モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

空脳と忘却の戦い

伊集院光とらじおと』で、ラジオDJやナレーター、声優さんといった声のプロ達を招いて伊集院さんがスキルを学ぶ回は高確率で面白い。12月7日(月曜日)のゲストは三ツ矢雄二さんだった。
(以下、意訳を含むメモ)

「昔の先輩方は収録の合間の休憩でも『おい!三ツ矢!ビール飲みに行くぞ!』と言って若手の自分は断れなかった。それでも本番が始まると先輩方は演技ができてしまう」
「今の声優さん達は学校で学んできているので、セリフはズレる事がなくぴったりアフレコできる。自分にはできないのでスゴイとは思うけど、深夜アニメなんかは演技が全て同じ。これは学校の弊害だと思う。クリエイター側からすると違う声が欲しくなるので、芸人さんを使ったりするのだと思う。芸人さんの中にも演技が上手い人もいる。以前に上戸彩さんとお仕事をご一緒した時に感じたのが、何度ダメ出しをされても向かっていく姿勢」
「どうやって自分の知識や技術を継承しようかと考えている。昔はベテランの中に若手が数人という環境だったけど、今は若手の中にベテランが数人という環境だから話がしづらい。食事に行っても『ゲームで何点取った』とか、『一緒にゲームをやりましょうよ』と誘われるけど、テトリスで止まってる自分は付いていけない。アニメは見なくていいので、アカデミー賞を受賞した映画を見て欲しい

ーーっていう話を三ツ矢さんがされていた。それを聴いてるうちに、「あれ?これ前にこの番組で同じ話を聴いた記憶が…」とへんな感覚に襲われて、ああとうとう自分の脳みそがバグった(空脳)のかと。笑

脳みそをかき回した結果、2017年にキートン山田さんが出演された時に、
「テレビを見ると、今はみんな節回しや間の取り方が同じ。そんな大したことのない先生もいるし、自分なら一週間で教えられることを二年かかって習っている」
「田舎出身ならば、それを隠すのではなく自分に還らないとダメだよ

ーーと言っていた。
今年の3月に大塚明夫さんが出た時も「どんな役にも必要があるから出番がある。何をしに出てきたのか物差しを持つ事。みんな良い声でも、みんな悪い声でもダメだし、十人十色だから楽しい。自分の特性に気付かないままカッコイイ声の真似をしてもダメで、そこに意識を割いたら届かない(この前段で言っていた『声優は自分の間ではない所で芝居をしなければならない。先輩がどうにかしてくれるだろうと思うぐらい図々しくならないとあるレベルにはならない』という文脈で)」

金言のオンパレード
という事で、らじおとに出演されたキートン山田さん、大塚明夫さん、三ツ矢雄二さんそれぞれの目から見ても、今の声優は同質的だから個性を伸ばした方がいいという点で見解が一致してた。

結論としては空脳と忘却に勝ててよかったけど、声優でもなんでもない私にはもったいない言葉ばかり。

(おわり)