夕方、武田砂鉄さんのラジオに坂口恭平さん出るからぜったい聞こう
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月20日
今週はとても悲しい事があって、恐ろしく気分が沈んでいるのだけど、少しの楽しみがあるから呼吸ができている。
坂口さんは頭の回転が早いので、メモ取るの大変ですが、読めるようなツイートメモにはなっているかと。
(以下、メモ)
武田さん)坂口さんは何者なんですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
坂口さん)友達からはダヴィンチと言われてます。昔からダヴィンチと平賀源内を研究してて、いろんな事やる事のほうが普通で今がキチガ…うん(放送コードを気にする天才)
坂口さん)死にたい時になると、5つぐらいのパターンしかなくて。お金関係や人からどう見られているかしか考えてなかったり、うつ病の症状なのに症状だと自覚してなかったり。1億人いたら8千万人が悩みを相談できずにいるっていうのが僕の考え。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
武田さん)将来的には24時間体制の自殺防止センターを作りたいと書かれてますが
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
坂口さん)1年あたり2〜3千人の電話に出てるので、還暦になる頃にはゼロになるんじゃないかと
武田さん)相談の中に独自の悩みはなかったというのはどういう事ですか?
武田さん)命の電話は繋がりにくいみたいですね
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
坂口さん)いのっちの電話には、15分に1回かかってくる。検索かけると僕の電話番号が出てきてしまうので仕方ないんですけど。僕は着信履歴ぜんぶ掛け直してる。あまりにもアンフォーマル
坂口さん)「反省してしまう」というのが症状なので、「反省禁止って壁に貼っておいて」と言います。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
武田さん)どうしたら違う思考回路を人に提示できるんですか?
坂口さん)例えば声。DV夫に悩んでる女性の声はほぼ同じで、頭の中のデータベースと照らし合わせる事。
坂口さん)僕も小学生の時に安定してた時期があったので、自分で坂口恭平学校を作ったという二点で日課を作りました。それによって多様な刺激をしていく
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
武田さん)「頭の中が砂漠だ」という相談に対して「じゃあその砂漠を描いてみてよ」と返したというのはすごいですね
坂口さん)僕の場合はサミュエルベケット先生。ノーベル賞をとっても死にたくなってる。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
武田さん)本に書かれてる日程を決めるというのは?
坂口さん)2万人にアンケートした結果みんな退屈してる。明日が来なければいいではなく、明日やる事がなかったり、仕事によって面白い事ができていない。
坂口さん)それと僕自身、双極性障害の経験があるので、この二本の柱です。悩む人は相談できないのでとりあえずググって、まとめ記事を見てしまう。まずは検索しないでほしい。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
武田さん)坂口さんの場合は自伝を読むそうですね?
坂口さん)死にたい、苦しいという出来上がった言葉に当てはめて、死にたい、苦しいとなっているので、既存の言葉を使わずに説明してみてと言うんです。詰まってもいいから、自分の事を話してもらう、カウンセリングに近いんですけどね。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
坂口さん)みんな形容してるんですよ。ツライとか。僕はそれを描写するようにした。苦しいという事を、僕にしかわからない言葉、その人にしかわからない言葉で分かるようになる。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
武田さん)人形みたいなものが出て来ない事はないんですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
坂口さん)ないですね。僕は逢ってないので。すだれの向こうにいる感じ。ただ、借金があっても楽しく生きてる人はいるので、借金を無くせばいいわけではない。
武田さん)他人の事を予想するのは良くないなぁと思いました。人の良いところを見つけるにはどうしたらいいですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
坂口さん)人の声色が頭の中で人形みたいになって、全く個性のない声色が自分の事を話していくうちに個人のものになっていくんです。
武田さん)アイデアは枯渇しないんですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
坂口さん)みんなそうだと思いますけど、他者がいて成り立ってる。僕の場合、他者にどう見せるかだけを考えてパステル画を描いてるので、「僕の表現です見てください」みたいなのはないし、お金にならなくてもいい。
武田さん)ライバルはAIという事ですが?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
