モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

「リアル15巻」の感想

あいつらが帰ってきた

先日、Twitterを見ていたら井上雄彦先生が「あいつらが帰ってきた」というニュースをツイートしていました。それを見た私の中には「やった!」という喜びの感情と「あいつらって誰だっけ?」という忘却が同居していました。なぜ私の中に記憶がないのでしょう…。
それを思い出すため『リアル』を引っ張り出して確認してみたら、14巻の最後に書かれている次巻予告には「リアル15巻 2016年春、発売予定」と書かれているではありませんか。
いやいや、そりゃあ忘れますよ。汗
という事で記憶復元のために読み直したうえで15巻を読む事にーー。

【14巻のあらすじ】
野宮
→トライアウト落選
→悔しさも無くなって太る
夏美
→漫画家を目指す
→編集からニッチな路線を迫られ太る
戸川
→タイガース優勝
→安積が居なくなって停滞
→ヤマと会って結束
安積
→イギリス留学
高橋
→ドリームスに入団
→ローポインターって何ですか?
ふみか
→犬が病気でバイトの毎日
→高橋が立ち直ってバスケを始めたので、自分の存在意義を悩む

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15巻はそれぞれが、ずっと迷いの道にいるのが印象的な内容でした。普通の漫画だったら主人公補正が加わって、どんどんストーリーが進んでいくのでしょうけど『リアル』は真逆です。
その中で高橋のパートで登場するプロレスラーの白鳥は、背中で語ってメンターとしての役割を果たしています。でも白鳥がそう振る舞えるのはファンレターを送り続けた花咲がいたからであって、ここからは目に見えない繋がりに生かされている事が読み取れます。
今回「挫折」というのも大きなテーマだと思います。あの人よりも強くありたいとか、悔しいという嫉妬心について『バガボンド』では「我執」として描かれてきました。「勝ったのは俺だろう 早く倒れろよ 伝七郎」といった具合にです。これは強さを求めるがあまりに、ネガティヴな進化をした形態です。これではより大きなものにはなれない。ベジータが悟空を超えられなかったという話で『ドラゴンボール』でも描かれてました。(洗脳されても超えられなかった)
今回の15巻では、嫉妬心は自分の内なる心に耳を澄ませるキッカケとして、わりとポジティブに捉えられています。これは『天才は諦めた/著 山里良太』の思考と似てると思いました。
父親の居ない野宮と高橋が仲良しだった頃のエピソードや、アンパンチや野宮の母親が登場するシーンなど見所も多いですが、私が一番印象に残ってるのがP88です。安積がイギリスからわざわざ帰国して、戸川の母の墓参りをしているところに戸川が鉢合わせ。それを見て毎年、墓参りをしてくれていた正体が安積と知り抱きしめる。そして戸川はパラリンピックで金メダルを獲る!!」と目標を宣言。2人の間に風が吹き抜けるというシーンです。とても爽やかなシーンでありながら、墓前の前でイチャイチャする暴挙!笑
そしてさらなる高みを目指すため、タイガースの活動が終わるかもしれないーーというところで15巻は終了。
続きが気になりますが、16巻の次回予告に発売予定時期の記載はありません!笑
こんな感想を書きながらも、私は忘れてしまうのでしょうか。生きているのでしょうか。

おまけ

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解説の位置付けで新キャラが出ていました。スラムダンクにおけるDr.Tですね。
(おわり)