モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

【久米宏のラジオなんですけど】3週間で変わる世界&公文書のあり方について

3月31日(土)の「久米宏ラジオなんですけど」

久米さんが帰ってくるということで、面白そうだし、重要な回だと思ってメモりました。書き起こしではないのでご了承下さい。

オープニング

久米さん:あっという間の3週間でした。休みを取った時は東京では雪が降っていたのに、今では桜が満開、昨日からプロ野球も開幕しました。
大型ニュース番組をやっていた時から3週間の休みを取るようにしていて、「こんなの時になんで久米は居ないんだ」「3週間は長すぎる」という声もありました。だからと言って二週間にするというのも違うので、今回三週間の休みを取ったわけですが、休みを取るたびに大きな事が起こるのでサマーホリデーにズラそうかと思います。
先週放送された池上彰さんとの二時間番組が収録されたのは、一月の下旬ですからね。恐ろしいですよ、何も知らずに北朝鮮の問題について喋っているんですから。編集してくれるかと思ったらそのまま使われました。
中国人は金正恩張成沢(久米さんはソンタクと読みたい)を暗殺したことに衝撃を受けました。だから「誰が会うもんか」と言うかと思えば、専用列車で中国に行き、ニコニコして晩飯を食ったりして。でも、習近平と握手した時に金正恩の顔が少し引きつっていました。相当なお土産があったんだと思います。
こうした外交問題があった時に、中国と日本、どちらが公文書を大切にすると思いますか?
北朝鮮なんて鼻をかんで捨ててしまうと思いますが、中国には残す文化があるので今回の中朝会談の内容は十数年後に出ると思います。日本は甘利さんがTPPでアメリカの縮毛の人と話していた事も、心のメモに残すだけで、文書には残していないようです。
今日はそんな公文書の問題に詳しい瀬畑源さんがゲストです。

 

久米さんが休暇中に起きた事件を優秀なスタッフが調べた結果

1988年7月 なだしお事件
アメリカを走る車の中で流れたラジオで知って、サブマリンと釣り船がぶつかるなんてまっさかぁ〜と思ったと回想。

1991年
休んでいる間にソ連が崩壊した。

1997年8月31日
ブタペストの三流ホテルのスイートルームに泊まって、高待遇されていた時に、窓の外に見えるイギリス大使館の中庭が花束で埋まった。ダイアナが亡くなったのを知った。

2001年9月11日
イタリア?で美味しい昼食を食べて、ホテルに戻ると一緒に居る人(奥さん)が「あなた、ペンタゴンが燃えています」と言ったので「ペンタゴンだって火事ぐらい起こるだろう」と言ったのを覚えていると回想。

今週のスポットライト ゲスト:瀬畑源さん

久米:こんにちは。ようこそ。長野はまだ寒いですか?
瀬畑:まだ咲いてないです。東京に来たらもう散っていてビックリしています
久米天皇陛下について調べていたということですがーー
瀬畑:在学中から情報公開請求なんかをしていてブログにまとめるようになりました。側近の方に訊いても出てこなくて、だいたい日記ですね。これは世間に出すと批判される恐れがあったんだと思います。
久米:今回の本(集英社新書『公文書問題 日本の「闇」の核心』)はタイムリーですね。僕が休みを取る前に朝日が森友の改竄を報じた時に、自民が反論しなかったので変だと思ったんですけど、これは想定していましたか?
瀬畑:官僚は組織として文書を残して、物事を決定する仕事をしています。そういう仕事をしている人達が、自分達の仕事の根本となる文書を書き換えるという事を、あの財務省がやるというのは普通ではないですね。
久米南スーダンの日報問題でメガネをかけた姉ちゃんが「廃棄しました」と言ってましたが、ご著書を読むとあれも公文書とする前提でいいんですね?
瀬畑:はい。それは当然で、一部の人ではなく組織で共有されるものなので『公文書』とするのは当然です。
一年未満なら捨てていいという抜け道があって、これは去年の森友の佐川さんも同じですが、軍事組織が一年未満で文書を廃棄する事自体がおかしいからリークがあったんだと思います。
久米:トップの中には本当に捨てたと思ってる人も居たんじゃないですか?
瀬畑:いや、でもまぁ、それはないんじゃないでしょうか。単に見せたくない。情報公開請求で1日70枚くらいあるので、墨を塗るのが面倒くさかったのだと思います。だから「無い」と言って、有ったから嘘を重ねることになったのでしょう。
久米:今回の佐川さんも、いかに文書が重要かを知っているはずなのに「無い」と言い切るのは何故ですかね?
瀬畑:正当な仕事をしているのならばそのまま出せばいいだけの話ですが、何らかの形で行政が歪められているから見せたくないのではないでしょうか。でも、文書を捨ててしまうと自分達がキチンと仕事をしているかも証明できないのです。
久米沖縄返還でも密談で行われ、向こうには文書が残っているのにこちらには無いという事がありますよね? さっきTPPについて話したのですが、文書を残す国に負けてしまうのではないでしょうか。
瀬畑:研究でアメリカの公文書館に行くと本当に事細かで、どこかに「説明責任を果たさなければならない」という思いを感じます。
久米ニクソン大統領以降、ホワイトハウスではラクガキもとってあって、50年保管する事になっているようですね。
瀬畑:ウォーターゲートの影響で、大統領記録法に基づいて、退任後は大統領図書館に全ての記録が移管されるようになっています。
久米:今、映画ペンタゴンペーパーが公開されてますね。ベトナム戦争の発端となるトンキン湾事件は全て嘘で自作自演だった。7,000ページの文書の話です。

