モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

「君と世界が終わる日に」と「天国と地獄〜サイコな2人〜」の感想

日テレの『君と世界が終わる日に』というゾンビドラマが意外と面白かった。
地震が発生してトンネルに閉じ込められていた主人公が脱出すると、世界はゾンビだらけになっていて、安否不明の恋人を必死で探すというストーリー。
このジャンルはゲームだったり海外でも山ほど作品が出てるので、正直資金力の面だったり、演出じゃ敵わない。警官役の方の銃を構える仕草が雑だったりするのが目につくんだけど、マキタスポーツさんが笹野高史さんを盾にするコントシーンは面白かった。しかも続きがあって、安全な場所でみんなが会話をシーンで、輪の外にいる笹野さんが手を痛がってる。
「マキタさんのせいで噛まれたんだ。悪いなぁ。マキタさん」と思った。笑
それと女性がゾンビだらけの体育館に迷い込むシーンなんかは、このご時世にあれだけの人がギュウギュウになってるだけでどれだけ撮影に苦労したんだろうかと変な感動があった。視聴者には見えない努力があると思う。
アクションに関してはゾンビ役のスタントマンさんが凄い。人間は落下する時に受け身を取るけど、ゾンビを演じるからコンクリートの上でもドスンと落ちてた。ストーリー次第では化けるかもしれない。

それともう一つ見たドラマが『天国と地獄〜サイコな2人〜』
『転・コウ・生』で柴咲コウ&ムロツヨシと入れ替わる演技をした高橋一生さんが今度は綾瀬はるかさんと入れ替わってた。
階段から落ちた刑事と犯人の人格が入れ替わるという超雑な舞台装置がメインのドラマ。
綾瀬はるかさんはサイコパスの人格を演技するので、声の抑揚を殺しつつ無機質に笑うという表面に出さない演技をしないといけない。ただ、見た目が綾瀬はるかなので気持ち悪さが足りない。
一方で高橋一生さんは陽気な女性警官の人格で、見た目は肩の力を抜いて歩幅を狭めて歩き、手首でリアクションする感じ。内面には元に戻りたいけど犯人の日常として社長職を演じなければならない葛藤がある。入れ替わるという演技の中で演じるという複雑な設定なんだけど、それを完璧にやってるので、演技力では高橋一生さんのほうが上に見えてしまう。風呂場で股間を見ないようにして、洗おうとするけどシャンプーとリンスとボディソープがどれだか分からずに下見たら股間が見えてしまって、全裸で転げ回ってたのは笑った。『岸辺露伴は動かない』とは違う躍動感があった。
普通のバディものとは違って、犯人の人格からすると警官の人格は目障りなので殺害してしまう事もできるというのが見どころではあるんだけど、今のところは演技力が超絶すぎて面白いだけで、ストーリー自体は面白くはないというのが私の感想。
個人的にはキャラクターが入れ替わるよりも『ジキルとハイド』であったり、『アンパンマン』のロールパンナちゃんだったり、『鋼の錬金術師』のリンとグリードだったり、『呪術廻戦』の虎杖悠仁と両面宿儺のように憑依してるキャラクターのほうが好き。感情がせめぎ合ってるからどう転んでもエモーショナルになる面白さがある。

それにしても偶然見てみようと思った新ドラマのタイトルがこの世の終わりとあの世だなんて。エンタメにとってもツライ、そんな感じの世界がタイトルに滲み出しているように感じる。

(おわり)