【JamTheWorld】ゲスト：斎藤幸平（経済思想家）

今週の「UP CLOSE」は特集企画『2020年〇〇元年』
火曜日は「2020年・脱資本主義元年」と題して著書の『人新世の「資本論」』の著者、気鋭の経済思想家で大阪市立大学大学院准教授の #斎藤幸平さんにお話を伺います。#jwave #jamtheworld @koheisaito0131 #青木理 #脱資本主義
— JAM THE WORLD (@jwavejam) 2020年12月15日

今晩非常にラディカルなラジオ番組がありますｗ　２０時過ぎからjwaveで青木理さんと。 https://t.co/qYVBZSI6GH
— 斎藤幸平 (@koheisaito0131) 2020年12月15日

今夜のJamTheWorldのゲストは先週発表されてから楽しみにしていた斎藤幸平さんでした。会話のキャッチボールが小気味良くて、リスナーへの質問にも答えていたしテンポ感があって聴いていて面白かったです。ただ、早口なのでメモをする私にとってはツライ…。笑

「コミニズムだっけ？コミュニズムだっけ？」と表記に悩んでいる間にも進んでいくので両方採用する二点賭けで勝負しました。

以下、ツイートメモです。

青木理さん）30代前半という若さで我々の業界でも注目されています。大阪市立大学経済学部准教授経済思想家である斎藤幸平さんをお招きします。火曜の今夜は
「2020年脱資本主義元年」と名付けてみました。斎藤さんこんばんは！
斎藤幸平さん）こんばんは。よろしくお願いします#jamtheworld
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

青木さん）個人的な話になりますが、先日大阪でお目にかかれて、立て続けにお目にかかれて光栄です。経済書としては異例の８万５千部という事ですが、ご著書に出てくる「人新生」とは？
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）人類の活動が世界全体を覆ってしまったという地質学の言葉です。100年前は地球上の３%しか人工物はなかったのに、それが世界を覆ってしまったという時代ですね
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

青木さん）気候変動というのは各国で電気自動車や再生可能エネルギー、小さなところだとレジ袋を使わないという事をやってますがこれでは足りないという事ですか？
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）そうです。資本主義において大切なのは利潤ですよね。地球上の資源も地球も有限です。無限の経済成長を求める事は不可能ですから、どこかでブレーキをかけなければならない。今回のコロナも人の命を守るためにブレーキをかけたわけです
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

青木さん）レジ袋をエコバッグにするとか、時に人々が良かれと思った積み重ねが有害だと書いてますね
斎藤さん）『SDGsは大衆の阿片だ』と書いてあちこちで批判されました。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）システムそのものを抜本的に変える必要があるわけですが、「これはSDGsだから」とか、「オーガニックコットンだから２つ買おう」とかでは、免罪符になってしまって大胆なアクションを起こさなくなる懸念があります
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

青木さん）企業の販促キャンペーンのためにエコバッグが売られてるのを見るとレジ袋と変わらないんじゃないかと思ってしまいますよね
斎藤さん）コレクションのために５枚買おうとなったら、彼らが掲げてるSDGsの理念とは違うものですよね
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

青木さん）二酸化炭素を大量に出してるガソリン車が電気自動車になったとして、うまく地球環境を維持していけると考えてる人達もいると思いますが、これについては？
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）気候変動は世界的問題で、ガソリン車はやめて電気自動車にしなければならないと思います。しかし、消費者として電気自動車を買えさえすれば解決というのはあまりに単純な話です。それだけなら解決してるでしょう。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）「環境正義」や「気候正義」と言われてますが、まさにそこから目をそらし、想像力を奪ってしまうのではないかと本の中では書きました
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）電気自動車が走るとなったら当然何倍も電気が必要になります。石炭発電や原子力は論外として、太陽光発電が必要になる。原材料となるリチウムやコバルトを求めて南米の土地を収奪して奴隷労働のようになってしまうかもしれない。地球はみんなのもので先進国の人達だけのものではありません
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

青木さん）脱成長ですよね。僕は経済に詳しくありませんが「成長なき発展はあり得るのか？」と考えました。日本は成長してませんが、多くの方が疑問に思うと思うのですが？
斎藤さん）経済成長が私たちに快適な生活をもたらしてくれたのは事実で、私もiPhoneでこの番組に参加させて頂いています。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）私たちは今、生活に必要なものは自分達で作れるわけです。ジェフベゾフやザッカーバーグといった８人の人達が下から数えて37億人の人達の富を持っています。日本で暮らしていても生活苦しい人達がいる。あまりにも富が偏っているのでスローダウンさせる事が必要だと思います。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