報道の自由を米政府が脅かす、スピルバーグ「ペンタゴン・ペーパーズ」本編映像(動画あり / コメントあり) - 映画ナタリー

瀬畑:アメリカでは市民社会の運動をきっかけに『知る権利』ができ『情報自由法』ができ、こうしないとダメだという事になった。
久米:アメリカでは州が強くて、連邦政府がガッチリとした根拠を文書に残さないといけませんね。同じように日本も明治維新が倒幕した時にもっと文書を大切にできたのではないかと思うのですが。
瀬畑:江戸時代の末期までは文書の編纂をしていました。これが明治の初期になると大量の文書を編纂する時間がなくなり、組織が縦割りになってからは保存法は各省庁に任され、それが戦後になっても変わらなかった。彼等にとって必要な決済文書は残りますが、途中過程が分からない。外務省の場合は途中過程が重要なので残しますが。それと人事ですね。
久米:情報開示法ができたのが2001年、公文書管理法ができたのが2011年。日本では本当に最近の話なんですね。
瀬畑:アメリカはアカウンタビリティーを徹底しないとダメだと分かっているんです。
久米:日本は契約社会じゃないから、普通の会社でもできていないんじゃないかと思うんです。
瀬畑:日本は『人治の国』と言われますね。ある人によると執務室の違いだと言われています。アメリカの執務室は個人室、日本だとみんな同じフロアに居て、その場で個人が決める。電話した時に「担当者が居ない」というやつですね。
本来であれば組織として、誰もが途中経過を見れるようにファイリングしていればいい話で、これは公務員だけでなく僕らもどれだけできているのか考える必要があります。
久米助教の場合はどうですか?
瀬畑:えっと、事例は出ます。教授に上がれるかどうかは実績によります。
久米:論文を書くんですね。
瀬畑:あとは教授会で評価され選ばれるかどうかですね。
久米:さて、本題ですが、今回の問題があったら一年ぐらいは良くなりますかね?
瀬畑:私は『負の遺産』が遺る可能性があると思って、近畿財務局が詳しく書いたからバレたから何も書かなくなる可能性もあります。逆に良い場合は、行政がプロセスを見せて良いか悪いか判断するようになる。一年前に麻生さんが佐川さんに任せたうえで『問題ない』と言っていましたが、その時にちゃんと調べるように指示を出していればよかったのです。
久米加計学園のほうがはるかに問題だと僕は思っているのですが、こちらについてはいかがですか?
瀬畑:萩生田さんなど内閣が口で「言っていない」と言うだけで資料を全く出さない。本当は「それはダメなんですよ」と、プロセスを見せたうえで判断する事が民主主義であって、与党からちゃんと資料を出すように言う社会にならないといけないと思います。
久米:写真にも意味はあると思うんですよ。だって、学園の敷地であの夫婦と写真を撮っているんですよ? 「どうしてみんなそれを言わないの」って思いますね。本日はありがとうございました。
瀬畑:ありがとうございました。
(おしまい)

 

面白かったですねぇ。

とくに堀井アナが原稿に書いてある「改竄」を読めなかったり、改編期やら人事異動で違う時間に移ることになったニュースルームの柴田アナに「お疲れ様」も言えずにすれ違っていく空気感が面白かったです。笑

 

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