼやけてどうにもならなかった。
本当に目が悪くなったものだ。
視力を手放していく感覚だけは暗闇の中でも鮮明だった。