モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

「ラストワルツ」の感想

村上龍さんの本を読んだことがない。
前から読もうかなと思ってはいたが、どの作品から読むのがいいのか分からない。
今でいうスターウォーズって、どれから見ればいいの?』とほぼ同じだ。
また、私の中では「小説家」ではなく「カンブリア宮殿に出てくるフレンチブルドッグみたいな人」というイメージが強く、顔が浮かんでしまうので物語が頭に入ってこない可能性もあって、手が出なかった。

そこで、エッセイを先に読むことにした。

最初に読んでも「ラストワルツ」

前半部分では、頭もよくてスポーツもできてオシャレな村上龍が書かれています。
後半部分では、歳をとって動きたくなくなった村上龍が書かれています。
「どうやって食っていくか」を考えていた村上龍は夢がなくとも生きて行けることを証明し、「失われたもの」を考えてる村上龍が、既得権益を貪る人間たちによって作り出された埋めようのない格差と悲観的な社会のうえで、年収200万円で生きる若者を見て、「あんな時代はもう来ない」と確信する内容。

私は比較的、政治のニュース(2ちゃんねるではなくて)をよく見るほうなので、今の社会のあり様に対する認識というか、疑問点については共感できました。
少し話が逸れますが、今の社会で差し迫った問題というと人口減少だと思うんです。
もちろん、議事録の残っていない集団的自衛権に法的拘束力があるのか?とか、軽減税率の対象として欲しいから、国会承認を経て初めて合意とみなされるTPPを和訳も存在しないのに「大筋合意」と書く新聞社とか、様々な問題があると思います。
TPPの場合は国家間の条約なので、間違えましたテヘペロじゃ済まされません。
でも、人口減少のほうがヤバイ気がするんです。
一気に人が消えるわけですから、土台が崩れるようなものだと思うんです。
無能な政治家たちが、その場しのぎの対策として移民を受け入れようなどと言い始めています。
「継続」する仕事だけでは限界です。
そういう意味で村上龍さんの目から見た「人口減少」について興味があります。
次のエッセイが出る頃の社会が良くなっていることを望みます。

ラストワルツ

ラストワルツ