ここ数日Twitter上で検察官の定年延長(政権が検察に人事介入し、都合のいい人間の定年を延長する)に対する大規模なデモが行われています。私はニュースを見まくる人間ですが、これまでこんなに多くの方が政治についてツイートされてるのを見た事がなかったので驚きました。
検察庁法改正案については4月28日O.Aの放送で特集されていて、メモにしておいたものの最近Twitterの調子が悪くて、読み込めなくなる→動かなくなるという事が多々あって書けなくて。今夜の放送でも河井夫妻に関する話が出たので、線として見るにはいいかなと思って、今夜の『月一宮台』と合わせて記事にしておきます。
以下、メモになります。
4月28日O.A ゲスト:竹田昌弘
竹田昌弘さん)もともとは厚生年金の支給年齢に関係があって、65歳に定年を持ってこないと生活できないという問題があり人事院が勧告したわけです。検察官以外の公務員は60歳の誕生日が来るまでに役職定年を行なっています。検察の検事正は63で普通の検事に戻る。検事総長は65歳
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
青木さん)急に65歳案が出てきた印象があるのですが
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
竹田さん)これは一昨年から決められていた事で、去年に法案を出すはずでしたが選挙があったり、桜があったり、天皇の即位などもありましたから。
青木さん)役職定年を入れ込む事になるが、黒川さんみたいなものを後付けで肯定されるわけですよね?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
竹田さん)去年の臨時国会で出していればこんな事にはならなかった。検事正は法務大臣、検事長は内閣が認めれば職務を続ける事ができるようになった
リスナー)私は天下りする人が減って良い事だと思うのですが?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
竹田さん)検察官の天下りはほとんどないです。公証役場に勤める公証人になるんです。検事長になった人は弁護士になりますから、どこかに天下る事はほとんどないです
青木さん)逆に65歳にする事で弊害が大きいという事ですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
竹田さん)そうです
青木さん)検察庁の雰囲気は?
竹田さん)これまで人事に手を突っ込んで来ることなんてなかったので衝撃を持って受け止められていると思います。(続く
竹田さん)時の権力者の責任追及をする事もあるでしょうから、政権とは一定の距離が必要だと思います。行政と司法の中央に居る適切な距離が必要だと思います。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
青木さん)戦後の歴史を振り返ってもこんな事はなかったんですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
竹田さん)1950年第三次吉田内閣の時に木内事件というのがありました。その時代は汚職事件をたくさん摘発していたんです。(続く
竹田さん)木内さんは戦いましたが、最後に自ら辞職しました。検察の摘発で倒れた政府は4つあって、シーメンス事件を担当していたのが木内さんです。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
青木さん)今後なんですけど、8月まで延長されて検事総長になるんですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
竹田さん)稲田さんという方に変わってなると思いますが、稲田さんはまだ63歳で来年8月まで辞めなければ検事総長でいられる。でも黒川さんも稲田さんが辞めるまで定年延長できます。なれたとしても半年だけですが。(続く
竹田さん)広島地検が中心となって河井克行氏と妻の杏里氏の選挙違反事件を追ってますから、もしかしたら変わってくるかもしれません
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
青木さん)どっちが検察の姿なんだと思ってる人がいると思うんですが?
竹田さん)亀裂が入りましたよね。法務省の言う通りに唯々諾々と受け入れてきた事に不信感を抱いてるOBはいます。ただ、簡単な事件ではないです。1億3500万がどこから出たのか調査してると思います
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
青木さん)河井克行氏の選挙は現金を配るというのは悪質では?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
竹田さん)配ったのは4月で、自分の地盤を固めるためなら地盤培養行為として不問に付されてきましたから
青木さん)検察と政権の暗闘がコロナ騒動の裏で続いてるという事ですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
竹田さん)これは何年も残ると思います。甘利明さんはURの口利きで大臣室でお金をもらっても不問に付された。斡旋利得処罰法の前例がなく、影響力の行使が必要になると考えた。当時甘利さんは経産大臣だからやめろと
青木さん)つまりは問題点を挙げても動かない検察になってしまうという事ですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月11日
竹田さん)森友もそうです。事件捜査と法案審議がどうなるか。河井さんを捕まえるには手続きが必要になりますから
5月12日O.A 月一宮台
青木さん)「検察庁法改正案に抗議しますというツイートが話題になってます。どう思いますか?」という質問が多数寄せられています。休業で明日の生活もどうなるか分からない方がいる中で、自分達に都合のいい法案にはすぐ手をつける。多くの人々が認識を共有したのではないでしょうか。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
青木さん)そう簡単に与党が突破できない理由の一つが、広島地検が河井夫妻の捜査をしている事。河井克行氏が何人にも金銭をばら撒いていた事が分かっていて、大阪地検、東京地検からも協力を得てかなり煮詰まってきているようです。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
青木さん)前法務大臣が刑事責任を問われる事になれば前代未聞の大事件。この金の出どころがどこなのか調べるために逮捕許諾請求を得る事になれば、国会は大騒ぎになるでしょう。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
青木さん)宮台さんこんばんは。一ヶ月早いものですね。『音楽が聴けなくなる日』という新しいご本が出るそうですね?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)永田夏来さんと、かがりはるきさんとの共著です。アマゾンから予約できます#jamtheworld
青木さん)ピエール瀧さんの逮捕による自粛で音楽が聴けなくなった事について書かれているようですが?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)コロナによって統治機構や、人々の性能が試されていて、際立って日本のダメさが目立つ。新型コロナを念頭に置いて書いたわけではありませんが、共通するところがあります。
青木さん)僕や宮台さんに検察庁法改正案についての質問がきてます
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
リスナー)この動きは一過性のものだと思いますか?
