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モブトエキストラ

左利きのメモ魔が綴る名もなき日常

「写真で伝える仕事 世界の子どもたちと向き合って/著 安田菜津紀」の感想

読書感想文

 

ラジオ界のスペシャルウィークも終わり、バウンティハンター達がラジオから離れたせいなのか、私に安田菜津紀さんの本が当選するというサプライズが起こりました。

ありがたや、ありがたや。

 

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表紙には女性と子どもが写っていて、よく見ると子どもは靴を履いていません。

後ろには損傷した建物も見えます。

本の帯は爆弾降り注ぐ中を生き抜いたサヘル・ローズさんが書いていて「写真という声帯」という光るワードセンスが見て取れる。

『これはマジなやつだ!』と感じ取った私は正座をして読むことにしました。

 

フォトジャーナリズムとはなんだろう? 

本の構成はQ&A方式になっていて、なぜ写真を選んで仕事をしているのか、どのような仕事内容なのかを簡潔にまとめて文字を視覚で捉えやすくなっています。

そのあと、取材した国の位置が地図で記されていて、各国が抱える内政問題や情勢を文章で紹介するとともに、その土地で子どもたちがどのように生きているのかを写真で提示する流れになっています。

写真を補足するための文と文を補足するための写真の二通りの表現があるんだなぁと感じました。

 

冒頭で自身の生い立ちと、転機となった国境なき子どもたちの友情サポーター制度の紹介がさらっと書かれているんですけど、安田さんの人生を変えるほどの情熱というか、初期衝動を駆り立てるものに違いないと思って、ご本人の言葉だと「五感で感じてきたことを誰かと分かち合いたい」と書かれています。

これは今に通じていて、JamTheWorldというラジオ番組は冒頭で少しフリートークがあるんですけど、安田さんは決まって取材報告としてヨルダンなどの中東の現状や陸前高田の話をされるんです。

まぁ、最近は前番組のピストン西沢さんが番組終わりに隣のブースから無茶振りをしたのを答える大喜利コーナーみたいになってますけど、この本で言葉の背景が見えたので感慨深いです。

 

本を読み進めてカンボジアのパートになった時に、脳みそがぱかっと開いてある事を思い出しました。

たしか「世界まる見え」というテレビ番組だったと思うんですけど、カンボジアには自分の私財をつぎ込んでひたすら地雷を撤去してる男性がいるんです。その人は資料館とかを使って観光客から料金をもらって、それでまた重機を買ったり、若手に技術を教えたりしてるんです。

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この片足の男性を見てその記憶が蘇りました。

地雷というのはわざと殺傷能力を落としてるのもあって、ありふれた非人道的な兵器だなぁと思います。

 

「最後の1個まで」地雷除去に取り組むカンボジア男性、17日に奈良へ 辛い過去乗り越え - 産経WEST

(検索したら意外なことに産経さんでヒットしました。アキ・ラーという名前の男性でした)

 

そのまま「フォトジャーナリズムって何だろう?」と考えさせられ、正座をしたまま読み終わり、「離れながらにしてダークツーリズムを体験できる報道形態」という答えに至りました。

当然ながら写真は動画よりも情報量は少ないですが、ロバート・キャパが代表されるように芸術なんですよね。芸術で目を引いて内容を考えさせるという、人を受動的にさせる力があると私は思っていて。

そのうえで、安田さんの写真にはダークツーリズムをその土地に生きる子どもの目線から伝えているので、読者に「一体、この子ども達はなんて言うのだろう」と考えさせる。それは面白い漫画が頭の中で動き出すのと同じように、写真の子どもたちが話しかけてくるように見えるんです。

「あー、だからサヘルさんは写真という声帯って表現をしたのか!」と勝手に納得しました。

良い本が行間を読ませるように、良い写真は背景を考えさせるのですね。

 

あと、最後に一つ思ったのは悲惨な現実をどのように伝えるかという問題についてなんですけど、「この世界の片隅に」が大ヒットしてからNHKクローズアップ現代で特集が組まれたんです。その際に原爆の悲惨さを語り継ぐ活動をされている方が直接的な表現が多いから、なかなか広がっていかないとおっしゃっていたんです。

つまり一つの答えとして、悲惨な現実を理解してもらうには間接的に芸術を利用する必要があると思ったんです。他に具体例を出すと「スラムドッグミリオネア」という映画も当てはまると思います。本当の意味で「伝える」というのは、受け手の頭の中に残らないといけないから表現方法は重要ですよね。

最近で言うとバーチャルリアリティ(拡張現実)という新しい表現方法が出てきたので、また新しい形のダークツーリズムが生まれるかもしれませんね。

 

おわりに

この本は中学生や高校生といった若い世代に対して書かれているので、文章に難しいところはありませんし、社会性を身につけるきっかけを与える本だと感じます。学校の図書室の13歳のハローワークの横に置いて欲しい一冊です。

もちろん、大人であっても写真を見て考えさせられる内容になっています。

 本の一番最後に子どもたちの笑顔が載っているんですけど、これが花畑みたいですごく心を動かされるんです。

 

見たいですか?

 

 いやぁー、そこは買ってもらわないと。(当たったくせによく言うな)

 

とても良い本を頂けて嬉しい反面、私には一抹の不安があるんです。

四月って番組の改編期じゃないですか…

スペシャルウィークが終わってからプレゼントをするって、もしかしてナビゲーター変わってしまうんじゃないか⁉︎って(汗)

 

同封されていたパンフレットに目を通すと別番組でナビゲーターをしていた小林武史さんが卒業されるようです。(他局ですけど私はap bankRadioも聞いてました←ラジオ中毒者)

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JamTheWorldに関する記載はとくにありませんでした。

きっと編成さんがリスナーの期待に応えてくれると思うので、安田さんを外すことはないと思います。無茶振りも面白いですし。

まぁ、変えるとしたら木曜日ですかね←おいっ!

 

おわり。

 

支援や寄付はコチラへ
発展途上国のストリートチルドレンや人身売買の被害に遭った子どもなど恵まれない青少年を支援するNGO

JIM-NET(ジムネット)公式サイト 代表:鎌田實

認定NPO法人国際地雷処理・地域復興支援の会(IMCCD)

 

写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-

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