モブトエキストラ

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【映画監督として震災後の社会に何を思い、どう伝えようとしているのか?】 ゲスト 岩井俊二

JAM THE WORLD : J-WAVE 81.3 FM RADIO

今月9日、映画監督の岩井俊二さんがオーガナイザーを務めた「ロックの会」に招かれまして、シリア難民について話をしてきました。
震災後に発足した「ロックの会」では、原発問題や環境問題など、さまざまなテーマを取り上げているんですが、岩井さんは震災後の社会に何を思い、いまどんなことを伝えようとしているんでしょうか?
映画監督 岩井俊二さんご本人をお迎えしてお話を伺います。

=TOP= of ロックの会


以下、メモです。


  • 日本ではアーティストなどが社会について語ることがタブーのようになっていると思うのですがどうお考えですか?→僕はムラのある人間ですが、熱くなる人もいれば冷ややかな人もいるでしょう。福島第一原発事故については僕が生きている間は細く長く寄り添っていけたらと思います
  • 最近は憲法問題も扱っているようですね?→岩上安身さんはジャーナリストですからお詳しいですし、小林節さんともお会いしました。SFの父と言われるジョージ・ウェルズは核兵器の製造を予期していて世界憲法草案を作る社会運動もしていました。その後、国連ができて日本国憲法に繋がります。ある問題は100年前から続いています。
  • 憲法9条をみるうえで「なぜ必要とされたのか?」という理由について語られることは少ないです。人類の危機からいかに遠ざけて平和を祈るかを考えるべきだと思います。憲法9条の一文だけで守られることではなく、理念として考え続けなければ「ただの一文」です。
  • 東日本大震災以降の世界についてお聞きしたいのですが。岩井さんは放射能に汚染された世界の小説を書かれてますね?→スワロウテイルのあとですから…10年ぐらい前ですかね。子供の頃、東海村の関係者だったおじさんに連れられて見学した事があるんです。
  • 放射性廃棄物の入った黄色いドラム菅の前でおじさんは「これだけはどうにもならないんだ」って。だったらなぜそんなものを作るのか疑問でした。その後、スリーマイル事故などもありました
  • その小説の中で少子化問題(子供が産まれなくなり精子バンクができる)が出てきますが、なぜ関心があるのでしょう?→日本は様々なサービスに囲まれて生きています。一つ一つのサービスは素晴らしいものです。
  • でも、一人一人がいっぱいいっぱいで、子供を産むことがリスクになっているみたいな… カンボジアにはサービスはありませんがコミュニティはあります。それを考えると日本は随分と変な進化を遂げたなぁと思います
  • 日本の高齢化がピークになるのはちょうど我々の世代が老人になった時なんです。その時に若者とどう向き合うのか… 映画にもないような比率で高齢化していきますから。作家ですからSFチックに考えてしまいます
  • 新しい映画について→黒木華さんと撮ったんですけど、どんどん新しいサービスが提供される中で、どんどん古い風習が牙をむいてくるような映画です。
  • 岩井さん本日はありがとうございました→ありがとうございました


岩井俊二監督は本当に洞察力の鋭い方だなぁと感じます。
メモを取ってて気づいたのですが『〜ですから、〇〇だと思います』という理論的な推察をする。
原因に対する探究心が高くて、それを肉付けして映画にしていく。
監督の思考過程を垣間見た放送でした。