青木さん）富の再分配として国家が徴収するというのだけでは間に合わない？
斎藤さん）それはやったほうが良いと思います。あの人達チョー頭いいのにやってる事馬鹿みたいで、一生かけても使いきれないお金を持っています。
青木さん）笑
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）例えば市民電力のように自分たちで管理する事。資本主義が出てくる前はみんな自分達でコモンとして管理していたわけです。コミニズムと呼んでますが
青木さん）「共産主義」ですよね？
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）共産主義というとギョッとされますが、最近では種苗法が話題になりましたよね。種なんかも共有財産として管理すべきだと思います
青木さん）つまり共有物として市民が管理すれば成長は必要ないという事ですか？
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）例えば学校、医療、美術館などに成長は必要ないわけです。エッセンシャルワーカーや介護といった部分は資本主義においては儲からないから賃金が安い。コモンとして考えるべきだと思います。社会がもっとそこに目を向けようとすれば良い社会になると思います
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

青木さん）後半はリスナーの方の質問にもお答え下さい。リスナーの方の中にもご著書を読んだ方がいらっしゃるようでーー
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

リスナー）コモンの領域を広げようという考え方にジェネレーションレフト世代が共感したとしても、日本では豊かさを競争によって手に入れた世代が大半です。貧しいのは自分のせいだと考えてる世代に対してはどうすればいいのですか？
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）デヴィッド・グレーバーという学者が「ブルシットジョブ」という自分のやってる仕事は社会にとって何の意味もないと多くの人が気付いてるという本を書いています。これだけ技術力があるのに私たちが週40時間働いてる事っておかしいんですよ。この会議ムダだよなとか。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）資本主義って「働かざるもの食うべからず」みたいに勤労意欲が高いと思うんですけど、こうしたコロナとか気候変動というもので大人達が気づく事が重要だと思います
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）広告をいくら打っても商品そのものの性質は変わらない。そうしたマーケティングによってもったいない物が出てきます。携帯電話も２年に１回新しい物が出てくる。資本主義の競争のせいで、もっと長く使えるものが出てこなくなるのではと思います
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

青木さん）ノーベル賞でも「今すぐ成果を出せ！」みたいなところじゃないところで結果を出したわけですもんね
リスナー）今話題になってる飲食や旅行といった立ち位置はどうなるのでしょう？
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）今旅行に行ける人達は余裕がある人達で、偏った援助になってると思います。私がいる大阪や京都もインバウンドで観光客だらけで、住んでる人達の事は考えてない。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）カジノ作ろうとかいうのも資本主義的な考えで、コロナみたいな事が起きてしまうとガラガラと崩れてしまう。日本が節度を取り戻す最後のチャンスだと思います
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

青木さん）もう少し調和が取れるものができるのではと、こういうことですか？
斎藤さん）その土地の事を知れるわけでもないし豊かではないんですよね。豊かなツーリズムとはリニア、万博、カジノは真逆です。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

リスナー）サンダースが社会主義者を名乗っていますが、社会主義が崩落した国は独裁になってます。新の社会主義があるとお考えですか？
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）学生ローンを背負って雇用も不安で環境破壊がある。彼らはソ連を知らない世代で、全く新しい社会主義を考えようとしています。脱成長とシェアを軸に考えていて、彼らの考え方に刺激を受けて僕も本を書きました
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

青木さん）社会主義は失敗したシステムと考えられているし、コミュニズムと言われると抵抗感ある人もいると思いますが？
斎藤さん）資本主義ではない別の形として今回はマルクスで考えただけで、もっと違う考えが出てくればと思います。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

斎藤さん）我々の放埓な生活のツケが若い世代に行くわけで、僕らがもってる大きな責任だと思います。
青木さん）お時間となりました。これではこの本の10分の１ぐらいしか喋ってないので、また是非よろしくお願いします。
斎藤さん）はーい。ありがとうございました。
（おわり）
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年12月15日

メモここまで。

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— JAM THE WORLD (@jwavejam) 2020年12月15日