ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル|TBSラジオAM954+FM90.5~聞けば、見えてくる~
終戦の日直前の特集のテーマは、日本軍が国民に対して戦況を報告した「大本営発表」。
今や「デタラメで都合のいい発表」の代名詞となっている「大本営発表」について、実際の大本営発表の音源を聞きながら学んでいく1時間。
解説してくれるのは、新刊『大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争』が、発売中の文筆家、軍歌研究家の辻田真佐憲さんです
以下、ツイートメモです。
真珠湾とマレー沖で2隻ずつ沈めただけで後はウソ。太平洋戦争開戦直後は嘘をつく必要はなかったが、互いに対抗意識を持っている海軍と陸軍は誇大表現を用いるようになっていく。報道の技術が弱かった陸軍は寄席に落語を聞きに行って勉強したという
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年8月13日
中期になるとミッドウェイ海戦でボロ負けし、参加した空母四隻全てを沈められる。初めて負けたことで嘘をつき一隻が大破という過小評価を行った。作戦部と報道部は利害当事者であり、責任逃れのために秘匿情報のシステムを悪用した
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年8月13日
ガダルカナル島の南太平洋海戦では空母一隻を沈めた一方で、多くの有能なパイロットを失った。数字がおかしくなる経緯には損害の過小評価と現場の意見を否定できなかったという二点があった。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年8月13日
ルンガ沖夜戦では一隻も空母を沈めていないのに嘘の戦果を誇らしく発表していった。年に一回発表される総合戦果では沈めた数と沈められた数の帳尻が合うことはなかった。負けるとは思っていない軍隊は誰も数字を管理していなかったと考えられる。一方で1943年になると言葉の言い換えを発明した。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年8月13日
撤退を転進、全滅を玉砕などと言い続ける大本営に対して国民の中で薄々感付いている人もいて、憲兵の諜報活動の中に記録がある。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年8月13日
末期の1944年になるとアメリカとの戦力差は埋めようのないものとなり、第二次ブーゲンビル島沖航空戦で大本営が水増ししてもアメリカが勝つほど。しかも、アメリカはこれを航空戦と認識していない。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年8月13日
台湾沖航空戦に関しては夜に戦闘を行っていたため、大本営も情報の真意を把握していなかった。そのため現地からあげられる未確認情報を希望的観測としてカウントし、戦意高揚につとめた。歌をつくったりしたが、朝になると船は沈んでいないので海軍の中でも激怒する人間もいた。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年8月13日
大本営も軍隊もない現代日本でも、放送法や記者クラブの問題があり、メディアを政府がコントロールできる状態になれば大本営になりかねない。マスゴミとして潰してしまうのではなく、今のうちから監視する権力として育てることが必要。 #tbs954
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2016年8月13日
メモは以上です。
記者クラブ制度や霞ヶ関文学として現在日本の中でも「負の遺産」を垣間見ることができます。去年は戦後70年の節目だったので当時の記録や証言に基づいたドキュメンタリー番組が多くありました。しかし、今年は五輪の報道で一色です。
そうした中でも倦厭されがちな戦争ネタを取り上げたことは有意義に思いますし、どのように命令指揮系統に支障をきたしていったのかが分かりやすかったです。これはギャラクシー賞を受賞してもいいと思います。