坂口さん)人間ではないですね。僕の中でAIというのは常に横にいる感じ。友達や恋人が居ても仕事で出れないけど、僕は3コールで出る。すぐ横にいれるようにするにはどうしたらいいかと考えてます。
坂口さん)その人を少し混乱に陥れると、身体が危険を感じるので、一箇所の信号で死にたくなってる人を多少点にしていくというか。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
武田さん)コロナによる半年間の変化はどうですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
坂口さん)問題は三浦春馬くん。三浦春馬くんに思入れがない人達が、メディアの影響で首を吊ってる。出すなって僕は言ってるんですけどね。
坂口さん)僕は雑草、薬草。毒物ですから、本を読みすぎるなとは言ってるんですけど。前世、遊女だったんじゃないかって思ってるんで、どんどん利用して下さい
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
坂口さん)ええ?本当ですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
武田さん)相互扶助というのは大杉栄も言ってたのを思い出しました
坂口さん)どう税金を取るかっていうのは既存の考え方です。相互扶助ができれば国家はいらないですから、それをどうするかと本気で考える人がいればやりたい
武田さん)病院を作りたいという目標があるそうですね?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年8月21日
坂口さん)高野山みたいなもんで、仏教の方と話してるんですけど、僕はもともと都市計画の設計やってたんです。家の中は設計図だらけです。
武田さん)実は武田砂鉄という名前でやる10年前に、大杉栄のイベントでご一緒してるんです。
(メモここまで)
ここで一点、注釈。三浦春馬さんの訃報の伝え方に言及する前の部分で、死にたいという相談に対し、コロナで死ねばと冗談で返して、相談者が外出する機会が増えたと言ってる部分があったのですが、この点に関しては書くべきではないと思ってツイートメモからは意図的に落としました。
坂口恭平さんのパステル画~パステル画を873枚描いてゴッホが見た風景の地点に立ちたい~ - Togetter
あと、パステル画の話。ラジオだと体験できないので是非見て頂きたい。(運良くtogetterにまとめあった)
坂口さんが以前に描いていたのは抽象画だったので、凡才の私にはイマイチ分からなかったんですが、パステルで彩られる風景画はまぁすごい。自分の好きな場所で撮影した写真を元に描いているそうなんだけど、見るものを吸い寄せる奥域がある。つまり、これは特定の場所を描いているようでいて、実は空間、空気を描いているから、私たちが存在する空間と繋がろうとする引力がある。
たしか現実脱出論でも、空間の話は書いてあったけど、頭で理解していてもそれを描ける素養があるかはまた別の話。坂口さんは才能と理解を持っていて見事に描き上げるのだから、そりゃあ友人さんも「ダヴィンチ」って呼びますよね。
改めて坂口さんは天才だと思わせる内容だった。
後日談
すると1時間後電話が折り返してきて、旦那さんが北国の春と麦畑の入ったテープを持ってたらしく大音量でかけたら、はじめは、なんだつまんねえな、と言ってたのに、歌がはじまると笑顔になって、一緒に定年した後にマカオに旅行に行って麦畑を歌ったことを二人で思い出して、大熱唱したという泣
— 坂口恭平 (@zhtsss) 2020年8月22日
80歳代のお母さんが昨日のラジオを聴いたと言って電話がきた。90歳になる旦那さんが認知症で怒りが抑えられないらしく困っていた。そこで僕は旦那さんは二十歳の頃、どんな歌を聴いてましたか?と聞いたら「北国の春」ですかねと言うので、一緒にそれを大音量でかけて歌ってみてくださいと伝えた。
— 坂口恭平 (@zhtsss) 2020年8月22日
昨日のラジオを聴いて電話番号が聞き取れなくて、そしたら、早朝、朝日新聞に、苦しい時は電話して、って先生の優しい顔が載ってたんですよ、そこに電話番号が載ってたんですよ、それでもう神様に感謝して、電話してよかったです、主人の言葉の暴力が耐えられなかったのに、いまは笑顔で二人で思い出を
— 坂口恭平 (@zhtsss) 2020年8月22日
コロナコロナで家にいなくちゃいけなくて私たち退屈してたんですね!もう二人で毎日歌います、二人でマカオの写真を取り出して、北国の春をバックに旦那さんの笑顔が取り戻せるような気がしたとちょっとだけ幸せを感じて、いま感動して震えが止まらないんですよ、主人の笑顔を見て!
— 坂口恭平 (@zhtsss) 2020年8月22日
先生本当に感謝してます。先生の一言で、私の自律神経失調症も治りそうです、薬ももう飲みません、二人で北国の春聴きながら踊ります。一番好きな歌なんですね!マカオで、なぜか麦畑がかかってたんです、好きな歌が外国でも聞けたんだねって、二人で話してたこと、空港で喧嘩したこと、
— 坂口恭平 (@zhtsss) 2020年8月22日
わたしがぐずぐずしてるから、主人は怒って、でも、待って待って、髪の毛くらい綺麗にしたいわ、って言ったんですよ、もうその時代に戻りなさい、香港に行った時のワンピースとサングラスをいま着てます、よかったです、いやぁ、ほんとによかった、と僕も泣いちゃうよ、アクションを聴いて良かったです
— 坂口恭平 (@zhtsss) 2020年8月22日
いい話。コロナで自粛を強いられたり、隔離された環境にいても、同じ時間を共有している人が傍にいれば一緒に昔を思い出す事ができる。坂口さんの魂を揺さぶる芸術性が繋いだ。