宮台さん)自分の振る舞いが違法だと分かってる安倍が、自分のお手手が後ろに回って牢屋にぶち込まれない為に、政権のケツを舐めてきた黒川にしておけばいいと考えてるのでしょう
宮台さん)ツイートの数については、数理的に解析されてbotや特定のアカウントだけが行なったものではない事が分かっています。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
青木さん)この現象の背景についてはどうお考えですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)いざという時は国民を守るために牢屋に入るのが政治家のあるべき姿であって、一人だけ牢屋に入らずにいようとしている。倫理的、道徳的にダメ中のダメで国民が憤慨してるわけです。
宮台さん)インパール作戦でも多くの兵士は病死と餓死。東京裁判にかけられたけど、日本にその能力はなく、1960年代に入ると忘れている。そういう意味で一過性です。しかし、ここまで安倍がダメなので政局になる可能性がある。安倍の周りでケツを舐めてる君側の間もいる。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)「首相が法を曲げているのだから、俺たちも法を守らなくていいんじゃないか」と考える人間も出てくるでしょう。病気が身体中を蝕むように、あらゆる影響を与える。それに気づいた多くの人がTwitterで声をあげた。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
青木さん)だからこれまで政治的な発言を控えてきた人々が声をあげたと?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)そうですね。でも全てが安倍のせいと考えるのは間違いで、菅官房長官は劣等感をコントロールし、クソのついたケツでも舐める政治家が出てきた。
宮台さん)安倍さんは日本のダメさを加速させる存在をあぶり出した中興の祖になる存在。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
リスナー)宮台さんはどの程度国が壊れる事を許容してますか?
宮台さん)それは難しい質問です。リバウンドの方向性を今から予測する事はできませんが、少なくとも安倍の方向ではない。
宮台さん)日本国民にとってはコロナ対策でアベノマスクだとか、いつまでもクラスター対策をしてる厚生労働省のクラスター対策班。安倍があぶり出してくれた。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
青木さん)科学者に対する不信感について宮台さんのお話を伺えますか?
宮台さん)「お上に逆らうな」というのは江戸時代から続く伝統的なものだけど、お上にべったりで同調しない人間を見つけると嫉妬する。そういう国民のケツを舐めた。クラスター対策やってるから安心です、安心ですって、んなわけないじゃん。プランBも出てこなかった。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)マスコミの劣化も重要で、検査をしてないのに感染者数を出す事に意味がない。捕捉できてない人が広がってるのだから、検査数と感染者数で出さなければならない。2010年の新型インフルエンザの時にCDC(疾病対策センター)を作らなかった問題もある。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)ゾーンを設定して無作為に検査し、抗体も調べる事で感染した事も分かるように感染率を出す必要があると思います。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
青木さん)報じる事が他にないというのもあるかもしれないけど、それで大本営の発表みたいになっているわけですね
宮台さん)この劣化は政権の劣化と同じです
青木さん)当初はPCR検査のキャパシティの問題でクラスター対策に頼らざるをえない可能性があったとして、「検査体制を増やすべき」と言わなかったとしたら科学者の劣化なんですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)全体として政権のケツを舐めがちで、厚生労働省がそういう人選をする。
宮台さん)それは福島第一原発事故の人選を見ても明らか。37.5度は勘違いとかね。クラスター対策の先生方からキャパシティの問題でクラスター対策しかできなかったと言うなら、いざとなった時に「実はあの時は〜」というのは卑怯じゃないですか。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)できない事がたくさんあるからクラスター対策をやってるとしたら、中国のようにベッド数を増やす必要があったが、それもやらなかった。8割接触を減らすというのも「休業すれば8割補償します」と言えばやったでしょう。とにかくすぐにキャッシュが手元に届けば人々は従った。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)それなのに憲法上の問題だという人間が虫のように湧いてくる
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
青木さん)discloseできる科学者やジャーナリストが少ないという問題に感じますね
宮台さん)何を計算してるのか分からないから意味がない。納得できるデータをベースにした出口戦略じゃないと意味がないんです
青木さん)宮台先生は社会学者ですが、韓国のように少し緩めるとまた感染者数が上がる。これを繰り返すともたないんじゃないかと思うんですが、どうお考えですか?
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)コロナウイルスは最悪抗体ができない可能性があるし、ワクチンだって半年しか効かないとか、インフルエンザみたいに型が違ってハズレてしまうという可能性もある。それと両立する社会を考えないといけない。中国のような垂直の監視か、ヨーロッパのように市民が情報を共有する水平の監視
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)ハラリやブレマーが言ってるように垂直のほうに勝ち目がある。水平の監視により騙し合う可能性があるけど、垂直の監視だとそれがなくなる。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
しかし、日本は保育園に入る前のヨチヨチ歩きの状態で問題に対処してる。
宮台さん)アメリカについて行けばいいという考えは終わった。じゃあ誰についていくのかというと、中国って大丈夫なの?とか日本は全然知らない。「政府の言う事に逆らうな!」という自分の頭で考えることのできないウヨ豚がTwitterでギャーギャー言ってる状態です。
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
青木さん)他にも宮台さんに訊きたい事があったのですが、続きは次回6月2日にお願いします。ありがとうございました
— 海老原いすみ (@ebiharaism) 2020年5月12日
宮台さん)ありがとうございました
メモここまで。
月一宮台が始まった時はJ-wave仕様でオブラートに包んでいたのに、今夜はもう自粛もせずに淀みなくぶった切っていました。今夜の放送を聞いて改めて、宮台さん以外にこんなに爽やかに「クソ」を連呼する学者さん居ないと思いました。笑
個人的には「クソの付いたケツでも舐める」というパワーワードがJ-waveから流れたところで聴取率が跳ねあがったと思います。優勝!
(おわり)